突然ですが、みなさん英語はしゃべられますか?お仕事で避けては通れない場面も多くなった昨今、TOEICの得点に一喜一憂している人も少なくないことでしょう。また2020年を迎えるにあたり訪日外国人観光客も増え、外国語スキル習得の必要性はさらに高まっています。
一方で技術面では、よりそういった面をカバーするツールも目覚ましい発展を遂げています。まず英文翻訳で欠かせないのが、Google翻訳などのインターネットツール。さらにVoiceTraなどのスマホアプリの翻訳ツールなど、翻訳の精度も飛躍的に上がり、外国人とのコミュニケーションの壁もだんだんと低くなっていますね。
さらにそんな壁に対して、身近な課題からさまざまなアイデアを生み出していくことを趣旨としたイベント『2019年度 多言語音声翻訳アイデアコンテスト』が行われており、その審査・表彰式が14日に行われました。これは多言語音声翻訳技術開発・普及に取り組んでいる総務省と国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)の主催により行われたもの。
このイベントは、面白い発想・アイデアを組み合わせることで社会変革のイノベーションを起こすことを目的としており、今年も「言葉の壁」をなくすアイデアというオーダーに対し多くの意欲的な提案が応募されました。
そしてこの最終審査に残ったエントリーは21組。高校生から大学生、企業部門の方や社会人として働かれている傍らでアイデアを作り上げた方、大学講師など、さまざまな立場の応募者が会場に集まり、すぐにでも開発を検討できそうな具体的な構成や、ショートコントのようなユニークなプレゼンなど、それぞれに個性的なアイデアが披露され、審査員の関心を掻き立てていました。
そして拮抗した議論が重ねられ、予定より10分ほど遅れて審査発表が行われ、以下の8組が優秀賞を受賞しました。(プレゼンター/提案名)
・加藤優弥/『多言語音声翻訳アプリを搭載したゲームソフトの開発』
・「災害情報の一斉放送を考える」/『災害情報を音声で伝達 多言語対応型防災無線アプリ「かんたん防災無線」』
・White Yellows/『グローバル交流の基礎を築く「文化」と「経験」の翻訳を目指したインタラクションモデルの策定』
・キャンパスラボAチーム/『日本料理を母国の味に翻訳 味覚スキャン』
・キャンパスラボCチーム/『ライブ配信をすぐに翻訳!「NOW 訳 LIVE」』
・吉田菜那/『スマホアプリ“Slanger”海外でもLet's use 若者言葉!』
・鶴田葵、山本峰丸、塚本健人/『言語データ蓄積・学習型の母子健康手帳アプリ「Mama Supporter」』
・Shaberoo/『英語が身につくAIメンター付きボイス日記』
なお、ここで受賞した提案は、2020年3月に行われる『多言語音声翻訳 試作品(PoC)コンテスト』の審査会へ出場することが可能となります。これは本イベントに対し多言語音声翻訳を活用した「言葉の壁」をなくす製品サービスの試作品(PoC)のコンペティションであり、より具体的な形を競うものとなります。
なかなかにユニークで奇抜なアイデアが登場したこの日のプレゼンですが、どのプレゼンも目的意識と強い熱意を感じさせたものであり、審査員の方も「使っている人の顔が思い浮かぶ」「ここに来たことをまず誇りに思ってもらえば」「“参加することに意義がある”ではないですが、これを機にさらにブラッシュアップして、ぜひ世の中にサービスを提供してほしい」とエントリー参加者全員にエールを送られていました。
身近な生活に広がりを与え、さらに潤ったものにしてもらえそうなアイデアが満載となっていたこのイベント。こうしたアイデアが今後の外国人とのコミュニケーションという課題に対しどのような影響を与えていくか、注目していきたいところであります。
ちなみに『多言語音声翻訳 試作品(PoC)コンテスト』はこの大会の優秀賞のエントリーだけでなく、2020年2月6日までまだまだ挑戦者を募集しているとのこと。頭にビビッと閃いちゃった人、我こそはと高い志を持たれている方は是非チャレンジしてみてください!