「寄付する」意義を可視化した『Donashop』 元新体操・畠山愛理さんも応援

2018/12/03
マガジンサミット編集部

「寄付をする」ことの意義と『Donashop』開設とのつながり

 日本赤十字社は、世界各地の紛争や自然災害による犠牲者の緊急救援、保健衛生指導、及び感染症対策等の開発協力事業のために、例年12月に募金活動を行っています。この募金活動は昭和58年から実施、35年もの歴史を重ねており、毎回多くの方が賛同とともに寄付を行われています。

 しかし反面、寄付がどのように役立っているのか、実際のところはわからないといった声が意外に多くあります。実は英国のチャリティー団体【Charities Aid Foundation(CAF)】が発表する世界寄付指数ランキングでもこの寄付は毎回順位が低く、2017 年度は139カ国中111位とかなり下位に甘んじている状況です。

 そこで今回、寄付で“できること”をリアルに実感できる機会を提供するものとして企画されたのが『Donashop』です。このイベントは募金活動の時期として定着した年末シーズンに、改めて"海外支援や寄付について考えていただき、能動的な姿勢をもってもらいたい”と考え、実施に移る運びとなりました。

 会場内には、小児用医薬品やブランケット、ミネラルウォーターなど「支援が必要な現地の生活者が今、必要としている物品」を取り揃えられ、来場者は展示品を見て寄付をしたいと思ったら、備え付けられたカードを手にとりカウンターに向かいます。

そしてレジでお金を払って買い物をするように寄付をし、シリアやバングラデシュの子どもたちの、笑顔のポストカードを受け取ります。このように寄付行為を、通常のショッピングのように体験できるのが特徴です。

 さらにこのショップのWEBサイト版『Donashop』も11月22日に先行オープンしており、赤十字が実際に届けている支援物資及び支援活動の中から、その価格に応じた寄付をすることができます。寄付ボタンをクリックすると、寄付が日本赤十字社を通じて実際の支援につながっていくことを表現したアニメーションも見られるようになっています。

畠山愛理さんも東日本震災後に実感「ささやかな気持ちでも大きな力になる」

 29日にはオープニングイベントが行われ、このショップの一日店長として2012年ロンドン五輪、2016年リオデジャネイロ五輪に団体で出場を果たした元新体操選手の畠山愛理さんが就任、イベントではその一日店長就任式が行われ、日本赤十字社事業局長の見澤泉さんから受け取った日本赤十字社のビブスに袖を通し、その役割を果たされました。

 その後に行われたトークセッションでは、畠山さんが東日本大震災の後にイタリアで新体操の大会に出場した際、全選手や観客の皆さんから黙祷を受け、その気持ちに感動していたことを明かしながら「私自身、オリンピックという夢の舞台に一人の力では絶対立てませんでした。世界中のみんなが夢をもっていいと思うし、そのためには環境というものが大切になってきます。私たちにできることを一人一人が考えて行動していくことが大切だと思います」と募金などの活動により、人々の背中を押す、そんな行動、環境の大切さを語ります。

 そして「このイベントでは、ささやかな気持ちでも大きな力になるということがすごくよくわかります。募金したお金がどんな形になって人々に届くかがわかると、より助け合う気持ちが強くなり、行動につながりやすくなると思います」と自身も実感したイベントの意義をコメント。この声には道行く人たちも足を止め、セレモニー終了後には、実際に『Donashop』で寄付をする人の姿も多く見られました。

 一方、会場ではお笑いタレント、アーティストとしても有名なジミー大西さんの募金箱が展示されました。この募金箱はNHK番組「はじっこ革命」の寄付をテーマとしたプロジェクト「思わずお金を入れたくなる募金ってどんなの?」から生まれたものです。

これもある意味"できること”の可視化と考えることもできるでしょう。こうした”できること”を、小さなことでも一つ一つ実体化していくことは、非常に大事なことであるようにも考えられます。

 そんなところからも、今回の試みは、よりよい社会を作っていく上で、大きなポイントになるでしょう。年末の師走のとても忙しい時期ですが、ふっと止まって一休みの際に、皆さんも改めて考えてみてはいかがでしょう?それは見方を変えると、皆さんご自身の気持ちを豊かにしてくれるものになるかもしれません。

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