「えっホントに!」「ウソでしょ!」「マジで騙された!」
ミステリー作品などで予想外の結末に驚かされたときというのはなんともいえない清々しさがある。期待を良い意味で裏切られたときの感覚はクセになるだろう。正直、こうした衝撃はドラマや小説でしか味わえないと思っていたが、じつは料理でも体験できるということをご存じだろうか。今回はまさかの食材を使って舌が騙されてしまう“もどき料理”をご紹介したい。
見た目も味も肉料理っぽいのに、肉料理じゃない?
“もどき料理”とは、簡単に言えば、見た目や味わいが本物そっくりな料理のこと。
ハンバーグだと思って食べていたら、じつは挽肉を使っていなかった。鶏の唐揚げだと思っていたら、じつは鶏肉を使っていなかったなどと、一般的に必要とされる食材を使わずに異なる食材でメニューを作るのが特徴だ。身近な料理でいえば、肉や魚を使わない「精進料理」や、超菜食主義者たちが食べる「ヴィ―ガン料理」がその代表だろう。
いつもの食卓にサプライズを演出できる
見た目も味も食感もまるでハンバーグ。なのに食べたら大豆だった……!
こんなドッキリ、なかなか経験できる機会はない。食べたほうとしては一瞬、戸惑うだろう。なにせ自分でハンバーグだと思って食べたはずなのに、なんとなくハンバーグでない感じがするのだから、自分の舌がおかしくなったようにも思える。そして種明かしされれば、意外過ぎる答えに驚き、思わず騙されたと笑ってしまう。“もどき料理”はある意味、食卓にちょっとしたサプライズを演出できる料理でもあるのだ。
高野豆腐、こんにゃく、おからなど食材はいたって普通
ここまで読むと、なんとなく馴染みがなさそうな食材を使っているイメージがあるが、じつはそうでもない。「高野豆腐」「こんにゃく」「おから」「車麩」「湯葉」……、どれもスーパーで比較的手に入れやすい物ばかりだ。調理の仕方だって料理をする人であれば、いつもの延長でできるものが多い。メニューは幅広く、某レシピ投稿サイトでは、じつに1,000以上ものレシピがあるからビックリする。
高カロリーな食事がやめられないときの代わりに
“もどき料理”は、宗教上の理由で食べられない人向けにできたものがほとんどだ。精進料理やヴィ―ガン料理でその手のレシピが多いのもそれが理由だ。だが、最近は、高カロリーの食事と代替できるとあってか、ダイエット志向の人からも注目度が高い。昨今の健康ブームも手伝って、女性誌などで紹介されることも増えてきている。
毎日の食卓にちょっと変化をつけたい、健康的な食事を心がけたい――。目的は人それぞれだが、そのクオリティの高さにビックリすることは間違いないだろう。いつもの料理にちょっと飽きてきたという人は、チャレンジしてみると意外に面白いかもしれない。