繁華街で良く見る「角海老」とは
角海老、もしくは角海老宝石。そんな看板を繁華街でみたことはないだろうか?ときおり電車の車窓から蛍光オレンジの看板を見かけたことがある人も多いと思う。宝石というぐらいだから質屋かなにかとだ思っていたが、大手名門ボクシングジムらしい。
角海老グループは、日本の盛り場を支えてきた老舗中の老舗。歴史ある名門ソープランドの名前だ。ソープランドを母体とし宝石のディスカウントショップ、ボクシングジムなどを多角的な経営をしている。
街にソープランドが増えない理由
ソープランドとは個室サウナや個室風呂で、女子から性的なサービスを受けられる、いわずもがな風俗の王様。なぜ王様かというとそれは最初から最後まで合法で“できる”からだ。もちろん“最後までする”か、どうかはキャストの気持次第。これを店側が強要しては法律違反になる。そのため、ローションや避妊具などはキャスト自身が買い、店側は支給してはならないのだ。
そんな風俗の王様ならば、盛り場にどんどん店舗が増えそうだが、実は、ごく一部の場所を除き新規オープンは厳しく規制されている。新規出店する場合はソープランドであった店舗を借りて“改装”することしかできず、全面改修は“新築”とみなされるため内装工事と外装工事は分けて行われるそうだ。
(風営法1号営業による記載)
ところで、調べているうちに店舗の紹介ホームページに “日の出~24時”という不思議なコトバを見つけた。クリックすると日の出の時刻や暦が表示される店舗もある。なんだか海や漁船をイメージしてしまうが、こちらは舟盛でなくて女体盛…。
つまり、こういうことだ
風営法で「午前0時から日の出までの時間を深夜と呼ぶ」と義務付けられているのだ。平成の世に、こんな情緒のある法律があると思わなかった…。
もちろん大抵の店は、毎朝、朝日が昇るのを確認して店を開店するわけもなく、だいたい夏場は5時、冬場は6時など季節や地域によって時間が決まっていたそうだ。
ところが、平成26年10月。風営法改正が提出され、第13条第1項に規定する風俗営業の原則的禁止時間が(午前0時~日の出)から(午前0時~午前6時)へと改定、この禁止時間を「深夜」と定義することになった。これによって“日の出”表記が消えることになる。
法律が分りやすいことにこしたことはなく、ルールは守りやすい方が良い。けれど、しょせん儚い疑似恋愛でなりたつ泡のような時間。曖昧さのなかにも情が見え隠れする“日の出”なんて表現が、なんとも浪漫に感じてしまう。