お正月、お盆休みの帰省で大変なことと言えば飛行機や新幹線などのラッシュでございますが…。一方、孫を待ち受ける祖父母、とくにおじいちゃんにも大変なことがございます。孫とどうコミュニケーションをとっていいのか不安なのでございます。話のネタがないのでございます。デジタル社会が進みすぎていて共通の話題がないのでございます。
今回は、正月休みやお盆休みに小さいお子さんを連れて実家に帰省される方、そして、実家で孫を楽しみに待つ祖父母の方にオススメの絵本でございます。
ちなみに、相手方の実家に帰省する際、相手方のご両親に、この絵本を一緒に持ち帰れば、株が急上昇!ストップ高、間違いナッシングでございます。いったい、どんな絵本なのか…
「やこうれっしゃ」(作・絵:西村 繁男)
こちらは、37年前に「こどものとも」にて刊行されたロングセラー絵本でございます。そう、新幹線もまだ登場していない「夜行列車」全盛の時代でございます。
内容はというと…
東京・上野駅発の夜行列車に乗りこんだ人々の石川県・金沢駅に到着するまでの様子を細かく旅情豊かに描いた絵本でございます。
乗客達は、各々の車両でお菓子を食べたり、トランプをしたり、眠くなったら寝台ベッドで眠りについたり…思い思いの時を過ごすのでございます。
ただ、それだけでございます。何も事件は起こらないのでございます。でも、最後まで飽きることなく読めてしまうのでございます。構成、演出が秀逸なのでございます。気が付くと、まるで自分がその列車に乗車している気分で頁をめくっているのでございます。
さらに!画面隅々まで細かく丁寧に描かれているので、何度見ても飽きることがございません。例えば、最初のページに描かれた親子が到着するまでにどんな行動をとっていたのか、改めてターゲットを決めて見直すこともできるのでございます。子供(孫)に読み聞かせる際も、「この人達は何をしにいくのかな?」「さっき、この人達、どこかにいたね」さらに!「これ、何だか知ってる?今はもう見かけないけど、昔は…」と、会話のタネが満載なのでございます。
寝台列車の様子も珍しいので、子供達の食いつきも間違いナッシングでございます。電車等を利用して帰省したお子様、電車好きのお子様には、たまりまセブンでございます。
おっと!言い忘れておりました。こちら、文字のない絵本でございます。心配はご無用。画面隅々まで細かく丁寧に描かれている絵を見ていると、彼らの会話はもちろん、生活音まで聞こえてくるのでございます。
読み手である親、祖父母ご自身も楽しめること間違いナッシングでございます。懐かしさ全開!映画「三丁目の夕日」レベルでノスタルジーに浸れる絵本でございます。(文:N田N昌)