スマートTVサービスAWARD2018が発表!大賞に輝いたのは「ひかりTV」

2018/03/26
GazinAirlines

YouTubeにニコニコ動画、Amazonビデオ、新参の……世界が注目する映像配信サービスが、数え切れないほど存在するなか、国内で最も優れた映像配信サービスはどれか……。

そんな疑問に、ユーザーによる緻密な評価データと、専門家・有識者による総合評価によって選ばれた映像配信サービスのランキングが発表された。題して、「スマートTVサービスAWARD2018」

このランク付けを手がけたのは、ICT市場専門リサーチ・コンサルティング企業のMM総研。MM総研は、映像配信市場の発展を牽引するサービスを表彰する「映像配信サービスAWARD」を2011年に創設。

今回の調査で8回目。4K対応、サービス内容や提供チャネルの拡充など、昨年に引き続き顧客ニーズの高い要素を重視したことに加え、ことしは「市場成長性」も新たに追加し、評価にさらなる深度をつけてランキングした。その結果が……。

8年連続、最優秀賞はNTTぷらら「ひかりTV」

総合評価スコアで最高ポイントを獲得したのは、NTTぷららの「ひかりTV」。

ひかりTVは、100点満点中78.9点と最高ポイント。評価対象8分野のうち、先進性、コアバリューの2分野で最高評価。総合評価AAで最優秀賞に。また、4K映像作品の拡充、ゲームや音楽配信などのサービス展開、マルチデバイス対応などと展開。新たにひかりTV for docomo、ひかりTV for NURO、ひかりTV with CATVを提供したことでも注目を集めた。

こうした展開も含め、先進技術を用いたトータルサポートの強化策など、スマートTVサービスとしての先進性と普及拡大への取組みが、高く評価されたかたち。

第2位は、Amazonの「Amazonビデオ」。昨年に続き顧客志向性(機能)の分野で最高評価、昨年から1.7点アップした。Amazonビデオは、プライム会員になることで、他社サービスに比べ低価格で映像サービスを受けられ、オリジナル作品の充実が図られた点が評価された。

第3位は、ドコモ「dTV」。市場性で最高評価を得て、総合評価77.5点を獲得。充実した作品数、オリジナル作品の制作への注力度、2018年1月30日からの「dTVチャンネル」提供などで、顧客満足度が高かった点が評価された。

また、今回の審査員特別賞は、Perform Investment Japanの「DAZN」に。スポーツに特化し、2016年8月のサービス提供開始からわずか1年で会員数100万人を達成。内容の充実度が評価された。

実際、どんな評価でランキングしてるの?

では、こうしたランキングは、実際にどんなリサーチと調査で算出しているか。今回のスマートTVサービスAWARD2018を手がけるMM総研 横森忍研究部長に聞いた。

「今回の評価基準は、先進性、市場性、コアバリュー、顧客志向性(サービス)、顧客志向性(機能)、顧客満足度、スマートTVサービス期待度、スマートTVサービス認知度の全8分野、合計32項目。これを主要な10事業者に対し、ポイント化し評価。各評価項目の評価スコアにってランキングした」と語り、

「この審査過程では、各サービスの利用者200人、全体で合計2000人を対象にしたユーザアンケート調査を実施。MM総研アナリストによる専門家のサービス評価結果と、有識者会議による最終審査を経て、ランキングが決定した」と回答しました。

なんと、2000人のユーザーの声が反映されていると。このユーザーアンケートをベースに、アナリストや有識者の評価を加えたのが、このランキングというわけ。

さらに、横森研究部長は「スマートTVサービスAWARD2018」では、従来の映像配信サービスからスマートTVサービスへの移行を見据えた4K映像やコンテンツラインアップの拡充に加え、映像品質を担保し、安定的に放送できる取り組みを行っている事業者が高いスコアを獲得する結果に」と結論づけている。

ちなみに、調査対象の10事業者・サービスは下記のとおり。

Amazon「Amazonビデオ」、HJホールディングス「Hulu」、NTTドコモ「dTV」、NTTぷらら「ひかりTV」、ケイ・オプティコム「eo光テレビ」、ジュピターテレコム「J:COM TV」、スカパーJSAT「スカパー!」、Netflix「NETFLIX」、Perform Investment Japan「DAZN」、U-NEXT「U-NEXT」。

有識者たちの評価はこうだ

安田浩氏

(東京電機大学学長/東京大学名誉教授)

「スマートTVでは今後、通販との連携は不可欠。日本では諸外国に比べ遅れている電子マネーの普及にも着目すべきだろう。またユーザーの趣味嗜好が固まりスマートTVサービスの内容が拡充した今、レコメンデーション機能の精度向上がさらに必要となるだろう。それに付随して、サービス提供者はニーズに即した優れた検索エンジンの開発が求められ、今後はAIに対して高い技術力を有する企業が勝ち残っていくだろう」

北村森氏

(商品ジャーナリスト/サイバー大学IT総合学部教授)

「4K放送開始に伴い事業者は、ユーザーに対し4K/8K放送を簡単に視聴体験できるサービスを提供する配慮が必要だろう。事業者は、ユーザーが“見たい”と思うコンテンツへ簡単に行きつけるサービスの提供とともに、それらに関わる商材を、ファンクラブ会員など特定サービス加入者には安く提供するなど、オンラインとオフラインの連携が今後さらに必要になるだろう。またコンテンツをもつ各事業者は、今後一つの大きなプラットフォームに横断的にコンテンツを集約し、サービスを提供することが求められるだろう」

森祐治氏

(電通コンサルティング代表取締役社長・シニアディレクター/亜細亜大学都市創造学部・大学院アジア国際経営戦略研究科特任教授)

「Amazon EchoやGoogle Homeなどのスマートスピーカーの登場により、スマートテレビとの連携がより一層期待される。今後はスマートホームと連携のニーズが、より一層高まっていくだろう。昨年に引き続き、スマートTVサービス以外の付加価値の提供に注目できる。また今回特別賞を受賞した「DAZN」は、スポーツに特化する中でさらにジャンルを分けてチャンネルを設けている点が良かった。今後の一つの方向性を示したと考えている。」

中島洋氏

(MM総研 代表取締役所長)

「スマートTVの「スマート」はどんどん機能が豊富になっているので明確な定義がしにくいが、大雑把に言えば「コンピューターによって機能が豊富な」というような意味合いになっている。コンピューター機能満載のスマホがウェブサイトの検索やマネー、ヘルスケアへと適用範囲を広げ、テレビサービスもスマホを取り込むとともにウェブサイト検索やマネー、ヘルスケアなど多様なものをそろえるようになった。評価・採点は一段と難しくなっている」

―――こうした総評でランキングされた今回の「スマートTVサービスAWARD2018」。進化が著しいスマートTVの世界で、今後の各サービスの動向の変化に注目が高まります。

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