新年度が始まり、これからお世話になる方、離れてしまった方に近況をお知らせする手紙やメールを送るなど『言葉』に気を付けたい時期ですよね。
そんな『言葉』ですが“いし”って「意思?」「意志?」あれ?どっちだったかしら……なんてことありませんか?とくに漢字は間違えて覚えやすいのではないでしょうか。千葉県内の大手塾に勤める講師の方に伺ってみると、そもそも、意味が違っていることにすら気がつかず、使っていることも多いとのこと。
同じ読み方で意味が違っていたり、一文字違っただけで意味が変わってきたり。日本語って本当に難しいですよね。そこで間違いやすそうな漢字を調べてみました。
『意思』と『意志』
『意思』……
自分の考えを相手に向かって明らかにする。
(例)「意思表示」
『意志』……
何とかしたいという積極的な心が入る。
(例)「意志薄弱」
*ただし、法律用語は『意思』を使っています。
『聞く』と『聴く』
『聞く』……
漠然ときく(きこえる)場合。
『聴く』……
積極的に意識してきく場合。
*ただし、尋ねる、従うという意味では「聞く」を使います。
『制作』と『製作』
『制作』……
自分で考えて整え、定めるような場合に使います。
(例)芸術など、作品を生み出す場合。「絵画を制作する」
『製作』……
ものをこしらえるという場合に使います。
(例)工業製品をつくるなど、つくるだけの作業の場合に使います。「部品を製作する」
『伯父』と『叔父』
『伯父』……
父母の兄および父母の義理の兄(父母の姉の夫)を指す。
『叔父』……
父母の弟および父母の義理の弟(父母の妹の夫)を指す。
*また「小父」は、血縁関係のない中年の「おじさん」のことです。
『精算』と『清算』
『精算』……金額を細かく計算して結果を出すこと。
(例)「運賃を精算する」「出張費を精算する」など
『清算』……
今までの貸し借りをすべて整理して後始末をつけること。
(例)「会社を清算する」「二人の関係を清算する」など
『羽』と『羽根』
『羽』……
鳥や昆虫など、体にくっついている状態。
(例)「羽を伸ばす」「羽を広げる」
『羽根』……体から離れてバラバラにされた状態。
(例)「赤い羽根募金」「羽根布団」
*また『扇風機』のように、羽形に加工されたものは『羽根』と書きます。
『体制』と『態勢』
『体制』……長期的な取り組みの場合に使う。
(例)『生産体制』
『態勢』……短期的、部分的な取り組みの場合に使う。
(例)『増産態勢』
まだまだありそうですが、間違えやすい漢字も、本や新聞を読むと自然と意味を習得できるかも知れません。また、漢字のパズルやナンクロなどもあるので、楽しんで覚えるのも手ですね。
最近、学校生活の中に【朝読書】なる活動を取り入れているところが増えているようですが、活字を読むのは受験勉強どころか、大人になった時、日常生活をしていくうえで必要不可欠。ぜひ、この機会におさらいしてみてください。