1月1日に正月祝いをするのは、西洋で使われている「グレゴリオ暦」によってのこと。ほとんどの国が「グレゴリオ暦」を採用していますが、1月1日以外を正月とする国が世界にあります。例えば、身近なところでは“中国”。
旧正月にあたる2月の春節前後の大型休暇で、2016年の旧正月は8日から13日になります。近年は、その正月休みを利用して大勢の人が爆買ツアーを計画し、今年も訪日ラッシュがとまらないようです。なかには、飛行機の運賃が片道8000円(大阪-上海線・春秋航空)のところ、日によっては20万前後に高等しているというニュースも!。(産経ニュース2016年01月31日)
中国の春節は、日本の旧暦(太陰暦)と重なるので、なんとなく馴染がありますが、その国独自の暦(こよみ)で正月を祝う国をいくつかご紹介します。海外の正月は、どんなものなのでしょうか。
1.エチオピアの正月は9月1日
アフリカ大陸の中でも独自の文化と歴史を持つエチオピアは、独自の暦を持っている国。エチオピア暦では9月1日が新年となるのだそう。また、エチオピアでは、国際時間の0時ではなく朝の6時が新年の始まりになるのですがこれ、エチオピアの日付変更が朝6時にあたるからなのだとか。
エチオピアは、赤道直下の国なので、夏至や冬至で日の出、日没が違うということもなく、一年中、昼が12時間、夜が12時間と決まっています。ちなみにエチオピアには13月があるんですって。まぁ一カ月多いと言っても、13月は5、6日間だけですけどね。日本の元旦とされる1月1日も学校や会社は通常通り、普通の生活となんら変わらないのだそうです。
2.インドの正月は10月~11月の間の新月
太陰太陽暦の「ヒンドゥー暦」に従うインドでは、10月から11月の間の新月の晩が
インド人にとって正月にあたるのだそうです。この時季、家を電飾やろうそくでキラキラに飾り立て、多くの会社や学校はお休み。屋台も出て人が集まる道には、牛が悠々と歩き、100連発が当たり前の爆竹や花火が打ち上げられるというお祭り騒ぎだそうです。
3.モンゴルの正月は1月下旬~2月下旬
モンゴル暦は、インドの暦に起源を持つチベットの太陰太陽暦・時輪暦の一種を使い、
旧正月の「ツァガンサル」に正月が行われます。「ツァガンサル」は「白い月」を意味
なのですが、モンゴルで「白」は純粋さを表現。モンゴル人が尊ぶ色でもあるので、
月は「何も悪いことがない真っ白な月」という意味があるのだとか。
元旦当日は日の出に起き、白い衣装に着替え、それぞれの幸運の方向に歩き功徳の方向か
ら戻ります。この式が終わると、大地にミルクを捧げ、日の出とともに家族と挨拶を交わ
しその後は知人、友人、親戚 との挨拶へとうつるのだそうです。そして、正月の食は、「蒸
し餃子を食べる、振る舞う」ことなので、お正月を迎えるにあたり、大量の餃子の準備に
追われるそうです。
4.スリランカのお正月は4月
お正月の日時は毎年占いによって決定されるのがスリランカ。
だいたい4月12~14日の間だそう。お正月の前「ノナガディ」と言って全ての“恵まれる行為”はしてはいけないのがスリランカの風習。具体的には、仕事をしてはいけない、お金に触ってはいけない、勉強してはいけない、風呂に入ってはいけない、他人の家を訪問してはいけない、ご飯を食べてはいけないなど。そして、「ノナガディ」が終わると、いよいよお正月。
まず、家のリビングルームの真中で鍋にミルクを沸かし、ふきこぼれたら次に外へ出て、次々に爆竹を鳴らす。 その儀式の後、やっと山のようなご馳走にありつけるのだそう。食事後は、お寺に行ったり親戚や知人の家を訪問するなど外出。最後に家に帰り初風呂に入れば終了です。
各国の正月における風習もそれぞれ特徴があります。日本のお正月ともかぶりませんし「世
の界正月を楽しむ」と題したツアーが組まれたら、人気になるかもしれませんね。