2019年7月、滋賀県の園芸店で100年に1度しか咲かないアガベの花が咲いたことがニュースになりました。そんな悠長な植物あるんだなぁ……と思って調べてみると花を咲かすまでに長い期間かかる植物は結構あるようです。今回はそんな花を咲かすのは○年に一度というレア花を紹介します。
月下美人
夜に咲き一晩でしぼみ散ってしまう儚い月下美人。この花は1年に1度しか咲かないと言われています。ただ、株の状態が良ければ年に何回か花が咲くこともあれば全く咲かないこともあるそうです。
ショクダイオオコンニャクvs.ラフレシア 臭デカ花対決
世界最大の花といわれるこの2つの花。果たして開花までにどのくらいの期間かかるのか?
ショクダイオオコンニャク
インドネシア・スマトラ島の限られた地域に自生する花。高さ3メートル直径1メートルにもなるこの巨大花は腐肉臭のような悪臭を放ち集まった昆虫に媒介させます。そんなショクダイオオコンニャクは約7年に1度花を咲かせると言われ2日ほどで枯れてしまいます。日本にも研究施設や植物園に持ち込まれていてたまに開花したニュースが伝わってきます。
一方、ラフレシアは東南アジアのジャングルに生える巨大花。直径は90センチにものぼり、開花後にはこちらも悪臭を放ち虫を誘引します。花の斑紋がどくどくしく気持ち悪い。その昔は人食い花と信じられていたこともあったそうです。さてこのラフレシア、花が咲くのに1~3年を要し開花後は数日で枯れてしまう見るだけでもかなりレアな花です。
龍舌蘭=リュウゼツラン
冒頭で紹介したアガベ、またの名をリュウゼツラン。3~5メートルも茎を伸ばしその先で黄色い花を咲かせます。この花は30~50年に1度花を咲かせます。その昔、めったに咲かないことから100年に1度咲くと誤解され、そのためセンチュリープラントとも呼ばれるようになりました。テキーラはこの花の茎などを原料に作られています。
今年開花した場合、前回はだいたい50年前に咲いたことになりますが、50年前といえば1969年。この年は人類史上はじめて月面着陸した年になります。
笹の花
パンダがしがっていたり葉っぱは鱒寿司などに使われたりすることで知られる笹。日本特有の植物でありながらその花を見たものは少ないようです。なぜならば花を咲かすのは60~70年、長いものだと120年に1度なんだとか。しかも小さくて発見するのも困難なようです。似たような植物、竹も同じような周期で開花するそうです。
70年周期といえば、75年周期に地球に接近するハレー彗星と同じようなペースで見ることができるということですね。
プヤ・ライモンディ
アンデスの高山などに生育するパイナップル科の巨大な植物プヤ・ライモンディ。開花前には花茎が12メートルにも達し、葉は放射状に4メートル伸びます。この植物、花を咲かすのは約100年に1度。花は数週間で枯れ、その後、そのプヤ・ライモンディ自体も枯死するそうです。
100年に1度と一口に言ってもどのくらい長いものなのかイメージがつかめませんが、例えば新日本プロレスの棚橋弘至選手も100年に1人の逸材と言われています。彼ほどの天才が生まれるのに要する期間、プヤ・ライモンディは栄養を蓄えていると考えると分かりやすいですね。
こうやって調べていくと開花に何年もかかっているのに咲き誇ったら数日で枯れてしまうというのは、まさに儚くさみしいものです。
ちなみに3000年に1度咲くと言われているのが優曇華(うどんげ)。ただこれは伝説で3000年と言われていたり虫のクサカゲロウの卵だったりイチジクの仲間だったりと諸説あってはっきりしませんでした。
もし3000年が本当だったら橋本環奈ちゃんレベルの美女が3人生まれてやっと開花するという途方もない時間がかかることになります。