節分の季節がやってきた。今年も鬼の仮面をつけた父親めがけて、ちびっこ子たちが「鬼は~外、福は~内」と豆をぶつけるのだろう。家中に散らばった豆を拾い、年の数だけ食べて、毎年“あること”にハッとする。豆が多すぎる、ぶっちゃけこんなにいらない……。一粒ずつ食べるには多すぎるし、すべて捨てるのはもったいない。せめて美味しく消費できれば嬉しいが、何かいい手はないのだろうか。
節分の二大派閥「大豆」と「落花生」、食べ方の違いとは?
節分の豆といえば、北海道や東北などの雪が多い地域では「落花生」、それ以外では「大豆」が主流だ。(一財)全国落花生協会が2014年に実施したアンケートでは、節分で豆まきをする人のうち、21.6%が殻付きの落花生を使っているという。
別の某ウェブ媒体が実施した2017年のアンケートでも大豆が62%、落花生が30%を占めていた。……ということは、極端な話、この二つの豆の食べ方さえ押さえておけば、処分に困る人が減るということだ。
大豆はとにかく煮て、食べやすくせよ
まずは大豆だ。乾燥状態の大豆を食べたことがある人ならわかるだろうが、意外と固くて食べにくい。一度に大量に食べると、水分が欲しくなる。乾きものの大豆をどうするかだが、手っ取り早いのは「煮物」だ。とにかく水分あるものと一緒に煮てしまえばいい。見事にふやける。固さがなくなるので食べるときの億劫さがなくなる。これなら一気に食べても苦労しないのだ。
「畑の肉」といわれるほど高タンパク質
煮込んだ大豆は、醤油、酒、みりんで味を調えれば「大豆の煮物」になる。トマト缶をベースにすれば「大豆のミネストローネスープ」ができあがる。「炒める、揚げる」より「煮る」がシンプルでいて、ベストな選択肢だ。さらに大豆は「畑の肉」といわれるほど高タンパク質。必須アミノ酸を多く含んでいて、消化吸収率もよく、余ってしまって困ったと言っているのが申し訳なくなるほど体に良い。
落花生は
一方の落花生だが、これも基本的に食べ応えがある。もし、ビールのお供に食べたければ塩茹でがスタンダードだ。中の豆が柔らかくなり、殻も剥きやすい。落花生をメインに調理するのであれば、「カシューナッツ炒め」のように鶏肉やピーマンと一緒に醤油、酒、ごま油、オイスターソースで炒めるのといい。
また、落花生の素材をそのまま味わいたければ、「手作りピーナッツバター」がオススメだ。殻をむいて炒った豆をフードプロセッサーでなめらかになるまですりつぶし、あとはお好みでバターやはちみつ、オリーブオイルなどを入れて味を調えればいい。粗挽きにしておけばピーナッツの食感や風味が味わえて市販品にはない味が楽しめる。
落花生の薄皮は剥かないほうが栄養満点
ピーナッツには赤茶色の薄皮がついているが、できれば剥かずに食べたほうがいい。ポリフェノールが豊富に含まれているので、美肌やアンチエイジングの効果が期待できる。また、ピーナッツは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランスがよく、コレステロール値を下げる働きも期待できる。ハーバード大学の研究では、死亡率を大きく下げる食材としても注目されている。
これだけ栄養面でいいところだらけの落花生だが、唯一の注意はアレルギーだ。落花生のアレルギーは重篤化しやすく、アナフィラキシーショックの頻度も多い。大半は幼児期に発症しやすいため、子どもが食べるときには気をつけたいところだ。せっかくの節分、家族で豆を投げ終わった後は、お腹も満たしてハッピーな気分で締められると最高だろう。