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— ももりこぶたZ (@momorikobuta517) 2018年1月21日
2018年1月21日「ももいろクローバーZ 2018 OPENING ~新しい青空へ~」幕張メッセライブでメンバーの有安杏果がグループ卒業、そして芸能界を引退した。衝撃の発表から、わずか一週間での出来事。ファンからすると、嵐が突然やってきて心の整理もつかないまま過ぎ去ったといっていいだろう。それでもライブの最後は、メンバーも、そしてモノノフも、涙まじりの笑顔で有安の卒業を祝福し盛大に見送った。
やりきれない気持ちの人も多いだろう、杏果がいないももクロに魅力を感じなくなり、モノノフを卒業する人もいるだろう。今頃”杏果ロス”で沈んでいる人も多いだろう。今回が、ももクロとモノノフが一緒に歩んできた8年間の”笑顔の道”に生じた最大の落とし穴だ。
4人になったももクロ、何が変わる?
ここからは考察である。まず、4人になって最大のリスクは「歌唱力」だろう。
ももクロで一番の歌唱力を誇っていたのは有安であった。ももクロの楽曲は150曲を超えるが、聴かせどころ、難しいパートとされる部分の多くを有安が担っていた。
過去に2度、「担当カラー交換ライブ」という企画を行ったことがある。これは、5人シャッフルして自分以外のメンバーの歌パートとダンスを担当するというユニークな企画だが、4人は口を揃えて「有安の担当はイヤ!」と言った。それほど、有安が歌うパートはハードルが高くプレッシャーがかかることを証明するエピソードだった。
つまり今後は、そんな杏果パートを4人で割り振って歌わなければならない。ももクロは、激しいダンスをしながら口パクではなく全て生で歌う・・・もう一度言う
“ももクロは、生声で歌っているのだ”
今後は更なる歌唱レベルのアップと、ダンスをしながら歌う体力作りもかなり必要になるだろう。また5人から4人へのダンスフォーメーションも変わる。これらをイチから立て直す作業はかなり骨が折れる。
歌えない曲も
ももクロには、誰かがメインとなって歌う曲も多い。そして、自分たちももクロのことを歌った曲もある。つまり4人では二度と歌えない曲や、杏果の印象が強くて歌いにくい曲が浮かぶわけだ。仕方ないとはいえモノノフはこれが残念だ。
「Z伝説 ~終わりなき革命~」・・・おそらく二度と歌えない
「行くぜ! 怪盗少女!」
「スターダストセレナーデ」
「ももクロのニッポン万歳!」
「words of the mind」
「5the POWER」
「モノクロデッサン」
「ゴリラパンチ」
~などは難しいかもしれない。
特に「行くぜ!怪盗少女!」は、“百田夏菜子のえびぞりジャンプ”という、ももクロ名物の見せ場があり、特に年越しのカウントダウンライブでは、えびぞりジャンプの瞬間に新年を迎えるのが恒例になっている。歌詞の冒頭で5人の名前が登場するので、これを4人に変える必要がある。
新たなるステージに突入
4人になったももクロ、これは試練であるに違いない。乗り越えなければならないハードルになったわけだが、ただ、ももクロ10年の歴史をプレイバックすると、何度かターニングポイントを迎えている。
大まかに区切ってみると、今回ももクロは「第4ステージ」に突入した、と考える。
第1ステージ「2008年デビューから2011年早見あかり(現・女優)脱退まで」
俳優事務所のスターダストプロモーションが初めてアイドル業を企て、2008年「ももいろクローバー」が産声を上げる。幾度かのメンバー入れ替えや増減があって、高城れに、百田夏菜子、玉井詩織、早見あかり、佐々木彩夏、有安杏果の6人に落ち着く。路上ライブや全国を車で回るドサ回りキャンペーンなどしながらファンを獲得し、インディーズデビューを果たす。
アイドルファンレベルで人気が高まり、さあこれから! という時、2011年の中野サンプラザライブを最後に早見あかりが脱退。そして、メンバーに知らされず「ももいろクローバーZ」に改名されて一悶着(笑)。
第2ステージ「2014年、国立競技場ライブまで」
5人で新体制を組み、いっそう意欲的に様々なイベントへ出向きパフォーマンスを披露、ライブ数を重ねて経験を積んだ。そして5人のひたむきな姿と、裏方の奇抜な演出展開が話題となって、雪だるま式にファンを獲得。2012年夏には初のドーム球場ライブ(西武ドーム)が実現し3万7千人を集めるまで成長。目標だった紅白歌合戦にも出場を果たした。ここから人気は更に加速した。
第3ステージ「国立競技場ライブから、2018年1月有安杏果卒業まで」。
数々のアリーナ、ドームコンサートを満員にし、2014年に新たな目標としていた国立競技場ライブ開催が決定する。この時、マスコミや、モノノフからも「これ以上大きなコンサート会場がない。目標を達成して、次は何を目標にするのか?」と真価が問われた。しかし、リーダー百田夏菜子が国立の聖火台の前で、最後に名言を放つ
「私たちは、“みんなに笑顔を届ける”という意味で天下を取りたい」
ももクロの目標は「みんなに笑顔を届けること」、そこにライブ会場の大小は関係ない。これが永遠に続くももクロのコンセプトとなり、定着する。
その後、映画、舞台にも挑戦した。全国ドームツアーも成功させた。ソロコンサートも行った。それぞれが芸能のスキルアップを確実に果たしてきた。
あくなき挑戦を続けるももクロは、2018年に結成10周年を迎える。「絶対に仰天の仕掛けがあるに違いない」と、モノノフもマスコミもドキドキしていたはず。それがまさか“有安杏果卒業・ももクロ4人”という、誰も求めていないマジなヤツがいきなりくるとは。
有安の決断…
有安杏果の気持ちを考えてみた。なぜ今だったのか?
