定番で人気の国内ツアーといえば、スキーやスノーボード、グルメに温泉。歴史観光スポットツアーなどが定番ですが、最近では列車そのものに乗るツアーも大人気。
移動手段ではなく、クルーズトレインという新たな旅のカタチが提案されるなど、高級寝台列車やローカル観光列車目当てのツアーが注目されています。
来日観光客の需要も増え、多様化してゆく国内ツアーですが、「これ、行く人いるの?」と思ってしまうようなマニアックな旅があるのをご存じでしょうか?
今回は、そんな変わり種ツアーをご紹介します。
理系女子と一緒に秋葉原で“はんだづけ”
マニアといえば“秋葉原”。デンキの街・秋葉原を、電子工作女子のガイドが案内してくれるツアーがあるんです。Akiba Deep Travelが開催する、その名も『理系女子ガイドと一緒にはんだづけ♪電気街探検&電子工作体験ツアー』。
【ツアー工程】
まず、気軽な電子ガジェットから研究用のロボットまでが揃うお店。かの有名な『アールティロボットショップ』へ。次に、1949年から店を構える、アキバ聖地『秋葉原ラジオセンター』へ。ここは電子機器・電子部品の専門店が約40店も入っている夢のようなショッピングセンターです。そして、さらに何でも揃う計測器のテーマパーク『東洋計測器』にも立ち寄ります。
そのあと裏通りのパーツ街をを巡ったら、いよいよ本格的な電子工作体験タイム。おあずけ状態だった“女子と一緒にはんだづけ”ができます。なかなかできる体験ではないので、製作したキットを他の人に見せる際は、それが女子と一緒にはんだづけした物であることも自慢できることでしょう。
◆◆参加料金
おとな 6,000円 こども(※)3,000円
工作キットなし(保護者の方向け)2,000円
集合場所 JR秋葉原駅電気街口
出発時間 13:00
所要時間 2時間~3時間30分
最少催行人数 大人2名 定員12名
公式HPよりhttp://adt.moe/tour/ba
パセリちゃんツアー
女性向けでオススメなのが『パセリちゃんツアー』。パセリ好き女子が集う、パセリしばりのグルメツアーではありません。
毎年6月に防衛相が開催している、20代女性を対象とした1泊2日の自衛隊生活体験ツアーです。
ちなみにパセリちゃんというのは、自衛隊の女の子マスコットキャラ。
設定ではパプリカ王国の隣のブロッコリ王国の村長の娘さんで、ピクルス王子という彼氏もいるそうなので、割とリア充な女子かなという印象です。
ツアーの実施場所は陸海空の持ち回りで毎年違い、内容は、座学や、体験喫食(食堂でのランチ)、基本教練、訓練体験、隊員との懇親会(男性隊員は嬉しいでしょうね)など。
他に、海上自衛隊なら艦艇、陸上自衛隊ならいわゆる戦車、航空自衛隊ならヘリや戦闘機などの、体験搭乗や見学もあります。このツアーに参加するか、もしくは実際に入隊するかのどちらかでしか出来ない事ばかりの貴重な体験ツアーです。
対象 日本国籍を有する20歳代の女性。
参加料 7000円程度
集合場所 東武東上線・東京メトロ有楽町線 和光市駅
所要時間 1泊2日
お申込み・お問合せ先
〒162-8801 東京都新宿区市谷本村町5-1
防衛省大臣官房広報課「パセリちゃんツアー」係
TEL: 03-5229-2151又は03-5366-3111(内線22541)
出典 http://www.mod.go.jp/j/publication/events/paseri/
社長と行くシリーズ
続いては、群馬県みなかみ町にある旅行会社・カッパCLUBのツアー。ラフティングやエアーボードなどのアウトドアツアーを中心に提供しているこの会社では、『社長と行く』シリーズというものがあります。
“いち旅行会社の社長が一緒に行く”というのを売りにしているのもマニアックですが、そのツアー内容が実に通好みなのです。
過去に開催された『カッパCLUB社長と行く源流ツアー(健脚編)』は、2日かけて登山をし、まだ雪の残る大水上山の雪渓から溶け出した利根川の最初の1滴を汲んで皆でコーヒータイムを楽しもうというもの。手軽なコンビニコーヒーとは真逆をいくこだわりっぷりです。
また、『社長と行く秘湯ツアー』で山に分け入り社長オススメの秘湯を目指したり、『新社長と行く谷川岳の頂上を目指してみようツアー』では、インドア派の新社長が「もうここで止めたい」と思った場所をゴールとしてそこで前社長の誕生日を祝ったりと、この会社ならではの狭いテーマのツアーが開催されています。
カッパCLUB 公式HPより
http://event.kappa-club.com/special_blog/post_95.html
バスマニアのための“形見分け”バスツアー
そして、バスマニアのためのバスツアーも存在します。
2014年9月に大分交通が開催した『往年の中津快速&中津エアライナートレースツアー』では、廃車直前の3列シート車である1962号車(西日本車体工業S型ボディ・日産ディーゼル工業U-RA520TBN)のラストランを実施。
この車両が過去に活躍した中津快速や中津エアライナーのコースを完全トレースし、最後には“形見分け”として車両の部品を参加者に譲る即売会も行われました。実は、同日に大分バス協会主催のバス祭りも開催されていたため、バスマニアはどちらに参加するか迷ったとか。
悩んだ末にこのバスツアーを選んだマニアだけが体験した、貴重な幻のツアーとなったことでしょう。
大分交通公式HP
http://www.oitakotsu.co.jp/
その他にも、電波マニア達が集って色んな場所や基地局で熱心にスピードテストをする電測ツアーや、レコードプレス工場を見学するツアーなどなど、世の中には色んなマニアックなツアーが存在します。
勇気を出して参加してみたら、面白い出会いがあるかもしれないし、飲み会や合コンで個性派アピールができるネタになるかもしれませんよ。
< 取材・文 / 大石依里香 >