東京製綱のCFCC®(炭素繊維複合材ケーブル)がアメリカ国内最大級のインフラプロジェクトに採用されることが決定

2020/12/01
マガジンサミット編集部

スポーツや芸術の分野など、日本には世界に通用するものが多くありますが、やはり日本が世界に一番誇れるものと言えば、その技術力ではないでしょうか。今回、日本のある企業が作ったケーブルが、アメリカ合衆国で行われる総工費 38 億ドルという一大プロジェクトにおいて、採用されることとなりました。

日本の企業のケーブルが世界へ

この度、東京製綱株式会社のグループ会社「東京製綱インターナショナル株式会社」は、自社で研究・開発と製造・販売を行う世界で唯一の炭素繊維複合材ケーブル(以下 CFCC®)が、アメリカ合衆国バージニア州にて進行中のハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業に採用されたことを発表しました。

同事業は、アメリカ国内で現在予定されているインフラプロジェクトの中で最大規模を誇り、バージニア州のハンプトンとノーフォークを約 16km に渡って結ぶ海上大動脈を大幅に拡張する一大プロジェクト。総工費 は38 億ドル(約4,000 億円)となっています。

アメリカが抱える社会問題

現在、アメリカ国内では、1960 年代に建設されたコンクリート橋梁が一斉に寿命を迎えることが社会問題化。特に、海辺の塩害地域や融雪剤を使用する地域では、鉄筋の腐食等から本来よりも早く寿命を迎えてしまいます。こうした理由から、高い耐食性や強靭性からコンクリート構造物の補強材としてのCFCC®のニーズが年々高まっているのです。

以前より、ミシガン州ではCFCC®の長寿命性やメンテナンスフリーである点が認められ、橋梁架け替えの際の補強材として公式に指定を受け、そのほかフロリダ、バージニア、ノースカロライナなどの合計 9 州の各プロジェクトに採用されるなど、CFCC®の普及は拡大を続けています。

また、先日行われたアメリカ大統領選挙で勝利したバイデン氏は、積極的なインフラ投資を行うことを公約しており、前述のインフラ設備老朽化問題にも取り組むと目されています。今後さらに東京製綱のCFCC®が、アメリカ国内で活躍の幅を広げる可能性は高くなっています。

CFCC®(炭素繊維複合材ケーブル)の特長

「東京製綱インターナショナル株式会社」が製造するCFCC®は炭素繊維エポキシ樹脂からなる炭素繊維複合材ケーブル。撚り合された炭素繊維(ストランド)を更に撚り合せてケーブル化しており、今回行われるバージニア州のハンプトンロードブリッジトンネル拡張事業では、

①強度

耐腐食性

③軽量性

④ライフサイクルコスト

といった点が高く評価されたことにより採用されました。同事業ではCFCC®が海上部約 8.6km の桁ならびに杭の緊張材と補強筋として使用され、総延長は 5,486km にも及びます。

 

日本の技術、製品が外国のインフラを支えているということは、我々日本人にとってとても誇らしいことです。東京製綱のCFCC®がより普及するとともに、今後も世界に貢献する技術、製品が多く出てきて欲しいと思います。

 

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