『夜は短し歩けよ乙女』などで知られる湯浅政明監督による、フェスのようなミュージカル・アニメーション映画『犬王』が現在大ヒット公開中!『犬王』狂騒御礼!舞台挨拶に主演声優のアヴちゃん(女王蜂)と森山未來、そして脚本家の野木亜紀子が参加した。
昨日実母が本作を鑑賞したという犬王役のアヴちゃん。母親から「うちの家、ご先祖が平家やねん!」と驚きの事実を知らされたと明かし「時を超えて平家をテーマにした作品に出られるなんて!母親から『あんたは平家ギャルやで!』と言われるなんて」とまさかの奇縁に驚き顔。しかし「原作を読んだときの『絶対にやれる!』と思った根拠のない自信の正体はここにあったのかと、ロマンチックに感じました」と犬王への運命的な縁に納得していた。
一方、公開後の反響を聞かれた森山は「アヴちゃんの平家ギャル話の後では話しにくい…」とアヴちゃんの平家末裔エピソードに驚嘆しながら「SNSを見ていても作品に対する反響が凄くあるのがわかるし、物語というよりも映画を体感として食らっているという感想があるのが面白い」と手応えを得ていた。アヴちゃんの声優ぶりに「もはやモンスター!突き抜けています」と太鼓判を押すと、当のアヴちゃんは「だって平家ギャルだからね!」と満面の笑みだった。
そんなアヴちゃんについて野木は「初めてアヴちゃんの姿をPVで見たときに『一体この人は何なんだ!?犬王じゃん!』と。そして完成作を観て『本当に犬王だった…』と思った」と絶賛で、森山については「断られたらほかに誰もいないのではないか?と思うくらい、絶対に森山さんに演じてもらいたかった。お二人の力で『犬王』という作品に命が吹き込まれました」とイメージ通りのキャスティングに喜んでいた。
完成作を観て感情が高ぶったシーンについてアヴちゃんは「犬王が面を外したとき。こんな顔をしているんだ!?と思った。そこに至るまでに蓄積されたアニメーションとそれぞれの関係値を思って涙が出ました」と感涙報告。森山が「友魚がボロボロになりながらも平家に対して恨みつらみを述べるクライマックス」を見どころに挙げると、アヴちゃんは「二人揃っての初めてのアフレコ収録のシーンがその場面。そのシーンのセリフを生で聞いたときに『ここまでやっていいのか…』と鳥肌が立った」と森山とのアフレコ収録を回想した。
これに森山が「完成版に使われているものよりも、その時のファーストテイクが自分的には良かった気がする」と本音をちらりと覗かせると、アヴちゃんは「その気持ちわかる!なぜなら相手が横にいての初めてのアフレコだったから、お互いに『くらえ!』と思ってやっていたからね!」と当時の心境を解説して笑わせた。一方の野木はその熱演に「とても素晴らしかったです!」と賛辞を送っていた。
脚本家の立場として野木は本作制作の上で二段階の驚きがあったという。「脚本から絵コンテになったときに驚き、完成版のアニメになったときに『犬王ってこんな顔なの!?』とまた驚いた。最初から最後までびっくり。初見の際はあまりの衝撃で殴られたような気持ちになって、湯浅監督は凄いなと感服しました」とスクリーンからあふれ出るイマジネーションの数々に圧倒されていた。