ふるさと納税の返礼品探しに「ふるさとチョイス」というサイトを一度は見たことがあるという人は多いのではないでしょうか。
2019年11月30日(土)に、ふるさとチョイスを運営するトラストバンクが「ふるさとチョイスアワード2019」を開催。ふるさと納税の活用や返礼品を巡る取り組みが評価され、75自治体・118事例から総合大賞と4部門大賞が決定しました。
紹介された各自治体で生まれた地域の変化やストーリー、寄附金の使い道など中から、今回はピックアップしてをご紹介します。
■2019年総合大賞は「香川県三木町」
今回、総合大賞に選ばれたのは香川県三木町。
古くて、雨漏りしているような掘立小屋で制作されていた、桶職人による手製の桶やおひつ、風呂桶などをふるさと納税の返礼品として出したところ、200件以上の注文を受けるまでになりました。
後継者が途絶える心配があった中、別職種に就いていた息子が、父親の桶職人の姿を見て後を継ぐことにもなり、ふるさと納税の取り組みが伝統文化を残し、日本全国へと広げるきっかけとなりました。
受賞のコメントは「継いでいちばん嬉しい。これからも頑張っていきます」とほのぼのとしたものでした。
ふるさとチョイスにおける香川県三木町の返礼品の一部
■その他の受賞した地方の返礼品
その他にも、各賞を受賞した地域がたくさんある中、注目の返礼品を2つピックアップしてご紹介します。
1.山形県天童市の「根付駒(彫埋駒)」
「絶やしたくない部門」の部門大賞に選ばれた山形県天童市では、天童将棋駒の灯を絶やさないために取り組んだ、若手駒職人の挑戦が評価されました。
将棋駒生産量の大部分を占める天童市は、駒職人の育成に力を注いでいます。なかでも名人戦で使われるほどの腕を持つ伝統工芸士の桜井淘水(とうすい)氏は、若手職人の見本。展示会や映画で使用される駒の製作など、幅広い活躍をみせているそうです。
しかしながら、後継不足と地域の認知度が課題となっており、名前入り将棋駒ストラップをふるさと納税の返礼品としたことで反響を得ました。
中でも「伝統工芸士が製作するオンリーワンの根付駒(彫埋駒)」は、27,000円以上の寄附でもらえる返礼品。
彫埋駒(ほりうめごま)とは、書体を駒木地に彫って漆を重ね、表面を平らに仕上げられているもの。手に持った時に平らな感触が特徴で、将棋を指すときに違和感がなく、盤に吸い付くような感触があるそうです。
裏に名入れをしてもらえるのも注目のポイントです。
2.北海道栗山町の「日原メロン」
「あつい部門」にノミネートされ、優秀賞を受賞した北海道栗山町。ここでは、栗山町役場の職員が名産品の「日原メロン」をもとに「栗山町メロン男子」という応援大使として活動しており、“40歳女性”を振り向かせるため自治体らしくない取り組みとして人気を集めました。
なぜ40歳女性なのか? それは、まったくもってPRの成果が出ない中、これまでのデータを精査し、栗山町に関心を持ってくれそうな人のペルソナ「東京都・40歳・主婦 タナカエミコさん(仮)」が作り出されたことにありました。この女性を振り向かせることを一番に、PR戦略を考えたとのこと。そこで生まれたアイデアが『メロン男子』だったのです。
その後、イケメンメロン男子は新聞、雑誌、WEB、テレビなどで広く取り上げられて一躍人気者に。
現在、2020年夏以降のメロン先行予約ができます。2020年7月以降の収穫開始から優先発送してくれます。産地から、一つ一つ食べごろを見極めて、到着日に合わせてお届けしてくれるそうです。
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ふるさと納税を巡る自治体の取り組みは、日本全国さまざまなドラマと熱意にあふれています。返礼品のラインナップと共に、その取り組みの背景も一緒に興味を持つようにすると、より心のこもったふるさと納税ができるのではないでしょうか。
【参考情報】
香川県 三木町「飯櫃(2合)杉 加伏蓋」
https://www.furusato-tax.jp/product/detail/37341/249049
山形県 天童市「伝統工芸士が製作するオンリーワンの根付駒(彫埋駒)」
https://www.furusato-tax.jp/product/detail/06210/670057
北海道 栗山町【先行予約】北海道産赤肉メロン3種定期便(1玉×3ヶ月)
https://www.furusato-tax.jp/product/detail/01429/4752313
ふるさとチョイスアワード2019
https://www.furusato-tax.jp/feature/award/2019/