2020年の東京オリンピックを目前に控え、訪日外国人観光客や外国人労働者は年々増加しています。日本政府観光局調査によると、2017年の訪日外国人客数は2,869万900人。また、厚労省の調査によると、2017年10月時点の外国人労働者数は127万8,670人となっています。これはいずれも前年度約20%増で、過去最高の値です。
そこで気になるのは、日本企業の海外送金。2016年9月から個人向けサービスを展開していたTransferWise(トランスファーワイズ)はこのほど、法人向けアカウントの開設を発表しました。サービス開始時期は2018年6月を予定しています。
世界64ヶ国で利用されており、明朗で安価な手数料とスピーディーな海外送金が可能なトランスファーワイズ。その秘密は、世界中に開設された銀行口座を最新テクノロジーでつないで構築しているからです。
日本からアメリカに海外送金する場合、トランスファーワイズの銀行口座に日本円で振り込むと、トランスファーワイズのアメリカの銀行口座から米ドルでアメリカの受取人の口座に支払いが行われます。実際の資金は国境を越えていません。国内のトランスファーワイズの資金が循環しているだけです。
コストは送金額の0.5%から1%の海外送金手数料のみ。その他「隠れコスト」は発生しません。同社によると、一般的な銀行と比較して最大8分の1の手数料で海外送金が可能だそうです。
創業者・代表取締役 ターベット・ヒリンクス氏
3つのメリットで多国籍企業も賢い海外送金
そもそもトランスファーワイズは、海外送金における「隠れコスト」のフラストレーションから誕生しました。「手数料無料」や「0%」と表示しながら、実際は売値と買値の差を徴収することで、ユーザーは知らない間に高い手数料を支払っているケースも存在するのです。
さて、トランスファーワイズ法人アカウントの利用メリットは3つ。まずは「Real Exchange Rate」で、ロイターやGoogle、Yahoo!などに表示されている為替レートを用いて両替を行います。
次に、一括送金機能による世界中の従業員への給料振込みをスマートにした「Batch Payment Tool」。
そして、トランスファーワイズ支払いAPIを利用することで、素早く世界中への送金を可能にした「TransferWise Payouts API」です。
カスタマーサポートは日本語のほか、英語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語に対応。2018年4月現在で750以上の通過ルートが利用可能で、200万人を超えるユーザーが毎月15億ポンド以上、日本円にして約2,300億円の送金を実施しています。そして、約91億円の節約に役立っているとのこと。
グローバル化に伴って、国外の人材を確保する企業も増えています。となると、海外送金にかかるコストは無視できません。トランスファーワイズは、賢いコスト削減ソリューションの、選択肢の一つとなりそうです。