“食べ残し”の新たな活躍の場。バイオ燃料でエコを愉しむ!

2016/02/21
放送作家 石橋アキ江

『エコ』が世界中で注目を集める中、電気で走る車の次は水素で走る車、そして今、『生ゴミ』で走る車が登場!!食べ残しは今まで、家畜のエサになるか、微生物分解の後に畑などの堆肥として使われるぐらいでしたが、なんと電気同様、マシーンを動かす原料となると言うのだから驚きですよね。

 

今回は、そんな『生ごみ』を原料として動くマシーンを2つご紹介しましょう。

 

1.生ごみで走る車

名古屋大学で、生協の学食から出る生ゴミを原料にした『分散型バイオメタンエネルギーシステム』なるものを開発。14キログラムの生ごみで40キロメートル走行可能することが可能だそうです。

 

今後は『分散型バイオメタンエネルギーシステム』を普通車に内蔵できるくらい小さくしたり、もっと少量の生ゴミで沢山のバイオメタンを発生できるようにしていくなど、さらに身近なものにしたいと研究は続いています。

(参照 http://www.gizmodo.jp/2012/08/post_10796.html)

 

ゴミを燃料にして動く車といえば、リサイクル会社の『日本環境設計』と『ユニバーサルスタジオジャパン』とがコラボレーションした“古着を燃料として動く”『デロリアン』も話題になりましたね。

『デロリアン』は、あの名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のタイムマシーン。劇中では、バナナの皮などを燃料にして動くシーンがありましたが、本当に“ゴミ”で動く時代が来るとは!

(2015年10月21日 朝日新聞http://www.asahi.com/articles/ASHBP327SHBPUHBI00Y.html)

 

 

開発した会社の社長さんは、古着の大半が廃棄されている事実を知り「捨てるのはもったいない。何か作れないものか」と、古着から環境に優しいバイオエタノール燃料の開発に取り組みました。試行錯誤を続けたその結果、古着を糖に分解させ発酵させることで燃料に使えるバイオエタノールの生成技術を確立。人間の「やるぞ!」と言う思いって、凄いものを生み出すんですね。

 

 

2.生ごみでコーヒーが飲める?

奥州三名湯に数えられている、宮城県大崎市にある鳴子温泉。

ここにあるカフェ『エネカフェ メタン』でも生ごみが大活躍しています。

手がけたのは『東北大学大学院農学研究科、東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト』の皆さん。

 

温泉熱を利用し、店に隣接した『メタン発酵装置』に生ゴミからバイオマスエネルギーを発生させるのです。このカフェでは、およそ120gの生ゴミからカップ1杯分のお湯を沸かすことができるのだそうです。

 

またここ『エネカフェ メタン』には、お金の代わりにお弁当箱に入るくらいの生ごみを持っていくと、無料でお茶が飲めるという面白いシステムがあるのです。カフェの近くに住む人は勿論、周辺にある旅館の宿泊者も食べ残しをカフェへ持ち込み、無料でお茶を飲みながらエコに貢献していると実感して喜んでいるのだそうです。

(参照 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2014/06/press20140625-01.html)

 

生ごみを“捨てる不要物”から“役に立つ品”に変換する発想は凄いですよね。物の見方、考え方を、ほんのちょっと変えてみるだけで大きな利益を生む時代。あなたの周りにも不要だからって簡単に手放しているけど、大きく化ける物が眠っているかもしれませんよ。地球にやさしいだけでなく、何かを生み出す喜びを与えてくれる“エコ”って素敵ですよね。

 

1073296
創 省 蓄エネルギー時報 No.72
 エネルギージャーナル社

 

 

< 取材・文 / 石橋アキ江 >

 

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放送作家 石橋アキ江
この記事を書いた人

放送作家 石橋アキ江

"テレビ番組、ラジオ番組の構成や脚本を執筆中。 中学校教員として十年以上の経験から、現場で悩みを抱える多くの人達に人生は楽しいものだと思ってもらえる作品を提供したいと日々模索中。参加作品「神秘に触れる夜」「ADVANCE EARTH」「携帯恋愛アプリMYNAME」など。"

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