今年もお盆が終わった。終わったのだが、近年全国的に広まっている“習慣”があると聞いた。
それが、お年玉ならぬ【お盆玉】。
お正月のお年玉と同じように、帰省先などで大人が子どもや孫に対しポチ袋に入れたお小遣いを上げる。私は聞いたこともなかったが、あるショップへ行くと夏用のポチ袋が売られていて驚いた。そこで調べてみた。
認知度は約3割
あおぞら銀行が2017年に行った調査によると、55歳から74歳のシニア層で、お盆玉という言葉を知っているのは約29%で、前年の16.6%に比べてかなり認知度が増している。今年は更に上回っているはずである。
平均は約1万円
三井住友カードが行った調査では、小学生の37%、つまり3人に1人がお盆玉を受け取っていることがわかった。平均合計金額は9,345円だという。最近は、デパートなどで「お盆玉」のポチ袋が売られるなどしており、それを見て知る主婦が多いそうだ。
子どもも、お盆休みで帰省した際、祖父母などからお小遣いがもらえるので楽しみという声も多い。お盆玉としてじゃなくても、最近は帰省した孫にお小遣いを上げるのは普通なのかもしれない。
山形が発祥?
ルーツを調べてみると、そもそもは山形県辺りの古い習慣からだという。江戸時代、奉公人に「お盆小遣い」と称して物を贈る風習が、子や孫にお金を上げる風習が徐々に変化していったとされる。
この風習に目をつけてビジネスに、と考えたのが山形県に本社を置く和洋紙製造・販売のマルアイという会社。「お盆玉」という造語を商標登録し、2010年に夏用のポチ袋を作って郵便局で販売した。これがきっかけとなって、徐々に全国に広まってきたようだ。
もちろん賛・否あり
SNSでは、家計をやりくりするお母さんから、「こんな習慣を広めるのはやめてほしい」という声も多い。
しかし、一方で、「夏休みの子どもが月のお小遣いだけではなかなか遊びに足りないので、臨時お小遣いとして祖父母などから贈られるのは嬉しい」という声もある。むき出しの現金を手渡されるより、風習にならってプレゼントする小遣いなら、あげる側のいやらしさももらう側の罪悪感も軽減されるように思う。
来年あたりは更に広がっているかもしれない「お盆玉」、この新しい風習をあなたはどう思うか?