2019年9月20日~11月2日の期間、20カ国の強豪が日本に集結し『第9回ラグビーワールドカップ』が開催されます。
日本は世界レベルではやや格下とされますが、それでも世界ランキング11位(6月発表時点)で、W杯は9大会すべてに出場する実力を誇ります。また、前回大会では強豪の南アフリカを試合終了間際の逆転トライで破るジャイアントキリング(番狂わせ)を起こすなど、世界からダークホースとして恐れられる存在とか。開催国という地の利も味方に、今度は世界一というスーパージャイアントキリングを起こすことを期待したいです。
ホストユニオンとなるラグビー日本代表🌸
— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) 2019年6月12日
初の決勝トーナメント進出なるか❗❓#あと100日 #100DTG #RWC2019 pic.twitter.com/G0DeE9uLnF
ワールドカップを盛り上げよう!
W杯の試合が行われるのは全国12都市のスタジアム。各地に「開催都市サポーター」を選任してイベントなどを行い盛り上げています。例えば…
静岡県・ももいろクローバーZ 百田夏菜子
埼玉県熊谷市・ハロー!プロジェクトの埼玉県出身メンバー
愛知県豊田市・SKE48
福岡県福岡市・橋本環奈
などなど。特にアイドル参加のイベントには多くのファンが駆けつけるのでPR効果は抜群といえそう。
ただ、ラグビーは素人にはわかりにくい反則が多く、戦術などの面白さも伝わりにくいスポーツなので、アイドルの皆さんはなかなか飲み込めない部分も多いんじゃないかな? と思います。
そこで、ラグビーのこれを知っていたら、「ちょっとハナタカ!?」「知っている人は3分の1以下!?」「チコちゃんに叱られない!?」と言えそうなビギナー目線のラグビートリビアをいくつかご紹介します。
~ラグビーのトリビア~
『代表に外国人選手が多いのは、イギリス人が植民地に散らばったから』
スポーツの国際大会で代表選手に選ばれるには国籍が資格だったりしますが、“ラグビー代表は外国人選手が多いのはどうして?”と思いますよね。これはラグビーの疑問あるあるです。ネットでサーチするとたくさんヒットしますが書いてあるのは「資格」のことばかり。
おさらいすると、外国人でも日本代表に選ばれるには資格があって・・・
◯日本で生まれた
◯両親、祖父母の6人の内誰かが日本生まれ
◯日本に継続して3年以上住んでいる
この中の一つをクリアしていればOK。でも日本で代表になったら他の国で代表になれないなど、それなりの覚悟と誇りを持って日の丸を背負っている。そして、日本よりも外国人を多く代表に選出している国はたくさんある、といった事が書いてあります。
――――― が、これは答えになっていません。知りたいのは資格じゃなくて、“そもそもラグビーはなぜそんなルールなのか?”という根本的なルーツです。
そこで調べました。諸説あるのですが有力な理由をざっくりと解説します。
【ラグビー代表に外国人が多い理由】
ラグビーの起源はイギリスです。1871年には大きな団体が設立されるなど発展します。それ以前から、選手の中には仕事などで海外へ出向く人がたくさんいました。植民地であるオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカや、その他関係が深い国に渡った人たちが現地でラグビーを伝え盛んになって行きます。
やがて国際大会を開催するようになりますが、各国にちらばったイギリス人はなかなか代表で母国に帰還しにくい、でも良い選手は大会に出場させてあげたい。そこで国の代表資格は国籍に縛らないルールを設け世界に散らばったイギリス人も国際大会に出られるようにしたわけです。
そう聞くと「イギリスずるい!」と言いたくなるかもしれませんが、昔はイギリスが圧倒的に強かったため各国の戦力をなるべく均等にする狙いもあったようです。
またこれにより、“国籍が違っても心をひとつにして戦おう”という国境を超えたチームスポーツの素晴らしさが生まれることに。これがラグビーならではの大きな特徴となったわけです。
『試合終了を「ノーサイド」と言うのは、日本くらい』
ラグビーで試合終了のホイッスルが鳴ると、アナウンサーが「ここでノーサイド!」と言いますが、イギリスなどで使われたのは1970年代までで今や死語なんです。世界的には「FULL TIME(フルタイム)」、つまり“全時間終了”と呼ぶのが一般的です。
