すずきこどもクリニック院長・鈴木幹啓氏が語るオンライン診療の未来。「医者も患者も幸せになれる未来に」

2021/02/19
マガジンサミット編集部

コロナ禍の今、医療の現場で必要とされているオンライン診療ですが、この度、そのオンライン診療を受けるための入り口となる「オンライン診療ポータルサイト+マッチングアプリ:Dチョク」を「すずきこどもクリニック」の院長である鈴木幹啓さんが開発。

ポータルサイトでは患者がオンライン診療を受けようと思った際に、病院選びやオンライン診療システムの使い方など、様々なサポートを行ってくれます。今回は、そのポータルサイトを開発した鈴木院長に「オンライン診療の未来」についてお話を伺いました。

すずきこどもクリニック

「すずきこどもクリニック」は、和歌山県新宮市にある小児専門クリニック。小児科診察全般に加え、特定機能病院への窓口や、地域の方の子育て支援の全面的なサポートも行い、親しみやすく長く付き合えるクリニックとして活動しています。

オンライン診療の未来とコンセプト

――鈴木先生が考えるオンライン診療の未来についてお聞かせください

鈴木院長(以下、鈴木)「まず、オンライン診療が普及することのメリットとしては、待ち時間が無くなるということですね。医者側から電話がかかってくるので、どこにいてもスマホさえ持っていれば診察が受けられますから。薬に関しても最寄りの薬局に取りに行くだけでいいですし、郵送もしてくれます。」

――今後は実際に診察を行う病院と、オンライン専門病院という2つに分かれていくんでしょうか?

鈴木「実はオンライン専門病院というのは絶対に成立しないんですよ。オンライン診療というのは対面診療との組み合わせじゃないとやれないんですよね。定期的な通院が必要な治療というのは対面も組み合わせないとできないので、完全なオンラインというのは無理なんです。ただ、対面診療を中心にやるクリニック、オンライン診療を中心にやるクリニック、という風な分け方はされると思います。また、将来的なことを考えると、対面診療のみを行っているクリニックは淘汰されてしまうと思います。オンライン診療を行いたいという患者のニーズがありますから。」

――先生は今後オンライン診療についてどういった未来が来たらいいと考えていますでしょうか。

鈴木「医者も患者も幸せになれる未来がくればいいと思っています。まず、患者側にとっては利便性という面で必ずメリットがあると思います。医者側にとっても、オンライン診療というのは診療報酬が低いという現状がありますが、例えばコロナに感染することを恐れて『診療を3か月に一回にしてください』という患者さんに対して、『月に一回はオンライン診療を挟ませてください』という提案をすれば、本来は無いはずの収益が生まれる。そうすれば医者側にもメリットが生まれると思います。」

――なるほど。制度面も含めてこれから変わっていかなければというところですね。

鈴木「そうですね。勤務医とか公務員の医者とは違って私たちは一次診療と言って、まず真っ先にかかる最前線のところにいるわけですけども、そういうところは自分のところで経営を成り立てていかないといけない。スタッフも雇わなければいけないし。今、病院運営に関して岐路に立たされていると思うんですけど、ちゃんとした運用をすればオンライン診療でもスタッフへのボーナスや給料を減らさずに成り立たせることができると思います。つぶれてしまったら仕方がありませんので。医療というのは一次診療、二次診療、三次診療とピラミッド型になっているわけですけども、一次診療の部分がつぶれてしまったら直接二次診療に行ってしまうんですよ。そうすると今まで何十年とかけて作り上げてきたピラミッドの底が崩れるわけなんですよね。この構造を崩さないためにはオンライン診療でいかに一次診療のクリニックを守るかという、そういう面もあるかなと思います。」

――日本の医療のベースを守るためにもオンライン診療が必要になってくるというわけですね。

鈴木「そういうことですね。一次診療の部分がダメになったら直接二次診療に行ってしまうのでパンクしてしまいますよね。だから一次診療が頑張らないといけない。そこの経営を支えるためのツールとして、今回作った『オンライン診療ポータルサイト+マッチングアプリ:Dチョク』を使ってもらえればなと考えています。」

――ありがとうございました。

オンライン診療が普及していくことによって、私たちの周りの医療はどのように変化していくのでしょうか。鈴木先生が言うように、患者と医者の双方にとって幸せな未来がくれば良いと思います。

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