お口の病気は万病の元。口腔ケアを怠って虫歯や歯周病になると、動脈硬化や心筋梗塞など全身に関わる病気になってしまうケースもあります。とかく欧米人の口腔ケアに対する意識は高く、歯科医師の上妻和幸先生は「歯磨きに満足している欧米人の割合は85%」と話しています。一方、日本人は57%前後と言われています。
厚労省の平成28年実施「歯科疾患実態調査」によると、歯ブラシでの歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間の清掃を行っている人は39.1%という結果に。ほとんどの人が歯ブラシだけで歯磨きをしているということです。
ところが、歯ブラシだけの歯磨きでは「歯間部に汚れが約40%残る*」とされており、歯ブラシ以外の道具を使った歯間ケアや歯周ポケットケアなどが重要になってきます。
あなたの口の中もこうなっているかもしれない
「そんなこと言ったって、歯ブラシ以外の口腔ケアは面倒」と思う人も少なくないのでは。そんな人はこちらの動画を見てみましょう。
「ブルータス、お前もか」でお馴染みのガイウス・ユリウス・カエサルが発した「人はみな、見たい現実しか見ていない」というメッセージから動画は始まります。
展示されている6枚の白い皿には、美しい柄が施されています。各国の人々はそのデザインを賞賛。しかしその皿のデザイン、食べカスで浮かび上がった模様なのです。
皿には健康的な歯茎の溝と同じ、約1mmの溝が彫られています。また、柄と柄の隙間は歯と歯の隙間の平均値と同様の約0.6mm。その皿に盛り付けられた料理を食べ終わると、ソースなどが溝にたっぷり残っていることが分かります。
つまり、この一見綺麗に見えて実は汚れている皿が、食事後の口の中を表現しているのです。汚れは、歯ブラシでこすってもなかなか落ちません。口腔洗浄器を使って、ようやく皿は真っ白になりました。
このショッキングな動画は、パナソニック株式会社がオーラルケア啓蒙活動「FRORAL PLATE PROJECT」の一環で制作したもの。中国では3日間で1,000万回再生を記録しました。
パナソニックが提唱するオーラルケアは「FBI」。歯と歯の隙間をケアする「フロッシング(F)」、歯の表面をケアする「ブラッシング(B)」、口の中を洗浄する「イリゲーション(I)」です。
歯ブラシだけで口腔ケアをしていた人にとっては、手間に感じるかもしれません。でも、美味しいものをいつまでも自分の歯で食べたいのなら、「歯の磨き方改革」を考えた方が良さそうです。
*出典:日本歯科保存学雑誌