ももクロは「今までの女性アイドルにない、ずっと同じ5人でももクロを続けて行きたい」と度々口にしていて、モノノフはそれを信じて疑わなかった。でも、時とともに人の思考は変わる。
多くのモノノフは理解を示した。でも中には「辞めるなんてひどい」「ファンを裏切った」「自分勝手」という、辛辣な言葉もあったのは事実だ。心底にある本音は皆そうだろう。
でも、決して有安も自分勝手なワガママで、ももクロを辞めたんじゃないと思う。振り返ってみて欲しい、有安が喉の不調で声が出せなくなった時も、インフルエンザになった時もメンバーがフォローしてくれた、モノノフみんなが気遣った。その感謝を忘れる人じゃない。人一倍周囲に気を使い、真面目で努力家と皆が認める、そんな有安杏果が、なぜ今、このタイミングで、バッシングをも覚悟でももクロ卒業を決断できたのか? おそらく有安は・・・
「私がいなくても、ももクロは大丈夫」
と確信を持ったからに違いない。
おこがましくて有安は絶対にそんなことを口にしないはず。でも胸の内にこの確信がなければ、皆を置き去りに辞めるなんて言うわけがない。
本人も言っていたが、大学で普通の生活を過ごす同年代の友だちを見て、その感覚が羨ましくなった。
推測だが、辞めるなら早めに、さもすると去年の大学卒業と同時くらいを考えていたかもしれない。
しかし、たぶん去年は、自分を含め皆の個人活動が活発だっので言えなかった。ただ、全国ツアーで多くのファンに5人の姿を見て貰える機会も多かった。そして例年になく5人一緒の時間が多かったはずだ。
そして、思い残すことはない、と10周年のお祝いムードが高まる前に身を引いた。このタイミングしかなかったのだろう。これが有安の優しさだったかもしれない。
ももいろクローバーZ 新たなる伝説
21日のライブ、両手いっぱいに花束を抱えた有安がステージから姿を消した瞬間から、ももクロは4人グループとなった。
そして「あの空へ向かって」を4人で披露した。杏果パートは割り振られ、新フォーメーションで踊った。
更に、5月23日(水)ももクロがまだ一度も行っていなかった東京ドームで「10周年アニバーサリーライブ」が決定と発表された。
ももクロスタッフはさすがだ、有安が消えて沈んだムードを一転、新生ももクロの挑戦に鉾先を向け、前を向いて突き進む道と妙味を示して見せた。
ただ、東京ドームの前には、4月21日(土)、22日(日)滋賀県東近江市・布引運動公園陸上競技場で開催される「春の一大事 2018」という大イベントが待っている。第1ステップはここなのだ。
4人になったももクロのビジョンが見えない人も多いはず。しかし、モノノフよ期待しよう、ももクロはきっと更にパワーアップすると。
21日のライブの最後に、メンバーが有安にかけた言葉
佐々木彩夏
「杏果が“辞めなきゃ良かったな”と思えるくらい。一人いなくなったももクロと言われないようにがんばる」。
そう、そのうち「ももクロって5人組だったの?」と驚かれるくらいにならなきゃダメなんだ。
玉井詩織
「杏果が得意のネットサーフィンをしなくても私たちが何をしているかわかるように、見守ってもらえるようにがんばります」
ももクロももクロってうるさいよ、くらいにメディアを賑わせないと。
百田夏菜子が言い放った
「4人でも沢山の人に笑顔を届けられるようなグループになる。私たちにはその覚悟がある」
苦心してトップアイドルまで駆け上がり、10年という節目を迎えさらなる飛躍をと意気込むはずだった。それが一転、突如としてグループは岐路に立たつことに。
まだ20代の若い女の子4人が、「覚悟」という言葉を使って決意を表したんだ。
聞いたかモノノフよ、心が震えなかったかモノノフよ、この覚悟に加勢しなくてどうする?!
最後に高城れにが叫んだ
「ずっとついて来い!」
応えよう。
さあ一緒に昇ろう、追いかけよう、ついて行こう、連れて行いこう、連れて行ってもらおう、ももクロとモノノフの、新しいステージとあの空の向こうへ。
ももいろクローバーZの新しい伝説の幕が上がる。