LGBTを取り巻く就業環境が判明…8割以上が職場でカミングアウトせず、約半数の企業が支援制度未整備

2020/10/29
マガジンサミット編集部

auじぶん銀行は、全国のLGBTを含む性的マイノリティに該当しないビジネスパーソン500名(以下、LBGT非当事者)、LGBTを含む性的マイノリティに該当するビジネスパーソン500名(以下 LGBT当事者)の計1,000名を対象に「LGBT当事者をとりまく就業環境の実態調査」に関するウェブアンケートを実施。

結果、LGBTの8割以上が職場でカミングアウトできておらず、約50%の企業がLGBT支援制度が未整備であるなど、LGBTをとりまく就業環境の現状が浮き彫りになりました。

同調査では、企業におけるLGBTへの支援制度について質問。勤めている会社でLGBTに対して協力的な制度や取り組みを行っているか聞いたところ、22.7%の人が「行っている」と回答、「行っていない」は48.3%で、約半数の会社で支援制度が導入されていない状況が判明しました。また、29.0%の人が「分からない」と回答しており、約3人に1人の人が自分の会社のLGBT支援制度について把握すらできていないことがわかりました。

国内系企業と外資系企業で比較すると、LGBTへの支援制度や取り組みを行っている企業は、外資系企業の方が8.3%高いことが分かりました。さらに、業種別で比較すると、LGBTに対して協力的な制度や取り組みを行っている業種の1位は「コンサルティング(51.7%)」という結果に。続いて「通信・IT・ソフトウェア(41.3%)」「金融(40.0%)」が積極的に制度を取り入れていることが判明。一方で、「医療(7.8%)」「建設・住宅・不動産(12.0%)」は取り組みの実施割合が低いという結果となりました。

続いて、LGBT当事者に対し、会社に勤める際にLGBTへの支援制度や取り組みを行っているか重視したかを質問。結果、「重視した(5.2%)」「どちらかといえば気にした(15.4%)」が合計20.6%という結果に。意外にも8割近い人が、支援制度をあまり気にしていないことが明らかになりました。

重視していない人からは、そもそも理解してもらうことを期待していないという声や、30代以降の方々にとって、自身の就職時はLGBTが社会問題になっておらず、支援制度がなかったからなどの声が多く寄せられました。

さらに、自身が働いている会社に対して、LGBTへどのような支援制度や取り組みをしてほしいか調査。具体的な支援制度というよりも「LGBTに対して理解を深めてほしい」と思っている人が多く、約6割の人からは「何もしなくてもいい」「放っておいて欲しい」といった声が。しかし、その背景には差別がなく多様性を受け入れる風土や意識の醸成を求める声があるようです。

LGBT当事者の方に対し、LGBTであることで職場で困ったこと(トラブル)や悩みがあるかを尋ねると、25.6%の人が「ある」と回答しました。具体的な悩みについて聞くと、「いつ結婚するのか」「彼女をなぜ作らないのか」といった異性愛者であることを前提とした会社での会話に傷つくことがあるといった現状が浮き彫りになっています。

カミングアウトについて

また、LGBT当事者を対象に、職場の同僚や上司に自身がLGBT当事者であることをカミングアウトしているかを質問。「カミングアウトしている」という人は17.6%と、5人に1人以下という結果にとどまりました。あえてカミングアウトする必要はない、という考えはもちろん、会社や個人の理解が十分ではなく、カミングアウトしにくいといった状況も考えられそうです。

実際に職場でカミングアウトされた場合、どのように行動すると思うか(行動したか)を尋ねると、LGBT当事者、LGBT非当事者に差異や、アウティングの言葉や意味の理解度にも関係なく、「当事者の秘密を守る(守った)」という人が最多に。しかし、「秘密を守りたい気持ちはあるが、第三者に伝えたくなる(伝えたくなった)」「第三者に伝えてしまう(かもしれない)(伝えてしまった)」という人も割合的には多くないものの、一定数いることも分かりました。それぞれの個人の立場で考え、行動していけるよう、やはりLGBTへの理解を深める必要があると考えられます。

最後に、お金に関して問題や悩みがあるか質問。この結果については、LGBT当事者・LGBT非当事者の方に大きな差異はなく、共通して約半数の人が「老後が心配」と回答しました。その他、「収入が低い」「貯金がない」という回答が続き、現状のお金の無さから将来を不安視する意見が多いことが分かりました。

こうした調査結果を受けて、同銀行では「LGBTを含むビジネスパーソン男女を対象に調査し、約半数の人が勤める企業ではLGBTに対する協力的な制度や取り組みが行われていないことや、LGBT当事者が抱えている職場における問題や悩み、カミングアウトとアウティングの実態等、LGBTへの理解が十分にされていないことが明らかになりました」と分析。

さらに「その一方で、LGBTについて理解を深めたいと思っている人が多くいること、またLGBT当事者の方が会社に望むことは、何より多様性に対する『理解』や『意識』というキーワードが大きいことがわかりました。これは会社に対してだけではなく、社会に対して望む声としても挙がっていましたが、こうした『理解』の促進や『意識』の醸成には、何をおいてもまずは『知ること』が大切なのかもしれません」と解説しています。

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