第一三共ヘルスケアは、20~60代の働く男女を対象に「睡眠に関する調査」を実施。ミドル世代(40~50代)を中心に睡眠の満足度が低いことなどがわかり、日本睡眠学会専門医の中村真樹さんの解説と共にその結果を21日に発表しています。
平日の平均睡眠時間について質問したところ、最も多い回答は「6時間台」(35.8%)。「7時間未満」の人の合計は約7割(66.8%)となり、推奨される7~9時間の睡眠を取れている人は少ないことが浮き彫りになりました。
次に睡眠の満足度について尋ねると、「満足していない(全く満足していない+あまり満足していない)」と回答した人は4割を超えました(42.5%)。年代別に見ると、50代男性の6割以上(64.3%)が「満足していない」と回答。続いて40代男性も半数以上(53.9%)、50代女性も約半数(50.7%)が「満足していない」と回答しており、ミドル世代は睡眠に対する満足度が低い傾向がみられました。
これについて、中村さんは「40~50代のミドル世代は、日常生活・仕事の自己管理は比較的できているので、ストレスや生活習慣など何かしらの影響があるのかもしれません。ミドル世代に限らず、寝不足は生活習慣病や認知症のリスクが高まるため注意が必要です」とコメントを寄せています。
また、睡眠に関して8割以上(81.3%)が「悩みがある」と回答。最も多い悩みは「途中で起きてしまう(41.6%)で、寝つきが悪いと感じる状況の1位はこれからの時期に心配な「熱帯夜」(45.2%)となりました。
この問題について、中村さんは「夏場の理想的な就寝環境は湿度50~60%、室温26℃ですので、もし寝苦しさを感じるのであれば、エアコンの設定温度を見直すことが大切です」と指摘。さらに「室温だけではなく、体の内部の体温調節がとても重要です。例えば、就寝1~2時間前に入浴し、上がった体温が下がっていくタイミングで横になると眠りに入りやすくなります」とも助言しています。
睡眠に関する悩みが生じる原因は「仕事や人間関係によるストレス」(37.2%)が最多で、その一方で睡眠不足によって「精神的ストレス」を感じている人(31.9%)も多く、睡眠とストレスが互いに悪影響を及ぼしていることがうかがえました。
さらに、約7割(69.0%)は睡眠の質を良くするために何かしら心がけていることがあり、その1位は「お風呂にゆっくり浸かる」(27.5%)と判明。しかし、睡眠満足度別にみると「満足していない」という人の最多回答は「特になし」(29.4%)でした。
こうした結果を受けて、同社は「睡眠不足になると、ケアレスミスが増えたり、集中力が低下して勉強や仕事にかかる時間が長くなったり、健康を損なう、遅刻や欠席・欠勤が増えるなど、勉強や仕事の効率低下につながります」と指摘。
もし企業が社員の睡眠状態を底上げするサポートができれば「健康経営のさらなる推進や、個々人の日中のパフォーマンス向上、私生活と仕事のバランスの維持、さらには社員のエンゲージメント向上などにつながることが期待されます」とし、複数の企業・団体と共に推進している「年に1度の睡眠診断運動」を提案。同運動は、スマートフォンのアプリで睡眠の時間や状態を把握することで自身の睡眠状態を可視化できるものとなっています。
「年に1度の睡眠診断運動」
https://www.suimin-shindan.com/