笑えてヒヤヒヤして泣けるアート系歴史映画『天国でまた会おう』 (3月1日公開)

2019/02/27
マガジンサミット 儀保

3月1日から公開の映画『天国でまた会おう』をご紹介。アート系作品、インディーズ作品が好きな方にはオススメの一本になっております。

2人の男の運命的な出会い

1918年。第一次世界対戦中のお話です。戦場で出会った2人の男が主人公です。

戦場で死にかけていた中年男のアルベールを救ったのが同じ隊の青年エドゥアール。所が、その際、エドゥアールは爆撃で顎が吹っ飛び重症を負ってしまいます。エドゥアールは何とか病院で一命を取り止めます。ですが、父親と上手くいっていなかったエドゥアールはアルベールに「自分は死んだ事にしてくれ」と懇願。

死を偽装して、2人の新たなパリ生活がスタート。とは言え、2人の生活はボロボロ。お金も仕事も無く、恋人も失うアルベール。顔の怪我の後遺症でモルヒネ中毒になって、引きこもるエドゥアール。

そんなある日、元々、絵を描くのが得意だったエドゥアールはその才能を活かして、ある犯罪計画を発案!!そこから、2人の全く上手くいかなそうな計画がまさかの展開へ!

笑って、ヒヤヒヤして、泣けるジャンル無双な歴史映画

実際の戦中~戦後を暗めなバックボーン。戦争により、何もかもを無くした小市民な中年男と、戦争により家族との縁を絶ちきったアーティスト気質の青年。2人によるドタバタ計画が進行。解りやすいキャラクターたち。濃密な人間ドラマと所々ユーモラスな描写。特にフランス流のしつこくシュールな笑いが最高!

さらに、黄色味がかった画面&カラフルな美術によるファンタジーテイストまでもオプション追加。寓話的世界の珍道中に笑って、ヒヤヒヤして、泣けるジャンル無双な歴史映画が誕生。

原作者のお墨付き

実は、本作の監督は、アルベール役を演じているアルベール・デュポンテル。本来は別の俳優が出演予定だったのですが、その俳優が出れなくなり、自ら出演を決意!!本作では、監督&脚本&出演を兼任。才気っぷりを発揮!

フランス最高峰の文化賞ゴンクール賞に輝いた原作に一目惚れ。原作者のピエール・ルメートルと共同で脚本を執筆。

完成した映画を観たルメートル。「上映中は全編にわたって驚きの連続だった。」「完璧に成功した映画化の素晴らしいお手本だ」とお墨付きを獲得。

映画を引き立てる仮面たち

本作の中でも目を引くのは、顔を失ったエドゥアールが被る様々なタイプの仮面たち。

デュポンテル監督はクリエイターのセシル・クレッチマーへ仮面の製作を依頼。「物語を通してエドゥアールの悲しみ、皮肉、逆上、夢想などの心理を追い、それを表現する仮面を作ってもらった」との事。

シーンによっては悲痛に見えたり、怒りを包容した表情に見えたり。この仮面の造形を見ているだけでも楽しい仕上り。

映画『天国でまた会おう』は3月1日より全国公開です。

(C)2017 STADENN PROD. – MANCHESTER FILMS – GAUMONT – France 2 CINEMA (C)Jerome Prebois / ADCB Films

ギボ・ログ★★★★☆(星4つ)

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マガジンサミット 儀保

表の顔はディレクター兼カメラマン。実は、年間700本の映画を観賞する映画好き。どんな作品でもオススメのポイントをピックアップ。映画好きから、普段、あまり映画を見ない方にも、幅広い映画の楽しみポイントをご提供できればと日々邁進中? 映画関連tweetも日々、更新してます @yungibo

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