65%OFFのAmazon CloudFrontを使った、廉価で使い易いMulti-CDN環境を伊藤忠テクノソリューションズが提供開始!

2021/11/02
マガジンサミット編集部

近年、スマホでもサクサクとWebサイトを見られるようになりましたが、チケット予約が殺到するときなどには、一時的にWebサイトにアクセスしにくい状況になることも。

それを対策するのが「CDN」と呼ばれる仕組みです。現在、多くの企業で導入が進んでおり、Webコンテンツが快適かつ安定的に閲覧できるようになっています。

一方で、ここ1~2年の間、ECサイトやスマホゲーム・SNSサービスが停止するような障害が急増しており、原因のひとつにCDN障害が挙げられています。これを解消するために、CDNを複数扱うことでネットワークへの負荷を分散する「Multi-CDN(マルチシーディーエヌ)」の注目が高まっています。

そこで今回は、CDNの一つである「Amazon CloudFront」を使ったMulti-CDN環境を2021年10月末より提供をはじめた、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)でAWSのエンジニアとして活躍するクラウド営業第1部 次世代事業開発課 主任千田智永さんに、CDNの概要やAmazon CloudFrontの強み、Multi-CDNの必要性、新たに提供するサービスについて伺いました。

CDNとは?

CDNとは「Content Delivery Network(コンテンツデリバリーネットワーク)」の頭文字を取ったものです。文字通り、Webコンテンツを利用するユーザーに対して、効率的かつ高速に配信する仕組みのことを指します。

――CDNとは具体的にどのようなものですか?

「インターネット上のデータのやりとりの問題を解消し、スムーズにコンテンツを表示させるのがCDNの役割の一つです。CDNという機能をサービスとして提供する会社がいくつかありますが、その会社の持っている装置が世界中に多ければ多いほど、データのやりとりがスムーズになります。CDNには、データのコピーのようなものが用意されているので、ユーザーがどこかのサーバーにアクセスしたとき、CDNという装置を通過していることが多いので、もしサーバーが一つ止まってしまったというときに、CDNでは『Aというサーバーは止まっているから、Bというサーバーに行ってくださいね』という切り替えができます。この切り替えサーバーがたくさんあればあるほど、サーバー停止などの確率が減るので、障害が防げるようになります」

――国内企業でCDNの利用が加速しているといわれますが、主にどのような業種や用途で利用されていますか?

「CDNは、様々な業種で利用されており、例えばECサイトや動画配信サービスサイトや多数の写真を販売しているサイト、会社のホームページなどで使われています。途中で重くなったり、動画が途切れたりするのを防ぐほか、サイズの大きい動画などになると、ダウンロードにすごく時間がかかってしまうことになります。そういったときに、CDNを利用していれば、世界中のいろんなところにコピーを分散させている形になるので、距離が近いところからダウンロードできるようになり、必然的にユーザーがダウンロードする時間が短くなります。CDNが入っている場合と、入ってない場合とを比べると、70~80%ほどダウンロード時間に差が出ることもあります」

AWSのCDN「Amazon CloudFront」の特徴と強み

CDNの中でも、国内トップシェアといわれているのが、Amazonのクラウドサービスプラットフォーム「AWS(Amazon Web Services)」のCDNサービスである「Amazon CloudFront」です。CTCは、Amazon CloudFrontの導入サービスも提供しています。

――Amazon CloudFrontの特徴と強みを教えてください。

「いくつか強みがありますが、主に3つと考えています。

一つは、『従量課金制』であること。従量課金とは、ガス料金とか電気料金と同じように、一か月間で使った分だけ料金を支払う仕組みです。従来、CDNサービスは『コミット型』と呼ばれる料金体系が一般的でした。コミット型とは、例えば『10TBの配信をコミット(約束)してくれたら、安くネットワークを提供しますよ』というものです。ところが、近年、Amazon CloudFrontを筆頭として、新興のCDNサービスが従量課金を打ち出してきました。1GB配信したら、これぐらいの費用がかかってくるという金額が設定されており、配信した分だけ費用を支払う、というものです。

コミット型ですと、大きなデータ配信量を計画していないと利用できなかったのですが、従量課金になってお手軽に試せるようになりました。Amazon CloudFrontは従量課金によってシェアを伸ばしているところもありますので、おそらく、それが1番の強みになっていると考えられます。

二つ目は、CDNの機能の一つである『パフォーマンスを上げる』というところです。アクセスが一時的に集中するという場合でも、パフォーマンスを上げることができます。これは、『ピーク時間を軽減させる』ということでもあります。Webサイトにアクセスが殺到してサーバーが落ちるということがありますが、そうしたケースでCDNを置くと、落ちなくなるという強みもあります。

三つ目は、グローバル規模の独自CDNネットワーク網があり、かつ、日々拡張されているということです。高い信頼性、低レイテンシー、高スループットのネットワーク接続を実現する『グローバルでの基盤』と『開発スピード』も強みの一つであると思っています。

CDNを原因とするシステム障害の原因とビジネスへの影響は?

