“学習”が変わる!?eラーニングアワード2017フォーラムに最先端のサービス集結

2017/10/27
Shoichi Sato

 

一般社団法人e-Learning Initiative Japan1025日から27日の3日間、千代田区で「eラーニングアワード2017フォーラム」を開催。最先端の教育サービスを提供している企業が一堂に会し、教育機関関係者らの注目を集めていました。

 

初日に行われたのはサイコム・ブレインズ株式会社、株式会社ネットラーニング、株式会社Z会、株式会社デジタル・ナレッジの4社による新製品プレゼンテーション会。AIを活用した英会話プログラムや新大学入試に向けた遠隔協働学習サービスなど、大変興味深い内容でした。

 

ビジネスパーソン向け、スマホで学ぶ映像講座

 

サイコム・ブレインズ株式会社はマイクロラーニング型の映像講座「ビジネスマスターズ」を紹介。同サービスはビジネスパーソンをターゲットとし、企業研修で実施件数の多い「経営戦略」、「異文化マネジメント」、「マーケティング」、「コーポレートガバナンス」、「論理的思考」、「リーダーシップチャレンジ」、「企業会計」、「営業スキル」の8科目を映像教材として提供するもの。また、理解度テストによる記憶定着を促すとともに、ワークシート(オプション)による反転授業型研修も開催可能です。

 

1テーマ5分程度のマイクロコンテンツで、20184月からサービスを開始します。1科目あたり18,000円(税別)。通勤時間などにスマホを使って、気軽なスキルアップが期待されます。

 

登壇した同社取締役の川口泰司氏は「企業のグローバル対応も重要になる。ビジネスマスターズは日本語、英語、中国語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語に対応しており、ナショナルスタッフの育成ニーズに適合しているのでは」と話していました。

 

プレゼンする川口氏

 

まるで人間!?AIがビジネス英語をサポート

 

eラーニング研修サービス提供事業を専業とし、導入した企業や団体数が5,000近くという実績を持つ株式会社ネットラーニングは「AI個人トレーナー」を発表しました。

 

これは、スマホやタブレットでオフィス英語を学び、AIを使った音声認識エンジンがフィードバックしていくアプリ。まるで人間のトレーナーが聞き取っているかのように、文脈を踏まえて発音をチェックしてくれるのが特長です。

 

「海外出張する」、「電話で話す」、「アポイントを取る」といったビジネスシーンと仮想オフィスを親しみやすいアニメーションで表現。発した言葉がリアルタイムで表示されるので、インプットしたものをすぐにアウトプットできる、非常に実践的な学習法を実現しています。

 

株式会社ネットラーニング取締役の吉田俊明氏

 

 

Z会の次世代学習「Asteria(アステリア)」

 

株式会社Z会の野本竜哉氏は、迫る新大学入試に向けた総合探求講座「ZAsteria」についてのプレゼンを行いました。同氏は来る大学入試改革において「重要なのは主体性を持っていたような人々と協働して学ぶ態度」と提唱。そこで発表されたのがiPad1台と1つのアプリで完結する「安心して間違えられる協働的な学びの場」を提供するサービスです。

 

Asteria」には大きく分けて協働学習と個人学習、探求学習があります。協働学習はファシリテーターと受講生3名によるオンラインディスカッション。匿名性を保ちつつ全国の人と繋がり、自由に自分の意見を述べて思考力を育成します。

 

個人学習では問題解決にフォーカスしたスキルを磨く100以上のトレーニングを用意。協働学習と連動しており、受講者にはファシリテーターが一人ひとりに合ったトレーニングを勧めます。

 

探求学習は各分野のキーパーソンを講師に招いた60分の生中継映像講義。1030日には「秘密結社鷹の爪」の生みの親で映像クリエイターのFROGMAN氏が「映像制作・表現」をテーマに講演します。

 

壇上に立つ野本氏

 

先生と生徒の間にAIツール「トレパ」

 

株式会社デジタル・ナレッジは、AIを活用した英語4技能の教育サービス「トレパ」と「AI Training+」を説明しました。

 

「トレパ」は読む(Reading)、書く(Writing)、話す(Speaking)、聞く(Listening)の英語4技能対策授業実現AIツール。先生が作問した教材をAIが編集して生徒に出題、生徒の回答をチェックする役割も果たします。

 

例えば、先生が打ち込んだテキストをAIが読み上げ、それを聞き取った生徒が回答となる英文画像を送信。するとAIが画像を判別し、テキスト化。一致度を判定します。まさに、先生のアシスタントであり、生徒のトレーニングパートナーです。

 

「トレパ」と同等の教材提供やオリジナルAI教材の開発などをパッケージ化したAIトレーニングソリューションが「AI Training+」です。同サービスは秀英予備校で導入され、現小学45年生を対象に実証実験が開始されています。

 

「トレパ」について語る代表取締役COO吉田自由児氏

 

その他、フォーラムでは数々の企業がブースを出店し、自社サービスをPRしていました。

 

かつての小学生は、分厚い辞書をランドセルや机に入れていました。電子辞書が台頭し、iPadを導入する教育機関が増えるなど、確実に学習環境は変わってきていますね。未来の教育を垣間見る、良いきっかけになるイベントでした。

 

 

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Shoichi Sato
この記事を書いた人

Shoichi Sato

地域ミニコミ紙の編集記者、広告代理店を経てフリーライターとして活動中。趣味は山登りなど、スポーツ全般の元高校球児。未確認生物や宇宙、戦国時代 などが好きなロマン追求型。座右の銘は「気は遣うものではなく、配るもの」。 ブログ:s1-thats-WRITE

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