4月24日にZOZOマリンスタジアムで行われた、日本初開催のエクストリームスポーツの祭典「X Games Chiba 2022 Presented by Yogibo」最終日に行われた、スケートボード・ストリートで日本男子が表彰台を独占。
金メダルを獲得した堀米雄斗、銀メダルの池田大暉、銅メダルの白井空良が日本初開催のXゲームズ最終日で最高の結果を残した。
小雨が降る中行われた男子ストリート決勝は、雨でいつ中断されてもおかしくない状況なだけに、各選手は一本目から集中力のこもったランを披露した。
女子は中山楓奈が銀メダルに輝き、優勝は東京五輪で銀メダルのライッサ・レアウとなった。
スケートボード・ストリート種目は30分のジャムセッション形式で行われ、一人45秒のランを行い、一番得点の高かったランで順位を競う。
ジャムセッションだが、滑走順は決まっており一人ずつの滑走となる。
【圧倒的な集中力でニュートリックをメイク・堀米雄斗】
ノーリーバックサイド180 スイッチスミスグラインド
雨でコンテスト中断が予想される中、堀米は1本目のランで新技を見せた。
彼の凄さは、どんな大会でも自身のこれまでの滑りを上回るトリックを確実に決める、研ぎ澄まされた集中力にある。
雨の為、途中で競技は終了したが最後のランでは、ラストトリックにスイッチ360フリップリップスライドを決め、会場はこの日一番の盛り上がりとなった。
この瞬間、堀米は自身2度目のX games金メダリストに輝いた。
【スーパールーキー・池田大暉】
ビガースピンフリップフロントサイドボードスライド
2019年8月に開催されたX GamesのNext Xと題されたアマクラスでの優勝経験を持つ池田大暉(15歳)。
X Games本戦初出場ながら予選を8位で通過し、決勝1本目のランでは一発目からハンドレールでビガーフリップ フロントサイドボードスライドを決め(空中で板を横に450度回転させ、縦に1回転させてボードスライドする技)最後にはステア(階段)でハードフリップを決めてフルメイクの滑りを見せた。
【キャバレリアルシュガーケーン!?・白井空良】
キャバレリアルシュガーケーングラインド
アーリーウープ(本来飛びやすい方向とは逆回転に飛ぶ技)からのグラインドトリックを得意とする白井空良。
ラン一本目でいきなり白井の真骨頂を見せる。
キャバレリアルシュガーケーングラインド[フェイキー方向(逆向きに進み)から360度回転しシュガーケーングラインドをかける超高難度のトリック]
これまで大会では一度も見せた事のないニュートリックで勝負に出た。
他のトリックでミスがあり、フルメイクとはならなかったが、ラストトリックにはこれまた大会で一度も見せた事のない超高難度トリック、バックサイド180スイッチフロントサイドK(クルックド)グラインドを決めて銅メダルを獲得した。
【正確無比な動きでハンドレールに挑む・中山楓奈】
自身の得意トリックであり、世界にその名を知らしめたフロントサイドK(クルックド)グラインドをハンドレールで完璧にメイクするものの、1本目、2本目とフルメイク出来なかった中山は、3本目でランの構成を変える。
フロントサイドフィーブルグラインド
1、2本目で失敗したフロントサイドノーズブラントスライドを封印し、ラストトリックに一番大きなハンドレールで、フロントサイドフィーブルグラインドを決め2位に。
【日本のエース・西村碧莉】
フロントサイドボードスライド
X Gamesでは金3個・銀1個・銅1個獲得し、世界のスケートボードシーンでトップを走ってきた西村。
昨年9月に怪我をし、手術を経てから初めての大会で、今もコンディションはまだ7割とインタビューで話していたが、予選を見事に突破。
決勝では足をかばいながらも、笑顔で素晴らしい滑りを見せてくれた彼女に、選手をはじめ観客からも心からの拍手が送られた。
長らくNIIKE SBを履いていた彼女だったが、今大会からはCARIUMAの靴を履いて参戦。
世の中の流行りをリードすると言っても過言ではない、スケーター達のファッションの変化にも注目していきたい。
【X Games Chiba2022・男子ストリート結果】
1位 堀米 雄斗(April Skateboards)
2位 池田 大暉(Toy Machine)
3位 白井 空良(Blind Skateboards)
4位 ルーカス・ラベロ(Flip Skateboards)
5位 ジャガー・イートン(Plan B)
6位 ダショーン・ジョーダン(Toy Machine)
7位 ケルビン・ホフラー(Colous Collective)
8位 ジェーク・イラーディ(Blind Skateboards)
【X Games Chiba2022・女子ストリート結果】
1位 ライッサ・レアウ
2位 中山 楓奈(ムラサキスポーツ)
3位 クロエ・コベル(Monarch Project)
4位 織田 夢海(ムラサキスポーツ)
5位 ポエ・ピンソン(Meow Skateboards)
6位 パメラ・ロザ(Colous Collective)
7位 ガブリエラ・マゼット
8位 西村 碧莉(Deathwish)
※プレス用の資料ではライッサはHonder Skateboardsと記載がありましたが、大会ではApril Skateboardsに乗っているので無記載にしてあります。
写真・文 小嶋勝美
スケートボードに関する情報を幅広く執筆する、スケートボードライター兼放送作家。
10年間のお笑い芸人生活を経たのち、放送作家をしています。