コロナ禍ももう2年。自宅にいる時間が長すぎて、映画を観るのも飽きてしまったという人が大勢います。けれどテーマを決めて鑑賞すると、かなり深く楽しめるようになります。今回はその方法をお伝えします。
テーマを決めると味わいが変わる
筆者は切手博物館に行ったことがあります。さまざまな柄の切手が発行されていますが、それを色々なテーマでジャンル分けし、レイアウトして飾られているのがとても興味深いのです。
たとえば同じ「鶴」の切手であっても、鶴の切手ばかりを並べる人もいれば、お正月をテーマに、富士山などの切手と共にレイアウトする人もいます。それぞれの人がそれぞれのテーマで収集するので、こういうテーマもあるのかと、多彩な視点を味わうことができるのです。
テーマを決めて映画鑑賞
最近、私はふたつのテーマで映画を観ています。それは「シングルマザー」です。たとえば最近は『サンドラの小さな家』で、女性がひとり逞しく家づくりをしている姿に惚れ惚れしたり、『ジュリアン』で、別れた夫につきまとわれるヒロインにハラハラしたりと、「シングルマザー」という切り口でさまざまな味わいを得られています。
テーマを決めて映画を観ると、より深く楽しめます。「あの映画の裁判シーンは、この映画の裁判シーンより感情的になっていた」などと、他の映画との比較ができるためです。そして、記録をつけておくと「もうシングルマザーをテーマに20本も観たのね」と満足感も得られます。
テーマ検索方法
映画をテーマ別に探す方法は簡単です。たとえばシングルマザーの場合、ネットで「シングルマザー 映画」と探せば出てきますし、Firmarksというアプリでは映画をタグ検索もできます。そうするとシングルマザーの映画が簡単に100本以上は見つかるので、その中から観たいものを選べばいいのです。
『アンドプレミアム』2021年10月号は映画特集号。その中には「花柄とツイードの着こなし」という素敵な切り口での映画紹介もあります。ひとくちに花柄と言っても、当時の流行によってさまざまな色やデザインの違いがあり、ファッションという視点で改めて観てみると、多くの人が観た『ボヘミアン・ラプソディー』にもまた新たな楽しみが見出せます。
人によって好きなテーマはさまざまであるはず。絞り込んでで映画を観てみると、自分はこういう話が好きなんだな、こういう振る舞いには怒りを感じるんだななどと、自分を見つめ直すきっかけにもなります。鑑賞記録もアプリで簡単につけられるます。観た本数が溜まっていくことは、単調な毎日の中でのささやかな喜びにもなるでしょう。