日本で「NO SIDE」が定着し今も使われているのは、1984年に松任谷由実がリリースした曲「NO SIDE」の印象が強烈だった事が考えられます。でも、これは日本独特の呼び方として残してほしいと個人的には思います。
ラグビーは紳士のスポーツとされ、試合中はエキサイトしても終了すれば自陣と敵陣のサイドはなし、勝った側(SIDE)も負けた側(SIDE)もなし(NO)という意味で「NO SIDE」という用語が使われました。
昔も今も、特に国際試合などの大会では、試合終了後に両チームの選手、スタッフ、審判団、協会関係者などが一同に会して軽食を楽しみながら互いの健闘を称え合う「アフターマッチファンクション」と言う交歓会が必ず行われます。今はこれがNO SIDEの意味合いが強く、ラグビー独特の催しとされています。
またこの会で、ビールを飲む際は必ず左手にグラスを持つのがルールなのだそうです。理由はグラスを持った冷えた手で握手すると相手に失礼だから。もし右手で持つと“バッファロー”と言われ、一気飲みをさせられるとか。
『“トライ”(挑戦)と呼ぶのは、キックでしか得点が入らなかったから』
ラグビーは「トライ(Try)」で5点を奪おうと敵陣を攻めるのが基本です。ところで、トライを訳すと「挑戦」といった意味です。何に挑戦するのでしょう、ちょっと違和感がないですか? ヒントはトライのあとにキックがあることでした。実は、昔はトライで得点は入らなかったんです。
ラグビーのルールが確立してきた18世紀中期くらいは、トライを奪うとキックを蹴る権利が得られ、そのキックが決まれば得点が入るというゲームでした。つまりキックに挑戦できるからトライだったんです。
10回トライしてもキックが決まらなければ0点、1回トライしてキックが決まれば得点が入り後者が勝利します。キックが重要視されたのは、そもそもラグビーはサッカーから発展したスポーツだからと考えられます。
しかし“苦労して苦労してやっと奪えるトライのほうが難しい”という声が高まり、トライでも得点が入るルールに変更されたというわけです。
『監督がスタンドにいるのは、試合が見やすいから』
いろんなスポーツで監督は選手に近い場所にいたりするもの。でもラグビーは監督がスタンドで見ています。なんででしょう?
ラグビーは「自主性を尊重するスポーツ」と言われています。
その昔、イギリスに限らず教育の一環として授業にラグビーを取り入れるも学校が多くありました。ラグビーは、ルールにのっとり、仲間が団結し力と技術を高め戦う競技として、子どもの自主性を高めるのに適していると考えられたからです。中にはドラマ「スクール・ウォーズ」の様に不良の厚生や学校同士の抗争を収めるために戦う事もあったとか。
従って、自主性を重んじるため試合中はキャプテンにチームの指揮を任せることとし、監督は試合を見るだけで口出しをしませんでした。審判すらいない時代もあったそうです。
つまりは、試合が始まると全てを選手に任せるという暗黙のルールが創成期から続く名残で、今でも監督は遠くから見守るのが当たり前なのです。
実際、ルールブックにも「特別な目的の為に一時的に許可をした場合以外は選手やレフリー、タッチジャッジ(※ラインズマン的な者)以外の者は競技場及び協議区域に入ってはならない」と定めているので、首脳陣は基本的にグラウンドに入れません。行こうと思えば選手に近い位置へ行けるケースもありますが、しかし、「選手に任せる」という精神から細かい口出しはタブーなことと、また現実的にスタンドは「試合が見やすい」ので選手の調子の把握や作戦を練りやすいメリットが高く、ハーフタイムで指示を出しやすいそうです。
無線でグランドのスタッフと連絡をとり、「選手交代」や「キックかスクラムか」といった明確な指示を出すことはあります。しかし、プレーの最終判断はフィールドの選手が下します。前回W杯・南アフリカ戦のラストチャンスで、スタンドに居るエディー・ジョーンズ監督はキックで同点を指示しましたが、キャプテンのリーチ・マイケル選手は勝ちにこだわり監督の指示を無視してトライを目指し逆転勝利しました。
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以上、ビギナー目線の“ラグビートリビア”をいくつか紹介しました。
百田夏菜子さんをはじめ、応援サポーターになった皆さん、トークでこんなウンチクをひとつ披露するだけでも「おお~!(賢い)」とどよめくと思いますから、よかったら使ってくださいね。