芸術の力で次世代を担う子どもたちを応援するプロジェクトとして、今年で11年目を迎える「なら国際映画祭 for Youth 2021」(主催:NPO法人なら国際映画祭)が9月18日〜20日の3日間にわたって開催される。
今年は「なら国際映画祭 for Youth 2021」と新たな名称に生まれ変わり、18日の19時から世界遺産・春日大社で初となる「“祈”のレッドカーペット」を開催。続いて、同20時より春日大社・林檎の庭にて、琉球舞踊家として海外でも活躍する宮城茂雄氏による奉納演舞が行われる。
※宮城茂雄氏
公式サイト:https://nara-iff.jp/
今年はコロナ禍での開催で招待者を限定的にし、公式YouTubeチャンネルでのオンライン中継に力を入れているとのこと。YouTubeの中継であれば、世界中どこからでもこの歴史的な瞬間を目にすることができる。
会期中は、次世代を担う子どもたちの才能を発掘するための3つのプログラム「ユース映画制作ワークショップ」「ユース映画審査員」「ユースシネマインターン」で映画祭を盛り上げる。
「ユース映画制作ワークショップ」では、中学生・高校生の新鮮な感性を信頼し、プロスタッフのアドバイスの下、奈良の地で自由な映画づくりを体験。完成した映画と制作過程を記録したメイキング映像を、イベント最終日の9月20日に東大寺総合文化センター金鐘ホールにて上映する。
「ユース映画審査員」では、「ベルリン国際映画祭 ジェネレーション」推薦の長編映画5作品と、「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」推薦の短編映画5作品を上映。18日から19日にかけてユース審査員だけで審査し、20日のクロージングセレモニーで各部門の最優秀作品「クリスタルSHIKA賞」を発表する。
昨年より新設された「ユースシネマインターン」では、実力派監督リム・カーワイ監督の作品「いつか、どこかで」を題材に、ユースメンバーたちがより多くの人に知ってもらうための宣伝戦略やアクションプランを作成し、配給宣伝・広報活動もすべて担当。最終日の9月20日にトークイベントと作品上映会を実施する。
さらに、今と未来、奈良と世界をつなぐ映画制作プロジェクトNARAtiveの最新作「再会の奈良」が20日に特別上映される。
※河瀨直美氏
同映画祭のエグゼクティブディレクターを務める映画作家の河瀨直美氏は、「奈良は、神様のお庭に、鹿も人間もみんなで仲良く暮らしている世界遺産のまちです。2020年、世界中の人々が小さなウィルスの脅威を実感することとなった時、10年目を迎えたなら国際映画祭の役割を想っていました。こんな時だからこそ、このお庭から、世界への扉を開き、本当の意味での国境を超えたつながりを実感し、「日本」を改めて誇りに思い、この庭に小さな種を撒くことにしよう!」とコメント。
続けて「撒いた種は、今、青くイキイキと芽を出し始めました。2021年、新たな名前を持って、ここから世界に繋がる『タカラモノ』とともに未来を創ってゆきたいと願います。地球という同じ船に乗った78億の人々の心に芸術の光が宿り、世界を照らすことができますように。この庭が育まれてゆくことができれば幸いです。奉納には本年世界遺産にも登録された琉球からの舞が、分断を経て、逢いたい気持ちを謳った先人の想いを紡ぎます。なら国際映画祭 for Youth 2021 幕開けです」と、開催に向けての言葉を寄せています。