玄人受けするオシャレ感。独特の雰囲気や毎号予測のつかない企画の着眼点など、コアなスケートボードファンから多くの支持を受ける『SLIDER(スライダー)』(ネコ・パブリッシング)。そんなSLIDERを創っているスタッフはいったいどんな人達なのか?
編集長圓角航太さんにインタビューを敢行しました!
SLIDER編集長“圓角(エンガク)航太さん”ってこんな人!
―― ご出身はどちらですか?
「富ヶ谷(渋谷区)です。じつはスケートボードを始めたのはSLIDERを始めてからなんです。元々はサーフィンをやっていて、その頃からスケートは気にはなっていたんですが、一人だとなかなか始めづらくて」
―― なんと!雑誌創刊がきっかけなんですね。
「はい、そーです!」
―― よく行くローカルスポットはありますか?
「一時期ハマったのがFAGってパークで、最近は仕事が忙しくて時間が取れないですが、それでも月1は行っています」
―― スケートボードについて、思い出深いエピソードはありますか?
「SLIDERの校了が迫っているのに、田町のパークに行ったんですよ(笑)。デザイナーがデータをまとめて、後は送るだけだから“もういいっか”と思って、ちょっとだけスケートしてから事務所に帰ろうかなと。ところが、スケート中にカーブボックスに乗ったら板がすっぽ抜けちゃって、角のエッジに膝の下あたりがあたって、傷口がもう唇みたいに“パックリ”割れて。慌てて病院に行ったら、その場で縫う羽目に…」
―― SLIDERは無事あがったんですか?!
「デザイナーには「風呂場でコケた」って言ったんですけど…すぐにウソってバレて(笑)「こういう日に圓角くんが遊んでいたらしめしがつかない!」とかなんとか、ここぞとばかりに怒られましたね」
SLIDERを創刊するきっかけとコンセプト
「自分は『ペダルスピード』というピストの雑誌を作っていて、その関係でFTC(サンフランシスコ生まれのスケートボードショップ)との絡みがあったんです。そこでFTCのPRをしていたのが、“KE”くんでした」
「ちなみには"KE"くんは、VHSmag(アジアNo1のアクセス数を誇るスケートボード情報サイト)のインターンもしています。インターンといってもふざけて言っているだけで、なんなら彼がVHSmagの首謀者なんですよ(笑)まぁ、そこで“KE”くんと知り合って、はじまりました」
VHSmag
―― SLIDERといえば、初期から毎週コラムを書いている長瀬さんはどんな存在ですか?
「SLIDERにとって、僕らのやっている事を理解してくれるスペシャル助っ人外人みたいな(笑)」
―― SLIDERのコンセプトは“大人のためのスケートボーディングマガジン”とありますよね
「それは僕が大人になってからスケートにどハマりしたから、大人に向けて間口を広げたかったんです。ただ徐々に若い層の読者も増えて、僕らも若手のスケーターもフィーチャーするようになりました。実は、一時期「古いことばかり追っているよね」とか言われたこともあって。で、そうでない部分も見せたくて、ツアーを組んで若手と一緒にいろんな国をまわる企画をたてるなど、今のSLIDERは「スケートボードの過去・現在・未来をつなぐ雑誌」というコンセプトに変わっています」
―― SLIDERは、技術だけでなくスケートカルチャーを広く扱っていますよね?
「スケートはトリックが難しくて、続けるのに壁を感じる人もいます。でも、洋服やカルチャーからでもスケートを好きになる方法もあると思うんです」
―― 滑るだけがスケートじゃないという感じですか?
「それもあるし、逆に洋服とかカルチャーが好きな人も、もう一歩踏み込めば楽しい世界があるよっていうのを伝えたかったんですよ。そしたら最終的には「絶対に滑りたくなってくるから」みたいな。別にヘタでもいい、自分の中で上手くなってゆけばいいんじゃないかなと。自分がそうですから」
写真へのこだわり
―― SLIDERの写真は秀逸ですよね。
「やっぱり、写真がカッコ良くないと手に取ってくれないと思うし。SLIDERもお陰様で8年目になり海外のフォトグラファーたちが協力してくれるようになりました。例えばこれはオミーリーが撮ってくれた写真なのですが(vol.26 78Pを見ながら)パッと見て情景が浮かんでくるというか、人物だけでなくストリートの雰囲気も感じられるのが大切ですよね」
―― とくに想い出のある写真はありますか?