ネットトラブルの予防から解決までをワンストップでサポートする「ネットトラブルあんしんサポート」を提供するNTTドコモは、スマートフォン(以下、スマホ)を所有する全国の60~79歳までの男女300名を対象に「シニアのスマホ事情」をテーマにした調査を実施。結果、シニアの4人に1人が「フィッシングメール」の受信経験があるなど、ネットトラブルが身近になっている状況が浮き彫りになりました。その一方で「相談できる相手がいない」と感じているシニアが多いという問題点も判明しています。
また、アンケート結果をふまえてITジャーナリストの高橋暁子さんがシニアのネットトラブルの事例や対策法について解説してくれました。
※ITジャーナリストの高橋暁子さん
同調査では、はじめに「スマホを積極的に使用していますか?」と聞いたところ、78%が「そう思う」と回答。「現在使用している(定期的に閲覧または投稿している)SNSやメッセージアプリ」がある人も、6割以上(66%)にのぼりました。シニア世代は思った以上にネットやスマホを活用している人が多いようです。
しかし、一方でシニア世代はデジタルツールに慣れ親しんだ期間が短いこともあり、思わぬトラブルに巻き込まれる例も少なくありません。この問題は、シニア世代を親に持つミドル世代にとっても他人事ではないでしょう。
近年、スマートフォンの普及とともにシニアの利用率も高まっている「SNS」。調査対象のうち「SNSを使用したことがある」と回答した219名に「SNSにおける投稿内容」について質問をしたところ、約4人に1人(28%)が「旅行先での写真をSNSに投稿したことがある」、約5人に1人(23%)が「近所の店舗や風景を撮影した写真をSNSに投稿したことがある」と答えました。
また、約6人に1人(17%)が、「自分や友人の顔写真をSNSに投稿したことがある」と回答。特に、シニアの中でも男性のほうが顔写真を投稿する人の割合が高く、女性が9%であるのに対して、男性では24%と約4人に1人にのぼっています。
これについて、ITジャーナリストの高橋暁子さんは「SNSの投稿範囲・投稿内容については注意が必要。たとえば、友だち以外からも投稿が見られるにもかかわらず、自宅の場所がわかる投稿をしてしまうと、個人情報の特定につながったり、中には空き巣被害などにつながった例もあります」と指摘。
さらに「SNSコミュニケーションに慣れていないため、他人を誹謗中傷する投稿をしてしまい、友人との仲が険悪になってしまった例もあります。また、SNSで『#個人間融資』などのお金を貸すという投稿を見かけて借りてしまい、法外な利子を取られる被害も増えています」とシニアのSNSトラブルについて解説しています。
次に「インターネット上で何かを買うことがありますか?」と聞いたところ、47%と半数近くが「よくある」と回答。なお、男女別にみると、男性で「よくある」と回答した人は51%、女性では43%となり、シニア男性の方がネットショッピングを活用している傾向がみられました。
この結果を受けて、前出の高橋さんは「1回だけのつもりで購入したら定期購入の契約で高額請求される例は近年増加しています。定期購入ということはごく小さな文字で書かれており、スマホなどでは気づかない方が多いのです」と指摘。
さらに、高橋さんは「シニア層はPCサポートと称しての修理代請求や高額請求などの詐欺被害にもあいやすい傾向があります。よくわからないまま強引に契約を進められてしまい、払ってしまっているケースが多いようですが、本当に必要な契約なのか冷静に判断することが重要です」などと注意喚起しています。
続いて、過去に「ネット詐欺」と思われるものに遭ったことがあるかを調査すると、4人に1人(25%)が「フィッシングメール(銀行、カード会社、オンラインサービス、芸能人などの名を騙った詐欺メール)を受け取ったことがある」、約5人に1人(21%)が「フィッシングSMS(ショートメール)を受け取ったことがある」と回答しました。「利用した覚えのないサイト・サービスからの請求を受けたことがある」と答えた人も約7人に1人(15%)にのぼっています。
ネット詐欺について、高橋さんは「ネットに慣れていないシニアの方であれば、ネットサーフィンをしていて『ウイルスに感染している可能性があります』などの警告が表示されたら、慌ててしまうのも無理はありません。これはセキュリティソフトを購入させる詐欺です。偽の警告なので、無視するのが正しい対処法です」とコメント。
また、近年は「サイトの登録が完了しました」「料金のお支払いが確認できません。すぐにお支払いください」といったメッセージが突然表示される「ゼロクリック詐欺」が増加。高橋さんは「記載されている電話番号に電話をかけてしまうと、悪徳業者に電話番号を知られてしまいます。料金の支払いを説得されて支払ってしまったり、電話番号を他の詐欺に悪用されることもあるようです。こちらも無視し、連絡をとったりしないことが大切です」と解説しています。
最後に「インターネット上のトラブルに巻き込まれたとき、気軽に相談できる相手は身近にいますか?」と質問すると、「いる」と答えた人は57%にとどまり、残りの4割超(43%)は「いない」と回答しました。
実際に「インターネット上のトラブルに巻き込まれたときの行動」については、最多が「インターネットで調べる」(76%)となり、次いで消費生活センターなどの「無料の相談窓口に相談する」が73%となりました。親族や友達などの身近な人よりも、ネットや相談窓口で第三者からのアドバイスを求める人が多いようです。
この質問について「娘・息子がいる」かつ「気軽に相談できる相手がいる」と答えたシニア(146名)の回答をみると、ネットトラブルが起きたときに「娘・息子に相談する」と答えた人の割合は66%にとどまりました。残り約3割(34%)のシニアは、ネットのトラブルについて「子どもには相談しづらい」と考えていると推測できます。
この状況について、高橋さんは「シニア層はネットやSNSなどの利用経験が乏しいため、ネットリテラシーはあまり高くありません。それ故、残念ながら、詐欺などの標的になってしまいやすい傾向にあります。中には、被害にあったことを相談できず、子どもに相談してきたときには老後の生活費をすべて騙し取られていたという方もいるほどです」と指摘しています。
本来ならば、シニア自身がネットリテラシーを高め、何か不安なことがあったら娘・息子に相談できる環境をつくり出すのが理想的。しかし、ネット詐欺は手口がどんどん巧妙化しているので自衛には限界があり、アンケート結果にもあったように「子どもには相談しづらい」と考えているシニアも多いのが実情です。
ひとつの解決策として、高橋さんは「万が一トラブルにあったときのサポートに役立つサービスとして、NTTドコモの『ネットトラブルあんしんサポート』などを活用すると安心ではないでしょうか」と提案。「トラブル防止に役立つ最新事例が紹介されている他、万一トラブルにあった際に専門スタッフや弁護士に電話相談できるサポート体制も整っています。最近増えているキャッシュレス決済の不正利用補償がついている点も、安心ですね」とアドバイスしています。
NTTドコモでは、シニアをはじめとしたスマホユーザーのインターネットライフをサポートするサービスとして「ネットトラブルあんしんサポート」(月額:税抜500円)を提供。トラブルを未然に防ぐための最新事例を紹介するほか、いざという時には専門スタッフ・弁護士・消費生活アドバイザーに電話相談が可能。また、キャッシュレス決済の不正利用を補償する「不正決済補償」(最大100万円)も付帯しています。
スマホを持ち始めた親御さんの生活や財産を守るためにも、子ども世代が導入を勧めてみるのもよさそうです。
▼「ネットトラブルあんしんサポート」
https://nettrouble.docomo.ne.jp/