今、最も注目されている芸人といえば、ブルゾンちえみ様。イケてるキャリアウーマンに扮し、上から目線でアドバイスを送るネタで、一躍ブレイク!「R-1ぐらんぷり2017」の決勝にも進出。
「自分から狩りに出ないと、男できないと思ってない?」
「じゃあ、質問です。花は自分からミツバチを探しにいきますか?」
「探さない。待つの」
「元彼のことが忘れられない?」
「じゃあ、質問です。くみちゃんは、味のしなくなったガムをいつまでもいつまでも噛み続けますか?」「新しいガム、食べたくない?」
「地球上に男は何人いると思ってるの?」「35億」「あと5千万人」……
ブルゾン様のネタは、上から目線でのアドバイスであり、自己啓発本が好きな方にも刺ささるのではないでしょうか……
そこで今回は、OL、大人の女性が楽しめる自己啓発系の絵本をご紹介!実は最近、絵本セラピー、絵本ヨガなるものも登場、絵本は自己啓発本以上に効果があるのでは…とも言われているようです。そんな自己啓発系絵本の中から、大人に人気の厳選2冊をご紹介!
鈴木のりたけ様の「とんでもない」。
こちらは、第9回 MOE絵本屋さん大賞2016で4位に輝いた作品でございます。さらにいうと、鈴木様は、最近話題のヨシタケシンスケさんと並び、「ケチャップマン」「たべもんどう」など、大人が自分のために買う率の高い絵本作家さんでもありますが、とくにこの作品は大人率が高いです。絵もとてもシュールで、大人好みでございます。
内容は、主人公の男の子が、鎧のような皮膚を持つサイのことを羨ましがります。
しかし、サイは「とんでもない。重いんだよ。…」と。「ぴょんぴょん自由にとびはねるウサギのことが羨ましい」と告白します。さらに、ウサギはウサギで、「とんでもない。…くじらが羨ましい」と。さらにさらに、くじらはくじらで、○○が羨ましい」と、数珠つなぎになっていく物語でございます。果たして、どんな結末が…。
面白いのは、今の説明の中では出てこない、本文中のシュールな細かい設定や各動物の生活感。これが超面白いのでございます。
この絵本のテーマは、一言でいうと、「隣の芝は青い」。ブルゾンちえみ様は、きっとこう斬ってくれるのではないでしょうか。「他人の芝生は青いの。他人と比べている間に、幸せはエスケープ」と。
そして、もう一冊。
レオ・レオニ様の「どうするティリー?」。
レオ・レオ二様といえば、「スイミー」でもお馴染みの世界的絵本作家。「スイミー」も大人も楽しめる自己啓発系絵本でありますが、こちらは、さらに自己啓発系でございます。
ティリーは、目の前に立ちはだかる高い壁の向こうにどんな世界があるのか興味がありました。しかし、乗り越える方法がありません。他のネズミたちは諦めて何もしませんが、ティリーは諦めません。何度も何度もチャレンジ、失敗を繰り返すという物語。ドリカムの「1万回だめでも、1万1回目には大丈夫」的なアレです。壁の向こうにあった世界も、出版時の時代背景を考えると、深い意味があるように感じます。是非、大人に読んで頂きたい!
ブルゾンちえみ様的な締めとしては、こんな感じでしょうか。「あなたは諦めますか、壁を越えるのも、人生も…」
(文:N田N昌)