日焼け止め選びは「SPF値」だけじゃダメ?美容のプロが紫外線シーズンの肌のお手入れポイントを指南

2019/03/15
マガジンサミット編集部

春になってポカポカ陽気になると、女性にとっての大敵である「紫外線」が気になり始めます。パシフィックコミュニケーションズは資生堂ジャパンの協力の下、20歳~40歳の女性225人を対象にした「日焼け止め」に関する調査を実施。多くの人がパッケージの「SPF」の値だけを見て購入してしまっていることが明らかになり、その問題点を専門家が解説しました。

同調査では、女性たちに「日焼け止めを選ぶ際に何を基準に選ぶか」と質問。その結果、選ぶ基準にしているのは「SPF(UV-B波のブロック力)の高さ」(79.6%)、「PA(UV-A波のブロック力)の高さ」(62.2%)、「汗や水への耐性の強さ」(57.8%)が上位となりました。

しかし、いざ購入するときには「おもにパッケージのSPFの値を見て決めてしまう気がする」と答えた人が約7割という結果に。多くの人が日焼け止めの知識を少なからず持ち、選ぶ基準はSPF、PA、耐水性など複数あるはずなのに、SPF値だけで日焼け止めを購入してしまっていることが明らかになりました。

最終的に手に取る際は、わかりやすいSPF値に注目する方が多いのが現実ですが、SPF値だけを見て判断するのでは不十分であると美容ジャーナリストの永富千晴さんは指摘します。日焼け止めの機能と正しい選び方、使い方について永富さんが解説してくれました。

紫外線は、波長の長さによってUV-A(紫外線A波)、UV-B(紫外線B波)、UV-C(紫外線C波)の3つに分けられます。UV-Cはオゾン層に吸収されるため、実際に私たちの肌に悪影響をもたらすのは、UV-AとUV-Bの2つです。波長が短くおもに肌の表皮に強く作用するUV-Bと異なり、UV-Aは波長が長く肌の奥の真皮にまで到達することがわかっています。

永富さんによると「UV-Aを浴びると肌の奥でも『酸化』が起き、さまざまなダメージが蓄積されて肌老化が進行していきます」とのこと。この紫外線を主とした太陽光線による老化を「光老化」と呼ぶそうです。

永富さんは「肌老化は加齢によるものは約2割で、残りの8割が紫外線ダメージによる光老化によるものといわれています。無防備に紫外線を浴びることで肌は弾力を失い、将来的にシワやたるみなどのリスクが高まります。見た目の印象を大きく左右する肌の悩みを引き起こしてしまうのです」と語っています。

紫外線をブロックするために大切になるのが日焼け止め。永富さんは「日焼け止め選びの最も大事なポイントは紫外線防御効果指標のSPFとPAの値です」と指摘し、続けて「特にSPFだけではなくPAのほうにも着目を。UV-Aを防ぐ効果を表す目安なので、この値が高いものを選ぶことが肌の中まで刺さる紫外線に起因する光老化を防ぐには不可欠だといえます」とPA値の重要性について解説しました。

PAとは「Protection Grade of UV-A」の略で、UV-Aを防ぐ効果を表しています。4段階の「+」マークで表示され、「+」の数が増えるにつれて、UV-Aに対する防御効果が高いことを表します。一方のSPFは「Sun Protection Factor」の略でUV-Bを防ぐ効果指数のこと。1~50+までの数値は、何も塗らない場合に比べてUV-Bによる炎症をどれぐらい長い時間防止できるかを表しており、数値が大きい方がUV-Bに対する防御効果が高いことを意味します。

SPFの高さだけでなく、「肌の中まで刺さる紫外線」を防ぐために「PA値」を意識することが大切のようです。

日焼け止めは「こまめに塗り直すこと」が重要だとご存知の方は多いですが、ムラなく塗るためにも汗や水などを都度軽く拭いてから塗る必要があるとのこと。その後必要に応じて塗りなおし、効果を保つために2,3時間おきに塗り直すのがオススメとのことです。

それでも日焼けしてしまったらどうしたらいいの?その疑問に永富さんは「日焼けは小さな炎症ともいえます。まずは肌表面の温度を下げることが、不快感を軽減するうえでも有効なので、冷蔵庫で冷やしたタオルや、私はマスクなどを冷蔵庫で冷やしておいて、ひきつりやほてりが静まってから、肌に貼って時間をおくようにしています。この際、マスクを貼る時間は10分以内に」と回答。

続けて「ダメージ対策としてはまず保湿が必要不可欠なので、自分の肌で刺激を感じない使い慣れた化粧水とクリームなどでたっぷり保湿してくださいね」とアドバイスしてくれました。

日焼け止め選びの基準やケア方法を見直して、これからの紫外線量の多い季節を乗り切りましょう!

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