世界にその名を轟かせる家電メーカー「SHARP(シャープ)」が台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収され正式に傘下になりました。
4月4日の共同記者会見では、鴻海(ホンハイ)の郭台銘董事長が、シャープの歴史や独創的な技術を賛辞する言葉を並べ、シャープ創業者の記念館を造ることでも合意。外資の傘下に入ることへの警戒感を和らげようとする様子が報道されました。
もし、記念館が出来きるとすれば、101年分の様々な製品が陳列されるのでしょうか。そこで、シャープが誇るいろいろな“初”の製品をいくつか見てみましょう。
え…家電じゃない!創業者が作ったもの
まず、シャープ創業までの道のりを簡単に。1912年(大正元年)、金物職人だった早川徳次が18歳の時に【徳尾錠(とくびじょう)】を発明、これが大ヒットします。
今でもよくある、こんな感じのベルトのバックルです。
ベルトに穴を空けずに絞められるという画期的な商品で、いきなり約5000個の発注が舞い込んだといいます。これを資金に早川は独立し、東京墨田区に小さな工場を立ち上げます。シャープのきっかけはベルトのバックルだったんです!
【シャープペンシル】
1915年(大正4年)~
会社名の由来となる「シャープペンシル」が誕生。意外と知らない人も多いようですがシャープペンシルのシャープはこの社名のことなんですね。
「早川式繰出鉛筆」と呼ぶもので、元々はアメリカのキーランド社が作った繰出鉛筆「エバー・シャープ」を改良して作った商品でした。その商品は芯が太かったのが難点でしたが、早川氏は頭部分を回すことで芯を押し出し、細い芯を細く絞った先端のパイプから出す仕組みを考案します。
このシャープペンシルが海外で大ヒットし「シャープ」という会社が誕生。従業員約200人の工場に成長します。しかし1923年の関東大震災で工場が全焼。新しく大阪に工場を構えます。そして、ここから家電へ力を注ぎ始め巨大メーカーへの道を進むことになります。
ラジオから始まった。シャープ家電時代へ