日本は四季のある国。季節によって、さまざまなキャンプシーンが楽しめます。特に今夏は『山の日』をきっかけにアウトドアに興味をもった方も多いのではないでしょうか?
そこで、創刊25年周年のアウトドア情報雑誌GARVY(ガルヴィ)(実業之日本社)の7代目編集長、龍野悦隆さんに最新キャンプ情報や、知っておくと得するアウトドアテクニックなどを教えていただきました!
―― 女友達と秋にキャンプを計画中なのですが…テント張りが難しそうで、私みたいな細腕でも大丈夫でしょうか?
「大丈夫ですよ!4~5人用のファミリー向けの大型テントでも、簡単に組み立てられて力もいらないから女性でも楽に設営できます。投げるとポンッと広がるタイプや、傘のようにワンタッチ式で設営できるテントもありますし、リュックサックに入れて持ち運べるコンパクトで軽量なテントもあります。初心者ならばドーム型テントがおススメです」
―― 最近は女性が着たくなるような、オシャレな登山ファッションなども充実していますよね。
「街で着て歩けるようなファッショナブルで機能的なグッズがたくさんでていますね。今のアウトドアシーンは、女性が牽引しています。本来、BBQなんて男が格好をつける場のはずなのですが…実際は女性が仕切ったりしてね(笑)。山に登ると、高齢な女性の元気な姿を多く見かけますし頼もしい限りです。」
キャンプのベストシーズンは秋?
―― 『山の日』も新設されて、増々アウトドアを楽しむ人が増えそうですね。
「日本の休日事情でキャンプといえば夏が定番ですが、じつはキャンプは気候のよい春や秋がベストなんです。キャンプ場も夏期は予約で満杯ですが、秋になれば嘘のように空きます。もしかしたらシルバーウィークとか狙い目かもしれないです」
―― 日本は、気候が比較的安定しているのでオールシーズン楽しめそうですね。
「寒い季節のキャンプは楽しいんですよ。気温は低いけれど、温かい格好さえしていれば大丈夫。虫がでませんし、空気も澄んでいるので星がキレイです。冬に見渡す限り雪景色の中でキャンプをする「雪中キャンプ」体験なんて、東京の人にはなかなか新鮮かも知れません」
初心者がキャンプ場を選ぶときの心得
「海にゆくか山にゆくかで、それぞれキャンプ場の個性が違いますが…場所はさておき、まずはトイレでしょう。子供や女性がいるならば水洗は必須だと思います。さらに水場が快適に使えるかも重要です。欲を言えば温泉があると最高ですね。キャンプ場によってはシャワーだけのところもありますから」
―― 慣れないうちは、やはり管理がしっかりしているキャンプ場が良いのかなと思います。
「そうですね。できれば24時間管理人さんが常駐している場所がベストです。何かあった時に頼りになる人がいると安心です。キャンプ場のオーナーさんと顔見知りになって、仲良くなると良いですよ。それから、初心者の方ならば道具をレンタルできるか否かも大切です。慣れている人でも忘れ物の一つもしますから、ビギナーならばなおさらですよね」
―― キャンプで初心者がやりがちな失敗はありますか?
「道具を買って箱のままもってくる人とか、よく見かけます。ランタンなどは、購入したのなら家で一度は試していただかないと。現場で明かりが点かないのは大変なことです。テントも一度、広げて組み立ててみるといいです。大切なことは、なるべく太陽のあるうちに行動することです。僕達は電気のある生活になれてしまっているので夜が暗いことを忘れがち。明るいうちに全てを終わらせないと、真っ暗になってからでは何もできないです」
―― 確かに! 夕方からBBQをして、肉が焼けているかどうかも分らなかったことがあります。
「できれば、早めにキャンプ場近くに来て周辺の下見をするといい。チェックインしたら、まずテント設営。チェア・テーブルを並べて16時くらいから夕食の準備をします。夏なら19時ごろに、秋・冬ならば18時ごろには夕食を終わらせて、あとは焚火を囲むなどして21時頃まで過ごして就寝が理想です。太陽が昇れば周辺が明るくなるので、目覚まし時計をセットしなくても5時か6時には目が覚めますよ」
「ちなみに、自宅から1時間~2時間圏内でキャンプ場を探すと効率が良くて疲れにくいです。日本は1泊2日のスケジュールを組む場合が多いのですが、本来ならば2泊3日くらいがちょうどいい。それだけ余裕があれば、ゆったり過ごせてリフレッシュできると思います」
火をスムーズにおこせないときは?
―― キャンプといえば焚き火ですが、上手に火をおこすコツはありますか?