2冊読んで1つのストーリーが楽しめると話題の大人絵本

2018/01/14
N田 N昌

年末年始話題だった映画と言えば、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」でございます。10年ぶりの新作として、一昨年大ヒットを記録した「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の続編でございます。

ちなみに、お正月映画の「キングスマン」、「パディントン」も続編でございます。最近は続編、シリーズ化が定番化しております。「ワイルド・スピード」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」、さらに、DC・マーベルシリーズもそうでございます。

絵本でも、シリーズものがたくさんございます。「11ぴきのねこシリーズ」、「バムとケロシリーズ」、「おしりたんていシリーズ」、「のらねこぐんだんシリーズ」、「だるまちゃんシリーズ」などなど。どれも超人気作でございます。

しかし、どれも登場するキャラクターは同じですが、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のようにお話が続いているもの、前作のラストから直結して始まるものはございません。

ところが昨年、はじめてそんな絵本に出会うことができたのでございます。完全なる続編の絵本、前作のエンディングから直結する絵本でございます。その絵本というのがこちら。

大人から絶大な人気を誇る人気若手絵本作家、高畠那生様の作品、「まねきねこだ!!」でございます。去年7月に出版された最新作でございます。海外のアーティストが描くようなポップな絵に奇想天外な世界観の物語が特長の高畠作品は、ポップでナンセンスなことかぎりなしでございます。その高畠様の「まねきねこだ!!前編にあたるのが、こちらの作品!

「だるまだ!」でございます。こちらは2015年8月の作品でございます。内容はというと、突然、理由も不明のまま、海を渡って大量のだるまが上陸してまいります。そして、だるまはゾンビのごとく、街を侵食していき、街中だるまだらけになるのでございます。あんなところにもこんなところにも…。

この「あんなところにも」のあんなところが、今風なのでございます。エッジが効いているのでございます。めちゃイケ世代以降の大人が笑える「あんなところ」なのでございます。そこが、大人に人気の要因のひとつかもしれません。

さらに、だるまは世界中に広がってまいります。かなりのナンセンス度でございます。結末、エンディングもかなりシュールで大人向けでございます。そのエンディングから続編を期待する声も大きかったそうでございます。

そして登場したのが、「まねきねこだ!!」でございます。こちら、続編というか、直結でございます。前作の最後のページと続編の最初のページの内容が同じでございます。

続編の内容はというと、たくさんのまねきねこが、続々パラシュートで空から降ってまいります。着陸したまねきねこは、前作のだるま同様、街中に広がってまいります。しかし、まねきねこには重大なミッションが課せられております。果たして、そのミッションとは?また、2冊に渡って繰り広げられた物語はどんな結末を迎えるのか…。是非、2冊続けて読んで頂きたい絵本でございます。

映画の続編の場合、それだけでも楽しめるけど、前作を観てから観るとさらに面白いというものがございますが、こちらの絵本は、必ず前作を観て頂きたい絵本なのでございます。2冊でひとつの壮大な物語になっているのでございます。このタイプの絵本は世界中探してもそうそうございません。是非、一度ご体験くださいませ。

(文:N田N昌)

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この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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