いのちの尊さ、助け合いなどをテーマに日本赤十字社が公募する、日本赤十字社 第13回「赤十字・いのちと献血俳句コンテスト」の表彰式が12月08日に日本赤十字社 本社で開催されました。
写真)「文部科学大臣賞」を受賞した西村さん
今年は6月19日~10月31日の期間中に、若年層を中心に幅広い年代から約13万句の応募があり、日本赤十字社 血液事業本部 副本部長 千葉広一氏は、「少子化により10代~30代の献血者数が少なくなってきている。将来の輸血医療を支える若年層の皆様のご協力が必要。献血は愛の行動と思ってもらえると嬉しい」と挨拶。俳句コンテストを通じて、特に若い世代が献血に関心を抱いてもらえるきっかけになればと話しました。
授賞式では審査委員長をつとめたNHK-BS「俳句王国」司会、Eテレ「俳句さく咲く!」選者などでもおなじみ、俳人の神野紗希氏らとともに、献血キャラクターの「けんけつちゃん」も登壇し、受賞者と記念撮影を行うなど授賞式を盛り上げました。
受賞作品
【厚生労働大臣賞】鹿児島県 中学生 坂元さん
大通り 木陰の下に 献血車
【文部科学大臣賞】東京都 小学校高学年 西村さん
てをつなぎ 新芽のにおい かけだした
【日本赤十字社 社長賞】神奈川県 高校生 浅沼さん
香る草はら 手を取り見上げる オリオン座
【日本赤十字社 血液事業本部長賞】福井県 小学校低学年 角谷さん
暑い夏 ママの献血 応援だ
【けんけつちゃん特別賞】埼玉県 一般 矢作さん
雪が舞う 献血終わりの コーンスープ
【最優秀賞】
群馬県 小学校低学年 後藤さん
あせかいて きらいなちゅうしゃ たすかるいのち
神奈川県 小学校高学年 小宮さん
けん血と 初もうで行き 願い事
青森県 中学生 横浜さん
両親に 百まで生きろと 願う春
埼玉県 高校生 森山さん
夏休み 君と献血 メロンソーダ
千葉県 一般 渡会さん
病床で 指の竿振る 鮎遡上
【優秀賞】
埼玉県 小学校低学年 池田さん
赤い血は 花火と同じ 色だよね
埼玉県 小学校高学年 関根さん
セミが鳴き 太陽光り 葉が光る
京都府 中学生 嶋村さん
げんまんの ぬくみもほのか つくしんぼ
愛知県 高校生 宮腰さん
テレビ越し 花火見ながら 献血中
東京都 一般 長尾さん
命って なにと子が聞く 星月夜
「厚生労働大臣賞」を受賞した坂元さんは「よく見かける光景を句にして賞をいただけると思っていなかった。すごく暑い日だったのに献血車に出入りする人たちが爽やかな顔をしていたのが印象的だった」と俳句が生まれたきっかけを。また「文部科学大臣賞」を受賞した小学校6年生の西村さんは「このような名誉な賞に選んでいただき嬉しい。来年から中学生なので新しいスタートを切る想像をして書いた」と、献血をテーマに未来を生きる喜びを表現したことを明かしました。
写真)「厚生労働大臣賞」を受賞した坂元さん
神野紗希氏は、「献血そのものを詠んだ作品もあれば、命の気配や生命の輝きを詠んだ作品もある。なかには、家族との生活や地域行事などの日常のひとコマに献血というシーンが組み込まれているものもあり、献血が身近なものであることを感じられた。また、献血をできる年齢でなくても、献血をする誰かを応援する気持ち、そして、献血を待ち望む誰かを想う気持ちなど、人は独りでなく皆でこの世界を生きているのだと思うメッセージには大きな意味があり、心が温まるような句ばかりでした」と、それぞれの作品の講評し総括しました。
写真)神野紗希氏
写真)受賞した皆様。16歳以下の受賞者からは「俳句の応募を機に、もっと献血にも関心をもってゆきたい」などの声が聞かれました。皆さま、おめでとうございます!お問い合わせや詳細は、https://ken-haiku2018.jp/ まで。