
現代社会におけるリモートワークの定着やオンライン会議の増加は、人々のコミュニケーション様式を大きく変えた。画面に映る自分の顔と向き合う機会が増えたことで、無表情による顔の衰え、いわゆる「表情筋フリーズ」に悩むビジネスパーソンが増えている。この切実な課題に対し、オーラルケアのリーディングカンパニーであるライオン株式会社が、全く新しいアプローチを提示した。同社が開発した口内美容機器がもたらすビジネスの本質に迫る。
画面に映る自分の顔にハッとしたら。
ビジネスにおけるオンラインコミュニケーションの定着に伴い、対面での面会やイベントが活発化する現在、多くの有職者が新たな壁に直面している。それは、パソコンやスマートフォンの画面を長時間凝視するデスクワークによって、顔の筋肉が全く使われないまま衰えていく「表情筋フリーズ」という現象だ。
ライオンの調査によると、約7割の有職者が「表情筋が固まっている」という自覚を持つ一方で、実際にケアを実践している人はわずか8%弱にとどまっている。この乖離は、生活者が課題を感じつつも適切な解決策を見出せていない現状を示している。
この手付かずの領域に対し、これまで美容への関心が比較的薄かった男性層やビジネスパーソンからも、顔の印象を改善したいという切実なニーズが顕在化し始めた。画面に映る自分の口角の下がり具合に直面したことが契機となっている。身体の筋肉をジムで論理的に鍛えるように、顔の筋肉もシステマチックにケアしたいという要望は、従来の美容市場の固定観念を打破する新たな市場の広がりを象徴している。
顔の「外側」ではなく「口の中」からアプローチ

年齢に応じたエイジングケアを考える際、多くの生活者は化粧水や美容液による「肌の外側からのスキンケア」を第一に選択する。肌の表面に潤いを与えるケアは重要であるが、顔のたるみや印象の衰えは、皮膚表面だけの問題ではない。豊かな表情を支える表情筋そのものを鍛え、ほぐすことが本質的な解決につながる。しかし、従来の顔のマッサージや体操には、デリケートな肌表面に過度な摩擦や刺激を与え、かえってシワやシミの原因を作ってしまうというトレードオフの課題が存在していた。
そこで、100年以上にわたり口の健康に向き合ってきた同社は、独自の口腔研究の知見から「口内(内側)からアプローチする」という逆転の発想に辿り着いた。表情筋は、口の中からのほうが物理的な距離が極めて近い。口内粘膜のすぐ隣に位置する筋肉へ直接アプローチすることで、分厚い皮膚や脂肪に阻まれることなく、狙った箇所へ的確に刺激を届けることが可能になる。さらに、ラップ1枚分の厚みしかない角質層に触れないため、摩擦による肌への負担を完全に排除できるという合理的な差別化要因を実現した。
「習慣化研究」の知見がもたらすストレスフリーな生活インフラ化への挑戦

優れた美容アプローチであっても、継続できなければ意味を持たない。従来の美顔器市場における最大のボトルネックは、専用ジェルの塗布や後片付けの煩わしさ、収納してしまうと取り出すのが億劫になるという「継続のハードルの高さ」であった。ライオンはこの課題を解決するため、長年にわたり日本中に「1日2回の歯磨き」や「帰宅時の手洗い」といった習慣を定着させてきた「習慣化研究」のビジネスロジックを製品設計にフルに投入した。
開発された口内美顔器「inquto」は、生活動線に自然と溶け込むスタイリッシュな充電式台座を採用し、専用ジェル不要のワンボタン設計や、1日1回4分で完了する手軽さを追求している。さらに防水仕様によって入浴時の「ながらケア」も可能にし、忙しいビジネスパーソンがストレスなく日常のルーティンに組み込める工夫を凝らした。いつもの歯磨きと同じ導線上に製品を配置するという、生活に寄り添った行動デザインが、挫折のない美容の習慣化を可能にした。
人生100年時代において、食べる、話す、笑うといった行為の中心にある「口」は、美しさと健康の可能性を秘めた領域だ。ライオンが提案する口内からの表情筋ケアは、年齢や性別の壁を越え、誰もが自らの笑顔に自信を持つための新たなライフスタイルを提示している。歯磨き後のわずか4分間の新習慣が、現代人のこわばった表情を解きほぐし、豊かなコミュニケーション社会を支える基盤となるだろう。

■取材協力:
ライオン株式会社
マーケティングデザインセンター ビジネスインキュベーション室 室長
松井 茜
inquto(インキュット)
https://www.lion.co.jp/ja/products/615
inquto(インキュット)オンラインショップ
https://item.rakuten.co.jp/lion-official/6496-00/






