先日、労働組合単独では全国で初となる「イクボス宣言」を、自治労東京都本部が行いました。イクメンが世に浸透していますが、さらに今では“イクボス”なるものが話題になっています。そんな“イクボス”とはどんなものか? “イクボス”がどんな活動をし、世間に広まりをみせているのかをご紹介します。
“イクボス”とは…
出典:http://fathering.jp/ikuboss/
育児を積極的に行う男性である「イクメン」を応援する上司のことで、厚生労働省が「イクメン企業アワード2016」と「イクボスアワード2016」を表彰したことで、男性の『子育て』への関心がさらに高まっているようです。そんな中、育児や介護など、ライフワークバランスで悩む社員を応援する管理職・“イクボス”を育成する事業『イクボスプロジェクト』には今、ソニー(株)、花王(株)、コクヨ(株)、アサヒビール(株)、第一生命保険(株)、カルビー(株)等々、色々な企業が声を上げ同盟していることが話題となっています。しかし実施にどんな“イクボス活動”をしているのか? 2016イクボスアワードに選ばれた実例からご紹介しましょう。
青森県警察 警察署長 齊藤重光さんの場合
月一休暇や、職員・家族の誕生日等の記念日における休暇を取得するように積極的に働きかけた。配偶者出産休暇・育児参加休暇を取得しやすいよう、父親となる職員を署長室に呼び、共に休暇計画書を作成した。
戸田建設株式会社 工事長 森田誠さんの場合
保育園の送迎に配慮した打合せ時間の設定やiPad 活用で情報共有をし、育児期間中の社員の両立に配慮。3か月先までの休日を職場全員で見える化し共有。また、イクボスが動画を作成し、月1回定期的に上映会を開催することで、上司部下の距離感を縮め、風通しの良い職場を実現した。
P&Gジャパン株式会社 経営管理本部 アソシエイトディレクター 鷲田淳 一さんの場合
時間制限付きで働かなければならない部下を含めた全員が活躍できるように組織の業務の優先順位と、部下の仕事への期待値を明確にした。2 週間に 1 回、部下との個人面談を実施。一人ひとりと向き合い、キャリアや強みに応じた業務配分を実施した。
他にも、記念日休暇として半期に 3日、年間 6 日間の年次有給休暇をあらかじめ各自設定し、取得日の前月下旬に取得予定者あてに「お知らせメール」を自動送信、取得促進した(リコーリース株式会社)。など、社員が自ら宣言する形から、会社が促すという形に変わりつつあるようです。自らの発信は、なかなか勇気のいる行動ですが、上から促されれば、気にすることなく自分も周りも自然とお休みがとれたりしますよね。社会的に注目を集めてきている“イクボス宣言”は今後、どんどん広がっていくかもしれませんね。