水玉模様で有名な日本が誇る世界的アーティストといえば…そう草間彌生様でございます。
現在、東京・六本木の国立新美術館で草間彌生展「わが永遠の魂」が開催中。さらに、4月からは草間彌生様の活動に1年半にわたって密着したドキュメンタリー映画『≒草間彌生 わたし大好き』(2008年公開)も東京・恵比寿の東京都写真美術館ホールなどで上映開始。
東京のこの春は、どうやら水玉模様、草間模様に染まりそうでございます。
出典:http://kusama2017.jp/
草間様といえば、1929年に生まれ、この3月でなんと88歳!若い!
そんな草間様、絵画だけでなく彫刻や小説など、様々な芸術分野で活躍されております。2014年にはイギリスアート・ニュースペーパー紙で「世界で最も人気のあるアーティスト」に、さらに、2016年にはアメリカの「タイム」誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出されております。
さまに、世界的アーティスト!海外でも個展をたくさん開催されております。そんな草間様、絵本も描かれております(絵本の挿絵)。
それが、こちら!
表紙で一目瞭然!草間様の作品とわかってしまうところがスゴイ!草間様が挿絵を担当されている「不思議の国のアリス With artwork by 草間彌生」でございます。このままお部屋に飾って置きたい一冊でございます。
もちろん、本の中も草間ワールド全開でございます。かぼちゃも登場!水玉もてんこ盛り!数えきれない草間様の挿絵が楽しめる超贅沢な一冊!
まさに、彼女の展示会が絵本の中で展示されているようなもの。彦摩呂さまも、きっと、「水玉模様の宝箱やぁ~」と絶賛されるはずでございます。ちなみに、国立新美術館の草間彌生展でも販売されていました。
出典:https://twitter.com/DT_art
で!わたくしが驚いたのは、その隣で販売されていた絵本でございます。タイトルは「人魚姫」。開いてみると、こちらも草間ワールドが全開!ただ、こちらは白黒でシュールな挿絵が多いのでございます。カラフルでポップな「不思議な国のアリス」の挿絵とは対照的なのでございます。いったい、この「人魚姫」は?
調べたところ、草間様と草間様の展覧会が開催されたデンマークのルイジアナ近代美術館がコラボレーションした作品で去年、デンマーク語版と英語版が出版されたようでございます。アンデルセンの童話「人魚姫」のイラストレーション版でございます。
その日本語版が先行して、展覧会で販売されているようです。興味のある方は、是非、会場に足をお運びくださいませ。アンデルセンが書いた物語「人魚姫」の原話がベースなので、決してお子様向けではございません。草間様は出版の際、美術館から、「アンデルセンとは何か」を尋ねられ、「私の心の夢」と。さらに、「私は人魚になりたいのです。将来への望みすべてを人魚にかけました。あらゆる良心と愛の象徴です」とお答えになったとか。
確かに人魚姫の世界観と草間様の世界観には非常に近いものを感じました。
最後にちょっこっとだけ「不思議な国のアリス」の薀蓄(うんちく)を…
不思議な国のアリスは1865年に出版。その後、百何十か国後にも翻訳されています。その間、何人もの有名な画家、アーティストの方々が挿絵を担当されております。もちろん、最初に挿絵をつけたのは物語の作者であるルイス・キャロル自身でございますが…。なかには、ムーミンの作者、トーベ・ヤンソン様が挿絵を描かれたものも。
挿絵の違う「不思議な国のアリス」を見比べてみるのも贅沢かもしれません。ちなみに、草間様の「不思議な国のアリス」、こちらは挿絵だけでなく、テキストのスタイルにもこだわっております。機会があれば、是非、ご体験くださいませ。(文:N田N昌)