and Vetが体現する「どうぶつに関わる人が幸せになる」仕組み

2026/08/13
マガジンサミット編集部

2021年の創業以来、動物病院グループの経営を軸に、動物取扱業事業者向けの往診、全国の教育機関と連携した愛玩動物看護師の教育支援、トリミングサロンの運営、動物用医薬品卸など、多角的な事業を展開する株式会社and Vet。各領域を横断するシナジーによって獣医療の質を高め、「どうぶつに関わる人が真っ先に思いつく会社へ」というビジョンを掲げる代表の安岡恵斗氏に、その実現に向けた熱い思いを聞いた。

臨床経験から起業へ。どうぶつに関わる人を支えるための事業展開

私たちは現在、動物病院グループやトリミングサロンの運営から、ブリーダーやペットショップ向けの往診サービス、獣医療従事者向けの人材紹介業、愛玩動物看護師国家試験対策模試・アプリケーションの展開、教材出版、動物用医薬品卸事業まで、多角的な事業を展開しています。

そもそも私が獣医師を志したのは、「動物が好き」というシンプルな思いからでした。しかし、実際に臨床経験を重ねるなかで、ある違和感に直面することになります。

真面目に勉強を重ねているのにスポットライトが当たらない同僚がいる一方で、まだ1年目だった私は喋りの上手さで飼い主様からの人気を得ていたのです。「このまま口上手な自分が人気になっても、結果的に動物のためにならないのではないか」と思うようになりました。さらに、低い賃金水準や、寿命の短い動物たちの死に直面する精神的負荷など、現場が疲弊している現実を目の当たりにしました。

“人間よりも命の終わりに向き合う機会が多い獣医師は自殺率が高い”という調査結果もありますが、「動物を守る人たちが自らの心を病む業界に未来はない」という強い危機感を抱いたことが、起業の原点です。

大好きな動物を守るこの業界に「笑顔と活力」を取り戻したい――社名の「and Vet」には、獣医(Veterinary)に何かを掛け合わせる「〇〇×獣医」という革新で、新たな価値を創造したいという決意が込められています。

自社から変える。分離経営とチーム医療、未来を担う人材への投資

多くの動物病院は少人数制で運営されており、診療業務に加えて事務作業が現場を圧迫するなか、日進月歩の医療を学び続けることは簡単ではありません。そこで私たちの病院では、「経営と臨床の分離」に取り組みました。院長や獣医師は目の前の臨床に集中でき、経営陣は飼い主様のニーズを追求できる。この役割分担により、現場の負担を抑えています。

診療体制においては「チーム医療」を導入しました。動物医療は人間のように科目が分かれておらず、あらゆる動物のあらゆる症状を診なければなりません。しかし、獣医師一人で最新の技術をすべて網羅し、アップデートし続けることには限界があります。そこで、複数の獣医師や外部の専門医を交えたチーム体制にすることで、互いに知見を共有し合い、高め合える環境を実現しました。一人の獣医師に負担が集中することなく、結果的に質の高い医療を提供できています。

また、「どうぶつを守る人を守る」という観点から、未来の獣医療業界を担う学生たちの支援も行っています。国家資格化された愛玩動物看護師を目指す人々に向けて、全国の大学・専門学校へ統一模試を提供するほか、国家試験対策アプリケーション『どうぶつ看護ポータル』の運営や、教材の出版などを手がけています。教育への投資により、愛玩動物看護師の専門性を高め、業界全体の視座を引き上げることが私たちの狙いです。

三方よしの医療グループづくり。獣医療業界の課題解決で社会貢献

今後5年で10病院体制を目指し、事業拡大を進めています。この成長戦略のベースには、「適切なタイミングで、適切な場所に病院を展開し、正しい環境と正しい教育で三方よしの医療グループをつくる」という考え方があります。働く仲間、飼い主様と動物、地域社会――全員が幸せになれる環境を作っていきたいのです。

病院のグループ化は、医薬品の仕入れコストを抑え、飼い主様の金銭的な負担軽減へと還元されます。各事業のシナジーにより、地域の獣医療インフラが守られる――私たちの経営の根底にあるのは、「獣医療業界の課題解決そのものが社会貢献である」という思想です。

近年、動物そのものにスポットを当てたサービスが増えている一方で、動物のために働く人々の就労環境にはまだまだ課題が残されています。私たちの正しい環境づくりが、周囲の病院にとって良い刺激となれば、結果として業界全体がより良く変わっていくはずです。私と同じように「動物が好き」という思いでこの業界に飛び込んだ人たちが、疲弊しながら働くのではなく、自らのやりがいと命を救うことに直結する環境を整えていきます。

その先にあるのが、「どうぶつに関わる人が真っ先に思いつく会社へ」というビジョンです。大都市でも地方都市でも、全国どこでも質の高い獣医療が受けられ、働く仲間も、飼い主様も、動物も全員が安心できる世界を、一歩ずつ創り出してまいります。

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