GW明け、今日から仕事復帰の人が多いのではないでしょうか。タスクが膨らみがちですが、大切なのはまわりに上手にお願いして、抱え込みすぎないこと。今回は、仕事がスムーズになる頼み方のコツをご紹介します。
気を使いすぎす、要点をシンプルに
お願いしづらい気持ちが高じて、ついまわりくどい言い方をしてしまうという方は多いはず。ところが、「無理だったら良いのだけど……」「上司に頼まれたので代わりに伝えるんだけど……」などの言葉は、なかなか話が見えず、言われた方はイラッとしてしまいます。
お願いごとほど、シンプルに要点をまとめて伝えましょう。まずは、何をどうして欲しいのかを簡潔にすること。そこに、「なぜ」お願いしたいのかを加えることが大切です。まわりくどい言い方はNGですが、クッション言葉を使って相手への配慮を怠らないようにしましょう。
また、相手に依存した言い方をしないこともポイントです。「あなたが○○をしてくれると助かるのですが……」ではなく、「あなたに〇〇をお願いしたいのです」とはっきり伝えましょう。お互い忙しい中でのお願いごとだからこそ、冗長にならずに、かと言って失礼にもならないようにすることが大切です。
例)恐れ入りますが、以前お願いしていた〇〇の提出日を明後日に早めさせていただけないでしょうか。プレゼンの日程が変更になったためです。
「私」を主語に入れて伝えると伝わりやすくなる
お願いごとをする時のちょっとしたコツが「私」という主語を頭に入れること。こうすることで、自分の気持ちや意見がぐんと相手に伝わりやすくなります。一方で、「あなた」を主語にしてしまうと相手に責任を持たせる言い方になってしまうので注意が必要です。「なぜ、あなたはお願いしたことをやってくれないの?」と言われたら、誰だって頭にきてしまいますよね。前述の通り、お願いをする時には相手に依存した言い方にならないようにすることを念頭においておきましょう。
例)私はあなたにこれをお願いしたいと思っています。なぜかというと…
頼みづらいことは午後にお願いしよう
人間の心理状態は時間によっても変わるので、これをうまく活用してお願いをするのも手です。午前中はまだ頭がスッキリとしていて、集中して仕事に取り組んでいる方がほとんど。ところが午後になると、次第に頭の働きがにぶってきます。そして、作業の精度が下がりがちになる反面、感情や直感的な面が冴えてくるようになるのです。
もし言いづらいお願いごとや初対面の相手に頼むことがある場合は、気持ちが通じやすくなる午後にしてみると良いでしょう。じっくりと話しながら打ち解ければ、受け入れてもらいやすくなるはずです。
「ありがとう」の効果をあなどるべからず
しばしば言われることですが、感謝の気持ちを伝えることを忘れてはいけません。言われると嬉しい気持ちになるのはもちろんですが、「ありがとう」の言葉には催眠効果があると言われていて、お願いごとにも効果を発揮するためです。
「ありがとう」を言われると、人は3秒ほど催眠状態に入り、その間に言われたことを受け入れやすくなります。そのため、「今日はお話を聞いていただきありがとうございました。ところで先日の件なのですが……」といった具合に、「ありがとう」の後にお願いごとを続けると説得しやすくなります。3秒というと短い時間に思えますが、あらかじめ言うことを考えておけば大丈夫ですよ。
いかがでしたか? どうしてもお願いごとはしづらいものですが、自分の気持ちや意思を伝えることを基本として、上手にお願いしてみましょう。
(参考文献)
「アドラー流 たった1分で伝わる言い方」かんき出版
「絶対相手にNOと言わせない心理交渉術」オーエス出版社