子供に習わせたいお稽古ごととして、囲碁と将棋を考えたことあるでしょうか?
頭を柔らかくするだけでなく職業としての将来性もあるため、一度は挑戦させてみたいと思う親御さんもいるようです。そこで今回は、歴史を積み重ねてなお奥深さを増す、この二大ゲームを比較検証していきます。
囲碁と将棋の起源
それぞれの発祥は、囲碁が中国、将棋がインドという説が有力。どちらも紀元前にまでさかのぼります。その後、長い時間といくつもの国や文化を経由するなかで改良された上で、恐らく6~7世紀頃、には日本に伝わったと考えられています。
戦国武将もハマった!
日本国内でも長年にわたってルールが改良されていき、平安貴族の遊びだったものが、やがて一般にも広がっていくこととなります。
その際に非常に大きな役割を担ったのが、なんと織田信長や徳川家康といった戦国武将。
囲碁と将棋にハマった彼らは、当時の囲碁名人・本因坊算砂や将棋名人・大橋宗桂らを召しかかえ、後に江戸時代を通して両ゲーム業界が確立していくこととなったのです。
新聞に掲載された事で庶民にも親しみやすく
囲碁将棋ともに幕府をパトロンとして成り立っていた業界だったため、明治維新によってプロ棋士業界は大きく傾きますが、
一般人も遊ぶゲームとしても定着していたこともあり、囲碁は1923年に日本棋院が、将棋は1924年に日本将棋連盟の前進となる東京将棋連盟が結成されます。
また、新聞には棋譜が掲載され、これがさらに広く一般に囲碁と将棋を広める役割を果たしたと考えられるでしょう。
囲碁と将棋の攻略のちがい
プレイヤーが向い合って座り、間に置かれた盤上の駒を巡って争うという、ビジュアル的にも相当近いイメージの両ゲームですが、しかしルールはもちろんゲームの概念そのものが、囲碁と将棋では大きくことなっています。
囲碁を好む人!将棋を好む人!で仕事の適正が分れる?
囲碁は盤上の陣地を取り合い、最終的に多く取った方が勝ち。
将棋は、味方を次々失ったとしても、最終的に敵の王将一点を討ち取れば勝ち。 喩えてみれば、囲碁はより多くの財を手に入れることが目的のビジネスマン、対して将棋はトップの座を争う権力者のようなもの。囲碁は経済競争を、将棋は政治闘争を疑似体験できるゲームといえるのかもしれません。
とはいうものの、織田信長も徳川家康も、日本の武将がハマったのは将棋のみならず囲碁も同様。
敵を蹴落としトップの座に自ら就任するということは、敵が持っていた財産も手に入れることになるわけで、武将たちは将棋も囲碁も等しく自分自身と重ねあわせて楽しんでいたのかもしれません。
両方をたしなむ方も多くいますが、その道を極めようとするプロともなると、囲碁なら囲碁、将棋なら将棋の世界を邁進していくもの。
とはいえ交流はやはりあるようで、2012年には囲碁の井山裕太氏と、将棋の室田伊緒氏の両プロ棋士が、ゲームの垣根を越えて結婚し、『サンデー毎日』2012年3月11日号では「自陣を固めてさらなる飛躍を」と、将棋に例えた記事が掲載されました。
囲碁脳と将棋脳。性格のちがいが、ラブラブカップルを生む
囲碁棋士と将棋棋士が結婚した例は、先崎学氏と保坂繭氏、伊奈祐介氏と佃亜紀子氏(どちらも夫が将棋、妻が囲碁)など過去にも複数あり、離婚例は見当たりません。囲碁と将棋は性格や役割がはっきり異なりつつも、相性ばっちり?経済的思考と政治的思考の両者が揃うことで、夫婦生活がうまくいくと考えてもいいのかもしれませんね。