ゴールデンウィークが終わり、自殺をする学生がニュースでも話題になりました。ゴールデンウィークに限らず、長い休みの後に学生の間で自殺者が増えるのは内閣府調査でも発表されているほど、大きな問題として捉えられています。
しかし、これは学生だけの問題ではありません。昔から『五月病』なる言葉があるように、社会人の世界でも同じような傾向にあると言われています。そして現代、『新五月病』なるワードがカウンセリングの中に良く出てくると言われています。
では一体、『新五月病』とは何か? その解消法とは? 都内の学校で活躍する心理カウンセラーに聞いてみました。
『五月病』と『新五月病』の違いとは?
大きな違いは二つ。一つ目は『年齢』。
五月病は、新社会人や学生など、年齢の若い人が新しい環境に適応できない事が原因でしたが、『新五月病』は、20代後半~50代と、幅広い年齢層が該当します。
そして二つ目は、『時期』。
五月病は文字通り五月に発症するものですが、『新五月病』は、6月に症状が現れることが多いのです。社会で数年経験した人が、馴染めないと言う環境に努力をするも、結局適応できなかったという場合に見られるのだそうです。
『五月病』も『新五月病』も、医学用語にはありません。医学的に言うならば「適応障害」という分類をされるのです。適応障害とは、急激な環境の変化についていけず、心や体が悲鳴をあげている状態のこと。入社時に限らず、配置転換や転職、退職、結婚、引越しなど環境が大きく変化する時期に起こりがちなんです。
解消法とは?
「早く仕事を覚えて戦力にならないと」と、責任感が強い人や頑張り屋さんに、この症状は多くみられると言われています。日曜日の夕方、TVで「サザエさん」が放映されると、月曜日からの仕事が憂鬱だ…なんていう方は少し気にしてみて下さいね。 では、早速解消法をお教えします。
ON/OFFの切り替えをしっかりする
いつもいつも仕事のことを考えれば、心も体も休まりません。意識的に、帰宅後や休日は、仕事のことを考えないですむように『趣味』の時間を充実させましょう。趣味は、好きな時に没頭できますので、周りを気にする必要がありません。
『セロトニン』を増やす
元気脳に欠かせないのが『セロトニン』という脳の中にある神経伝達物質。セロトニンが不足すると『うつ病』になりやすいといわれています。そして、その『セトロニン』を増やすのに最適なのは、適度な運動。セロトニンを活性化させるには、一定のリズムで体を動かすことがポイントで、ジョギングやウォーキングなど、リズミカルに体を動かしてくださいね。
良質な『タンパク質』をとる
セロトニンを不足させないようにするには、運動の他に『バランスの良い食事を3食きちんと食べる』こと。この『セロトニン』を作り出す材料となるのが必須アミノ酸の一種である『トリプトファン』という物質。
『トリプトファン』は、肉、魚、大豆類など、『タンパクが豊富な食品』に含まれているので、気にして摂取してみてください。しかし、アミノ酸を単体でとりすぎると、肝臓に負担がかかることもあるので『バランスのよい食事』は心がけて下さいね。
新しい環境に馴染めないのは、近くに相談相手がいないため辛いことですよね。そんな状況を乗りきるためには、簡単にできることから取り組んでみるといいかもしれませんね。一度、騙されたと思って、日常生活の中に無理なく組み込んでみては如何ですか?