一部のオカルトファンの間で「魔の3Days」とも呼ばれる3日間が近づいているとザワザワしている。その3日間とは「8月31日・9月1日・9月2日」。実は、この3日間で特に10代の自殺者が異常に多いというのだ。1972年~2013年の42年間において、児童・生徒の自殺者1万8048人を対象に、その行為に至った日付を調べた方がいた。すると、こんなデータが出た。
8月下旬から徐々に自殺者数が異常に増え、ついには一日50人を超える。
そして、魔の3Daysは・・・
8月31日(夏休み最終日)92人
9月1日(一般的な二学期初日)131人
9月2日 94人
専門家の分析によれば、様々な要因が考えられるという。
「イジメ」
長い夏休みが終わり、二学期が始まると、また学校でイジメに合うことになるため。徐々に不安感が募り、学校が始まる前に自殺してしまう。または、二学期が始まり久々に学校へ行くとイジメっ子と顔を合わせて先行きを悲観。
「成績不振、学校嫌い」
自分は勉強ができない、成績が悪いとまた怒られる。学校に行くより家でゲームなどしていたい。
その他にもいろいろあるだろうが、こういった不安要素から、これから始まる長い二学期を嫌々学校に通うと考えるとたまらなくなり、思い悩んで自ら命を断つのではないか。
サインを見逃さないで
原因はともあれ、二学期を前に子どもの様子には注意しておきたいもの。子どもの自殺には、いくつかサインがあると言われている。8月の中盤から後半に、このような雰囲気に気付いたら気をつけたほうがいいそうだ。
夏休みの宿題をかなり残している
体調が優れなくなることが増える。気力がない
夜寝られず、昼間に寝ている
部屋に閉じこもりがち
ため息が多い、涙を流したりもする
夏バテかな? 夏休みが終わるのが残念なだけかな? と思うのが普通だろうが、何かに悩んでいる可能性もある。子どもの行動を観察して、どういう気持なのかを考えてみることが大切。思い過ごしに越したことはないが、”うちの子に限って”と軽んじるのは一番危険だという。
学校の怪談「イジメ裁判」
ここからはオカルトなので信じるか信じないかはあなたしだい。
実は、「8月31日、9月1日、9月2日、魔の3Daysに学校へ行くと霊に遭いやすい」という噂がある。その発端とも言われるのが、こんなエピソードだ。聞き伝えだがここにまとめた。これは、◯県△市にある公立小学校での出来事だという。
8月31日、二学期が始まる前日
明日からに備えて学校を訪れる先生もいる。20代で若い男性教諭のA先生は、夕暮れも過ぎ薄暗くなった時間に、3階の、ある教室の前を通りかかった。すると、ぽつんと一人、席に座っている男子児童を見かけた。驚いた先生は声をかけた。
「キミ、二学期は明日からだよ。どうしたの?」
すると男の子は「はい。でも僕、もうこの学校に来れないかもしれないから…」
先生はそのクラスの担任ではなかったが、もちろん顔は知っていた。
「そうなの? とにかく、もう暗いから帰らないとお家の人が心配するよ」
「はい、先生さようなら」
といって、その子は教室を出ていった。きっと急に転校が決まって忘れ物でも取りに来たんだろう、そう思った。
9月1日、二学期初日
職員室が慌ただしい。学校の男子児童が自宅で首を吊って自殺したという。そして、その児童の名前を聞いて驚いた。M田君。昨日、教室で見かけた子だ。A先生は「昨日学校に来てましたよ」と、一部始終を話した。しかし、こんな情報が入る。親が言うには「昨日は一歩も外に出ず部屋にいた」。
そんなバカな!? きっと抜け出して学校に来たに違いない。
・・・いや、でも、疑問が残った。じゃあ彼は何をしに学校へ来たのか? 命を絶つ前に学校を名残惜しんだのか?
自殺したM田君は、活発なタイプでもなく、かといって暗いタイプでもなく、成績も悪いわけではない。良くも悪くも普通の子だったという。普通すぎて逆に彼の変化に気づいてあげられなかったのかと担任の女性教諭K先生は悔やんでいた。ただ、夏休み中の出来事だから止めようがなかったとも言える。
その日、子どもたちの動揺が激しく、学校は終始騒然とした。いろいろな対応に追われ、気がつくと陽はとっぷりと暮れていた。さあ、帰ろうかと荷物をまとめていると職員室に血相を変えてK先生が飛び込んできた。
「A先生、ちょ、ちょっと来て下さい」
教室に行ってみると“なんだこれは?”という光景が。亡くなったM田君の席を囲んで数脚のイスが円を描くように配置されていた。K先生は、その机に花を供えようと教室に入ったらこんな形になっていたという。
「誰かのいたずらでしょう」と言うと、その先生は「有り得ない」と震え出した。
K先生は、お昼にクラス全員を帰したあと用心のため教室の戸に鍵をかけた。だから人が入ることは絶対に不可能だという。じゃあなぜ、誰がこんなことを?とにかくこの事は口外せず忘れてしまおうと話した。
9月2日
朝の地元新聞に自殺の一件が載っていた。遺言などは見つかっていないが“イジメの可能性も”という取材記事もあった。イジメの事実関係は、教職員内では把握できておらず、担任のK先生を中心に調査することとなった。通年なら2学期2日目から授業がスタートするが、児童の心的外傷も加味し昼には下校させた。
