フランスでは日本酒がブーム。その逆の「和食とワイン」を日本で提唱するアティ・ジャパン株式会社代表 園部氏が語る星付きレストランでも飲まれるワイン

2021/07/30
マガジンサミット編集部

今回お話しを伺ったのはアティ・ジャパン株式会社の代表取締役 園部 豪さん。有名レストランでも取り入れられる価値の高いフランス、ブルゴーニュ・ジュラ地方のワイン卸業やその始まりについて語ってくれた。

ワインの輸入卸を行っているアティ・ジャパン株式会社。酒屋さんや小売店・レストランに提案する商材を主に輸入し個人への小売は基本的に現在は行っていない。プロに使ってもらいたいプロユースのアイテムを揃えていると園部氏は話す。フランスのシャンパーニュの輸入から始まったもののフランスのワインやシャンパーニュは質も良く値段も高価なためスーパーなどに卸すのは難しく、レストラン向け中心になった。

フランスの田舎にあり、フランス語しか話せない年配のワイナリーは自分たちが作ったワインを農協に卸すのみで、その価値のあるワインは近所の人しか飲めなかった。それが孫の代となり、英語を学び、自分たちのワインをオーナーとして世界に出そうとしている。その中で日本と一緒に仕事をしたいというフランスのワイン生産者も多く、縁があり事業をスタートしたと園部氏は話す。その時に繋がりや後押しをもらったのが広島県の県庁からだった。というのも、広島県とワイン生産者組合ブルゴーニュ・ジュラ地方連盟が基本合意書を締結。これは広島県産の牡蠣やお肉、日本酒などとフランス・ブルゴーニュ・ジュラ地方のワインのブランド向上や販路拡大をより一層図るため相互に協力するとした締結だ。そこでソムリエでもある園部氏に声がかかり、フランスのシャンパーニュやワインを輸入卸するアティ・ジャパン株式会社を始めることとなった。

ソムリエとしての園部氏のテーマは「和食とワイン」。向こうにつながりのあるレストランは「フレンチと日本酒」をテーマにしている。実は今のフレンチの多くはコースのドリンクに日本酒が入っている。チーズと白ワインが合うというのが一般的な考えではあるものの、フランスのソムリエは日本酒とペアリングするのが今のブーム。そこで園部氏は逆をやろうと和食でフレンチスタイルのようなワインを出す、垣根をなくした新感覚のペアリングを提供していると言う。そんな日本とフランスの交流もあり、まだ世に知られてないフランスワイン生産者のワインを広めようと広島県から始まった。そして現在はミシュランの星付きのレストランなどに価値のあるブルゴーニュ・ジュラ地方のワインやシャンパーニュを提供している。

園部氏は北海道出身で北海道の気候と現在取り扱っているワインの産地、フランス、ジュラ地方の気候は類似していると言う。北海道は酪農が盛んで、ジュラもコンテチーズで有名と名産も似ているのだ。今、地球温暖化でワインの主要産地が暑すぎてブドウがいい状態で収穫できないのが問題。比較的に涼しかった地域がワイン産地として最適な気候となってきている。それが北海道にも当てはまり、昔はリンゴしか取れなかったのが、ここ10年、20年でレベルが高いお米やブドウなどが収穫できるようになった。同じくブルゴーニュ・ジュラ地方にも当てはまり、質のいいワインが作られているのだ。現在は居住地を東京に移し、東京をベースに事業の立ち上げのきっかけとなった広島県や自身の出身でもある北海道などを活動拠点として自分自身のソムリエとしての知識や経験などを活かし、多くのレストランにまだ知られてないブルゴーニュ・ジュラ地方のワインを広めている。そんな園部氏が語る日本とフランスのお酒に対する食文化の違いなどはまた次回に続く。

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