――昨今、CDNを原因とするシステム障害が明るみになっていますが、ビジネスに対してどのような影響が考えられますか?

「例えばECサイトの利用中、お客さんがカートの中に商品入れたまま障害が起こってしまうと、別のところに行って買うなどしなければなりません。そうなると運営側は機会損失につながります。

また、世界で大規模なECが10分止まっただけで1,000億とか2,000億円といった規模の損害になります。また飛行機や病院の予約などが止まってしまうと、金額だけではない、社会的な影響というのは非常に大きくなります」

――CDNのシステム障害の予防策にはどのような方法が考えられるのでしょうか。

「CDNを利用しても、障害というのは起こってしまうものなので、Multi-CDN(マルチシーディーエヌ)というものが予防策の一つになります。これはCDNプロバイダーを一つにするのではなく、Amazon CloudFrontや他のCDNプロバイダーを複数並べておいて、一つCDNに障害が起きてしまったら、他のCDNに切り替えるといった制御ができるものです」

Multi-CDNについて

――Multi-CDNを入れると、複数のCDNと契約しなければならなくなり、費用が多くかかってきませんか?

「はい、かかります。Multi-CDNは、保険を複数、同時にかけるような考え方ですが、複数の保険会社に普通にお金払うと、全部にお金が発生してしまいます。Multi-CDNも、普段から複数のCDNプロバイダーに全額払っているとお金が莫大にかかってしまいます。そこで普段は、メインのCDNにお金を払っておき、他のCDNは、何か障害などが発生したときだけお金が発生する従量課金型のものにしておけば費用を抑えられます。ですから、なるべくお金がかからないような仕組みのMulti-CDNが必要です。弊社が今回提供するサービスは、そういったコストメリットがしっかり担保されるMulti-CDNになっています」

AWSのAmazon CloudFront、Multi-CDNの提供において、CTCが提供する支援とは?

――AWSのAmazon CloudFrontとMulti-CDNのセットを企業向けに提供するそうですが、企業に対して、どのような支援を提供していきますか?

「特にコスト面においてお客様に合った形で、実装面のご提案ができます。今回、Amazon CloudFrontをメインに出していますが、他のCDNプロバイダーさんのサービスも取り扱っていますので、普段はコミット型のサービスを使い、Amazon CloudFrontをバックアップという形で保険として持っておきましょうという設計や、その他にもコストが大幅に安く実装して導入できる方法をご提案できます。

実装面でのナレッジやノウハウを持っていますので、導入から設計、構築後は運用のところまで踏み込んでお客様の立場で支援をご提供します」

――Amazon CloudFront を導入するにあたり、CTCを選択するメリット・強みを教えてください。

「CTCは日本で10社しかない、『AWS プレミアコンサルティングパートナー』に認定されています。実績や導入企業数、付加価値となるサービスなどの指標をクリアした会社が選ばれるものです。

また、独自の調達ルートでAmazon CloudFrontを65%OFFでご提供できるようになったため、Amazon CloudFrontと他社のCDNサービスを組み合わせたMulti-CDNサービスを廉価に提供するプランをご用意しています。

――コロナ禍でDX化が急速に進みましたが、今後、Multi-CDNは普及していくでしょうか?

「DXが進むことで、今までアナログでやりとりされていたビジネス情報も、どんどんデータ化されてインターネット上を流れることになります。そうするとインターネットの中で目詰まりが起こりやすくなってきますので、今まで以上にネットの障害や起こるリスクも高まってきます。DXの時代に備えてMulti-CDNは必然になってくると思います」

すでにCDNは、欠かせない存在です。そうした中、複数のCDNに負荷を分散させるMulti-CDNは今、注目を集める仕組みといえます。

今回、CTCにより65%OffのAmazon CloudFrontを組み合わせたMulti-CDNサービスが廉価で提供されることにより、私たちが普段利用するWebコンテンツがより安定していくでしょう。

https://www.ctc-g.co.jp/solutions/cloud/solution/cdn/multi-cdn.html

この記事が気に入ったらいいね!しよう

マガジンサミット編集部
この記事を書いた人

マガジンサミット編集部

編集部のTwitterアカウントはこちら 【マガサミ編集部Twitter】 編集部のYoutubeアカウントはこちら 【マガサミYoutube】

マガジンサミット編集部が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop