セガサミーホールディングスとパピレスは27日、縦スクロールコミックレーベル「ZETooN(ゼットゥーン)」を立ち上げることを決定。それに伴って両社は資本業務提携を行い、新たに合弁会社「JadeComiX株式会社」を設立(2023年5月予定)すると発表しました。本事業への投資額は5年で20億円が計画されています。
フルカラー縦スクロールコミックは国際的に市場が拡大し、今後3兆円の規模に達すると試算されています。日本でも電子版のコミック市場が広がり、業種を超えてさまざまな企業が参画を進めています。セガサミーグループは、新たな感動体験やIP創出を実現するための有力な事業領域として漫画や電子コミック分野に注目し、グローバルダイレクトでコンテンツを展開可能な縦スクロールコミックを通じて、新たなIP創出や既存IPの活性化を実現するために参入を決定しました。
一方、パピレスは国内会員数850万人を超える電子書籍配信サービス「Renta!」を運営し、2015年から縦スクロ-ルコミック事業に着手。縦スクロ-ルコミックとして業界最大級の8万冊を配信し、社内翻訳部門でのローカライズによって現在3万冊以上を国外27の電子ストアで販売しており、世界的IPを生み出してきたセガサミーグループと目標を共有することができたことから、グローバル協業パートナーとして提携に至ったとしています。
今回のレーベル立ち上げについて、セガサミーホールディングス代表取締役社長グループCEOの里見治紀さんは、「この度、国内外で電子書籍プラットフォーム『Renta!』を運営する株式会社パピレス様と合弁会社の設立および新レーベルの立ち上げについて発表できたことを大変嬉しく思います。この取組みによりクリエイティブチームの立ち上げを行い、世界的に成長が見込まれるフルカラー縦スクロールコミック市場において、新規IPの創造にチャレンジします。そして、当社グループおよび関連IPのフルカラー縦スクロールコミック化やストーリー開発を実現してまいります。パピレス様の持つグローバル規模の電子書籍流通網を通じて、オリジナル作品を全世界に届け、当グループがミッション/パーパスに掲げる『感動体験』を創造してまいります」とコメントを寄せました。
パピレスの代表取締役社長の松井康子さんは、「世界的IPを持つ先進的なセガサミーグループ様とのコラボレーションによって、グローバルな大ヒット作品を生み出そうとする試みに興奮しています!平安時代の絵巻物に遡る漫画発祥の地・日本で、初めて電子書籍のオンライン販売を開始したパピレスが展開するグローバルなサイトを通して、21世紀の縦スクロールコミックを、世界中の読者に届けることができる。そこから、新しいコンテンツの潮流が生まれることを期待します」と述べています。
さらに両社は新レーベルについて「日本だけでなくグローバルに向けて事業を展開し、原作創出から作品制作まで一気通貫できるクリエイティブチームを立ち上げます。そして、かつての黄金の国“ZIPANGU”のように世界から注目を集め、新しい時代のエンタテインメントを創造していくことを目指します」としています。