マスコミや児童の親からの問い合わせといった電話に対応すべく、A先生ら数人が夜まで残ることに。20時を過ぎると落ち着いてきたため、最後に校内を見回りして帰りましょう、となった。
A先生は、昨日の秘密も考慮して3階の一番端にある例の教室の方面へ行くと志願した。「度胸あるね」と冷やかされたが、もちろん内心は行きたくなかった。
3階まで階段を上がり一歩一歩教室に近づくにつれ、なぜか忍び足になっていた、妙な気配がしたからだ。その気配は当たる。耳を澄ますと、人の声が聞こえてきた。子どもの声だ。
「8時だぞ。ウソだろ?」
A先生は、持っていた懐中電灯を消し、そろそろと近づいて窓から教室を覗いてみた。
「な、なにやってんだ!?」
思わず声を上げそうになった。月明かりに照らされた教室内に数人の子どもの姿があったのだ。しかも、亡くなったM田君の机を囲むように4人いる。昨日も同じことをやっていたというのか? 中には女子も一人いたが、どうもこの学校では見かけない感じがした。ただ、その中に亡くなったM田君の姿がなくてホッとした。あったらオバケ確定だからだ。
一人の男子が黒板の前に立ち、全員で何やら議論を交わしているようだった。耳を澄まし、聞き取れた内容はこんな感じだ。
「ボク、3年前」
「ワタシ、去年」
「そいつまだ生きてんの?」
「受験失敗させた」
「親の会社倒産させた」
「この子、呪ってもいいですか?」
「判決、死刑!」
~拍手~
見ていたのは1分くらいだろうか。
『裁判か?』
何を話しているんだこの子らは!? 悪ふざけにしてもこれはイカンと思い、A先生はしゃがんだまま扉を開けようと引き戸に手をかけた。すると、一瞬早く上から子どもの手が伸びてガラガラッと戸を開けた。そして頭の上から子どもの声が。
「先生来た!」
即座に振り向いた4人は、こっちを見て窓の外へ逃げて行った。「おいおい3階だぞ!」という異常な光景を気にしつつも、A先生は、上から戸を開けた主を見ようと咄嗟に上を向いた。
M田君が見下ろしていた ――――― 。
A先生は、気がつくと職員室にあるソファーに寝かされていた。他の先生が、倒れているのを見つけて運んだそうだ。信じてくれないと思いつつ何があったのか全てを話した。すると、意外にもベテランの男性教諭がこんなことを打ち明けた。
全国的に夏休み終盤から9月初旬にかけて子どもの自殺件数が異常に多いと聞いた。
以前赴任していた学校で、用務員さんが毎年のようにこの時期、おかしな現象を体験する。
もしかしたら、自殺した子供の霊が学校をさまようのかも・・・
「まぁ、私はそういうの信じませんけどね」ベテラン教諭は言った。その後、全員であの教室へ行き、イスや机を元通りにして帰った。
翌日
あの教室の朝礼で・・・
一人の児童が「このイス、オレのじゃない」と言い出した。小学校のイスはいくつかサイズがあるものだ。昨夜の出来事は誰も知らない、先生達が空いている場所に適当にイスをしまったからだろう。
その児童が背もたれ側に回ってヒョイとイスを持ち上げると、誰かが言った。
「なに、その矢印?」
イスの座板の裏側に赤いマジックで矢印「↑」と書かれてあった。すると、自分は? とみんなイスの裏を見出した。何人かのイスの裏側に、上下・左右の矢印がある。そんな中で、誰かがM田君のイスを裏返してみた。「◯」丸い円が描いてあった。
「なぁ、ここがスタートじゃねえの?」
みんなちょっと引いた。数人のイスをそもそも在った場所に戻すと、M田君の席から矢印が後ろに伸びていき、何度か折れ曲がって、W君という男子の所で途絶えた。でも、W君のイスの裏には何も描かれてない。
「なんだこれ?」「誰が書いたの?」「いつ書いたの?」
気味悪かった。変な空気が流れた。隣の子が、もう一度確認しようとイスの裏を覗いた。すると・・・
「うわ! なんだこれ!」
と腰を抜かした。指を差したのはイスではなく、机の裏側だった。ワッとみんなが集まり、K先生が机の裏が見えるように倒してみた。全員絶句した。
そこには、赤いマジックで
「シケイ」
と書いてあった。
あとになってわかったが、M田君はイジメに合っていたそうだ。最も陰湿に嫌がらせをしていたのがW君だったらしい。ただ、夏休みは顔も合わせていなかった事、遺言めいたものも残していない事などから、自殺の原因が直接イジメだったか一概には言えないと判断された。赤マジックで書かれた矢印もシケイの文字もいたずらと判断された。でも、みんなが思った。誰がそんなイタズラを仕組むのか?死ぬ前にM田君がやったのか?じゃなかったら誰が何のために?!謎だけが残った。
しかし、A先生だけは誰にも言えないでいる事実がひとつあった。9月2日の夜、扉を開けた、この世にいないはずのM田君が、手に極太の赤マジックペンを持っていたことを。
あくまで推測だが、あの教室に集まっていたのは、過去にイジメを苦に自殺した子どもたちだろう。そして、イジメから逃れるべく命を絶った新しい仲間を交え、憎いアイツをどう懲らしめるか話し合っていたのではないか? そんな「イジメ裁判」を開いていたのかもしれない。本当に刑が執行されたかはわからないが・・・。
今年も「魔の3Days」がやってくる。もしかしたら、どこかの学校のどこかの教室に夜な夜な生気のない子どもが集まるかもしれない。憎きイジメっ子をどう懲らしめるかという裁判のため。
今、誰かをイジメているおまえ、裁判で判決が下されるようになっても知らないからな。