大阪から全国に広がる、グルテンフリーの「カリフラピザ」

2024/07/16
マガジンサミット編集部

小麦を使用せず、カリフラワーと米粉を生地にしたグルテンフリーのピザ「カリフラピザ」を提供する株式会社リジカーレン。実はこのカリフラピザは、小麦を使用した名物が数多くある大阪の街で誕生した。全国にファンを広げるこのカリフラピザを開発した同社の大橋孝朗代表に、開発秘話から事業に懸ける想いについて聞いた。

“粉もん”の街で生まれた小麦不使用の串カツ

グルテンフリーのピザ「カリフラピザ」が生まれたきっかけは、弊社が大阪市北区で運営する串カツ酒場天満店で「グルテンフリー串カツ」をお出ししたことでした。大阪といえば、串カツ、うどん、お好み焼き、たこ焼き……、小麦粉文化の街です。そんな大阪には欧米の方がたくさん観光に来られます。小麦粉を使用する食文化で育ってきた彼らも、「小麦粉を食べたらちょっと調子悪くなるんだ」と10人いたら1人か2人はそう言われるのです。そこで串カツをグルテンフリーで出したらすごく喜んでいただけて。さらに「子供に串カツ食べさせてあげられる日が来るとは思わなかった」と言ってくださる日本人の親御さんがいらっしゃいました。おいしいものを食べたい、食べさせたいけれど、小麦アレルギーでできないと悩まれている方が多いということを改めて実感したのです。

グルテンフリー食の需要を感じる中で、では、日本全国で食べられているものでまだグルテンフリーが広がっていない食べ物は何だろうと考えました。そこで、ピザだと。あれだけデリバリーもあって世間に浸透していて、食べたいのに食べることのできない方も多くいらっしゃると思って、グルテンフリーのピザの開発に取り掛かりました。

グルテンフリーでピザならではの食感を実現

グルテンフリーの市場が大きいアメリカでは、カリフラワーを使用したグルテンフリーのピザが流通していました。そこで私も試行錯誤の結果、カリフラワーを生地に使用することに落ち着きました。カリフラワーと米粉の生地に塩麹をプラスし、風味豊かにヘルシーに仕上げました。発酵時間にこだわってサクッとした食感は残しつつモッチリ感を引き出しました。最初はクリスピー感と生地のまとまりを作るのに苦労しましたが、偶然に試した従来のピザでは考えられない調理方法と配合が上手くいき、ピザ本来のクリスピーな食感をお楽しみいただけます。

カリフラピザを提供し始めたときに、ご年配の夫婦の方が来られて、「死ぬまでにピザを食べられるとは思わなかった」というお声を頂いたときに、グルテンフリーの串カツが喜ばれたときのように、やって良かったと大きな手応えを感じました。うれしかったですね。カリフラピザにはトマトやほうれん草などの野菜まで生地に練り込んだピザもあり、とてもヘルシーなピザになっています。低カロリーでグルテンフリー。さらにビタミン豊富で食物繊維はアップし、良いこと尽くしです。直径約11cmで、時と場所を気にせずに一人で食べきれる大きさにもこだわりました。全国にいらっしゃる健康志向の方から多くご注文を頂いています。

「あそこで働いて良かった」と言われる企業に

カリフラピザはオンラインでも販売し、好評を得ています。グルテンフリーの食事に関しては、私のライフワークとしていくつになっても取り組んでいくつもりです。そんな弊社は今「カツ専門 金のころも」と「串カツ酒場」やカリフラピザのショップ、この3本で飲食業に注力しています。若い社員も入社している中で、弊社で経験したことが彼らの人生にとって財産になるようにしてあげたいのです。飲食業界は業界の中で転職が多く、経験を積んだら次に向かう人が多いもの。うちで働いた後に独立したいと決意した場合にも、銀行に開業資金を借りるときに、弊社であれば「ららぽーとの中のお店でこれだけ売り上げていました」と言う方が、説得力があると思います。後で振り返って、「あそこで働いて良かった」と思っていただける企業でありたいですね。

日本は今あらゆるものが値上がりしています。そんな中で、「1000円、1500円ご飯に出すのであそこに食べに行きたいよね」というような付加価値をつけていきたいと日々取り組んでいます。普通の串カツ屋さんであれば、服に油の臭いがつくとか、油っぽくて胸やけがするといった場合もあると思いますが、うちの店に関してはその可能性を一つずつ潰していっています。臭いを防ぐために換気扇を完璧にして専用の機材を導入したり、胃もたれしないように特殊なオイルを使ったり、お客様のことを考え抜いた結果行き着いたのがグルテンフリーの串カツや、カリフラピザでした。お客様から見えないところで努力を重ねて、「おいしかった」「楽しかったね」と思っていただけるお店でありたいですね。

チェーン展開を行う外食企業で、新業態の立ち上げやマネジメントを経験。次なる飲食トレンドをいち早くキャッチして、新業態を創出し、数十~数百店舗単位のチェーンに育てあげる。2009年独立し、女性でも入りやすい串カツ屋をOPENし、現在福島・天満等3店舗を展開する。

株式会社リジカーレン
https://www.califlapizza.jp

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