奈緒は「愛したい」と思っていたけれど今はもはやそのベクトルにあらず

2021/10/26
石井隼人

俳優のムロツヨシと奈緒が23日、都内で行われた映画『マイ・ダディ』の公開後記念舞台挨拶に毎熊克哉、永野宗典、金井純一監督と参加した。

「愛されたい派か」「愛したい派か」という質問に奈緒は「どちらかというと、愛したいと思って生きてきました。でも最近は愛したいとか愛するとかではなく、そこに愛があればいいと思っています」と返答。するとムロは「深い!もはやベクトルの話じゃない。矢印なんていらないという話。お互いのどこかしらに愛が存在していればいい、ということ」とその真意を詳しく解説していた。

緊急事態宣言も明けて、会場は満席状態。会場となった池袋HUMAXシネマズで映写のバイトをしていたという金井監督は「まさか舞台の上からこの光景を見る日が来るとは。もう少しで泣きそうですが、緊張しすぎると涙って出ないものですね」と笑わせた。

本作のイベントのたびに「スタッフ・キャストに満席の光景を見せてあげたい」と言い続けてきた映画初主演のムロは「公開後1ヶ月経過したタイミングで、監督にも満席を見ていただくことができました。本当におめでとうございます。過去の自分が後ろの映写室からも見ていますよ」とロマンチックなお礼の言葉。

ムロ自身も「涙が来るのっ!それを明るくちゃかしているのっ!毎熊さんも目が潤んでいるじゃない!」と男泣き寸前の大感激で「満席にする難しさを僕はわかっています。かつて16人の芝居でお客さんが8人しかいない時もありましたから。ただでさえこのご時世で満席の光景を見られたことには感謝しかない。何度でも言ってしまいます、本当にありがとうございます!」と喜びを噛みしめていた。

役柄との共通点を聞かれたムロは「悲観的な事があっても悲観し過ぎないようにするのは似ているかも。僕もピンチの時には、何かできることはないだろうかと探すタイプ。打ちひしがれているのではなく、受けて立つ。そのスピードは似ている。運なんて認めない、とはよく言うことです」と主人公のマインドに共鳴。

奈緒は「一人じゃなくて守るものがあった方が強くなるというのは通じるところがある。守るべき大切な存在ができたことで強くなるのは演じていて共感ができました。それに『くず!』と叫ぶところは自分で言ってスッキリしたし、好きなプロレス観戦後と同じようなスッキリとした感覚になりました」と振り返った。

クズ男を演じた毎熊は「満席はうれしいなと思いつつ、舞台挨拶中に紙コップやペットボトルが飛んでこないかドキドキ。絶対にみんなに嫌われるどう見てもクズですが、こういう役を演じるのは結構好きです。役を愛して楽しく演じました」と話した。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

石井隼人
この記事を書いた人

石井隼人

映画好きエンタメ系フリーライター。「来るもの拒まず平身低頭崖っぷち」を座右の銘に、映画・音楽・芸能・テレビ番組などジャンル選ばず取材の日々。ありがたいことに映画作品のパンフレット執筆、オフィシャルライター&カメラマンを拝命されたり、舞台挨拶の司会をしたり…何でもやります!

石井隼人が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop