性病の一つ、【梅毒】が全国的に流行しているそうです。
先日、大阪府が今年の現状を報告しました。大阪は東京に次ぐ梅毒の流行地ですが、2018年に入って感染者数の累計は1,028人。これは1999年に現在の集計方法になって以降最多です。去年の感染者は845人だったので伸び率が高いことがわかります。もはや昔の病気ではありません。
国立感染症研究所によると、2012年頃から全国的に増加傾向にあり、2014年は1275例でしたが、衰えることなく去年は5053例に増えました。5000例を超えるのは44年ぶりだったそうです。
下は東京都のグラフです。
東京、大阪、そして福岡や札幌、愛知など、主要都市を中心に拡大しているとのこと。
梅毒は個別の感染経路の追跡が難しいそうで流行の原因は断定できていませんが、風俗店の利用者や女性従業員の感染が高いようです。年齢を見ると男性は20~50代、女性は半数が20代。男女比は2:1で男性が高いです。
妊婦さんは特に注意!
妊婦が梅毒に感染すると、奇形・流産・死産の原因となったり、先天性梅毒の赤ちゃんが生まれたりする可能性があります。胎児が胎盤を通して感染するリスクは60~80%にもなるそうです。
忘れた頃に出てくる症状
この報告にちょっとビビっているあなた。気になるのは「どういう症状が梅毒なのか?」でしょう。
実は、梅毒の感染症状が出てくるのは1~3ヶ月くらい経ってから。だから、自分の体に変化があっても梅毒とはなかなか思わないかもしれません。
では、梅毒の症状をざっくりと紹介します。気になるワードや自分に当てはまることが見つかったら、更にネット検索して詳しく調べてみて下さい。「マズイ!」と思ったら、恥ずかしがらず性病科などで受診を。梅毒は早めに病院へ行けば大丈夫、治らない病気ではありません。
梅毒の症状
梅毒は段階を上げて症状が悪化していきます。しかし、最初は気づきにくいところが難点です。
【第一期:感染から3週間から一ヶ月】
・感染した部位に小さな「しこり」や潰瘍といった病変部分ができたりします。
・あるいは、股の付け根のリンパ節が腫れます。
しかし、これらの症状は痛みや痒みをともなわないケースが多く、特に何もしなくても自然に緩和されるため、見逃してしまう可能性があります。
また、性器だけではなく、オーラルセックス(口腔性交)でノドの部分にできたり、アナルセックスで直腸にできていたり、性器以外の場所に異常が出ている場合もあります。これに本人が気づかないまま性行為を行えば感染者を増やすことにつながります。1回の性交で感染する可能性は15~30%と非常に高いです。
キスでも箸の使い回しでも感染ってしまう
梅毒は粘膜と接触することで感染します。例えば、口に梅毒の病変部分がある場合は、キスでも感染しますし、感染者とのグラスや箸の使い回しなどでも感染の可能性があります。
【第二期 約1ヶ月~数ヶ月】
第1期の症状が消えた後、梅毒の病原体は血液の中に入り混んで、そして全身に広がります。
最初の症状が消えて、早ければ1ヶ月、多くの症例ではだいたい3ヶ月程でまたその姿を現します。
・全身に発疹
顔や手足にピンク色の円形のアザが出来たり、「バラ疹」と言われる赤茶色をしたブツブツが全身に広がります。
誰がどう見ても体が異常だと思うので、ここで病院へ駆け込む人が多いとか。
しかし、これも痛みも痒みもない場合が殆ど。しかも数週間や数ヶ月でアザは消えてゆくのです。“食べ物に当たったのかな?”くらいに軽視したり、忙しくて病院へ行く暇もない、なんていう楽観的な人がのちのち痛い目に遭います。
【潜伏期 数ヶ月から数年、10年以上】
・数ヶ月から数年、長ければ10年以上病原体は症状が出ないまま潜伏します。
【第3期 感染から3年以上・晩期梅毒】
・結節性梅毒疹やゴム腫などといわれる大きなしこりが出来ます。
・進行すると、心臓、血管、神経、精神、目などに重い障害が現れ、場合によっては死亡します。
その症状の画像をここに載せるのは厳しいので控えます。
ただし、現在では第3期以上に進行して死亡する事は殆どいないそうです。医学は進歩しているってことですね。
梅毒の怖いところは、一度かかっても免疫ができないので何度でもかかってしまうところ。
思い当たる人は、直ちに病院へ!